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ついにきた!役者・鶴瓶の“顔力”のすごさとは?

2009年12月01日 10:50

吉永小百合と笑福亭鶴瓶が、姉と弟役で切っても切れない家族の絆を体現 | [c]2010「おとうと」製作委員会

今、役者・笑福亭鶴瓶が熱い。2009年は映画初主演作『ディア・ドクター』(09)での町医者役が高く評価され、公開が待たれる、『男はつらいよ』シリーズの山田洋次監督作『おとうと』(1月30日公開)でも、主演の吉永小百合と堂々渡り合っている。それはひとえに鶴瓶独自の“顔力”によるところが大きい。

ここでの顔力とは、顔の表現力のことだ。人なつっこいキャラクターがいい味を醸し出すので、これまでも脇役として重宝されてきた。例えば2008年の出演作を見ても、吉永小百合主演作『母べえ』をはじめ、『映画 クロサギ』『奈緒子』『私は貝になりたい』でもその持ち味は十二分に活かされている。

最近は脇ではなく、主演や主演級の役柄でその威力を発揮。『おとうと』で鶴瓶が演じるのは、吉永小百合扮する賢く美しい姉の弟で、どうしようもないダメ男・鉄郎役。いい年をした中年男が、姉を“お姉ちゃん”と呼ぶあたりもニクイ。後半、病を患うという設定のため、2か月で15kgも減量したというプロ意識は大いに買うが、鶴瓶のすごさは“そこ”だけではない。

親しみやすいタレ目の“顔力”こそくせ者なのだ。

『ディア・ドクター』では、鶴瓶扮する人柄のいい町医者・伊野をとりまく周辺で、思いも寄らぬ事実、いや事件!?が発覚! 見ている側は衝撃を受けるだろう。

今回の『おとうと』の役どころもしかり。鉄郎のダメ男ぶりに最初は失笑しながらも、なんだか憎めないなと物語に引き込まれていく。でも、度重なるトラブルの連続で、途中から「絶対にいやだ、こんな男」と、突き放したくなる瞬間が訪れる。

で、肝心なのはここからである。

『ディア・ドクター』、『おとうと』の2作のいずれも、最終的には観客を味方につけていく。すったもんだを起こしたやからが、気がつけば何か温かいものを胸の奥に運んでくれたことに気付くのだ。役の振り幅が大きければ大きいほど、観客の心は波打つ。山田洋次監督もキャスティングの狙いはそこにあったと言っていた。

とはいえ、鶴瓶といえば、すでに知る人ぞ知る名役者だ。それは、自身の番組で今でもコアなファン層から支持される「スジナシ」を見れば顕著に分かる。ここで鶴瓶は、シナリオなしの1シチュエーションを舞台に、ゲストの役者と即興ドラマを作り上げるという荒行を続けてきた。いろんな名役者たちとガチンコ演技対決をしてきた百戦錬磨の経験は、想像以上に大きかったのではないか。

さまざまな分野でボーダーレスに活躍する笑福亭鶴瓶。ここへ来て、ようやく役者の真価が問われるステージに躍り出たわけだ。きっと『おとうと』でも、また映画界にその名をとどろかせるに違いない。【Movie Walker/山崎伸子】

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