劇場版三部作4KリマスターBOXの100Pのブックレットから読み解く“古典としてのガンダム論” - 2ページ目 |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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映画ニュース 2020/10/27 17:00

劇場版三部作4KリマスターBOXの100Pのブックレットから読み解く“古典としてのガンダム論”

当時の社会状況&アニメ周辺事情と劇場版『ガンダム』が変えたもの

「イントロダクション:劇場版『機動戦士ガンダム』の誕生と影響」では、TVシリーズから劇場版へと進化を遂げた『機動戦士ガンダム』を、当時の世相やアニメ作品を取り巻く状況から改めて振り返る。1977年の『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』の成功を受け、中高生をターゲットにした劇場版アニメ製作の機運が高まっていたこと。富野、安彦両氏ほかスタッフは、外部の人間には任せず自らの手で劇場版をつくるのだという強いこだわりをもっていたこと。'81年2月に新宿東口アルタ前で行われたイベント「2.22アニメ新世紀宣言大会」の熱狂。そして、本作が変えたものーーアニメ・ソングとポップスの融合、世界観をこそ重視する“リアルロボットアニメ”ジャンルの確立、アニメ・ファンの形成など――を解説している。

モビルスーツや戦艦などを紹介する「MECHANIC FILES」
モビルスーツや戦艦などを紹介する「MECHANIC FILES」[c]創通・サンライズ

「劇場版『ガンダム』の中の一番の本質はニュータイプ」

「宇宙論」では、企画段階の宇宙世紀年表と共に、スペースコロニーや宇宙船などの舞台設定を詳説。さらに超小型衛星の開発などで知られる東京大学航空宇宙工学教授の中須賀真一氏へのインタビューで、宇宙開発、進出の側面から『ガンダム』を読み解いていく。専門家の視点で「同時期の『スター・ウォーズ』に比べれば(笑)、ちゃんと宇宙空間が描けて」おり、ハロやコロニーに一定のリアリティがあるという中須賀氏は、「何百年後かにガンダムの世界がありうると考えるのは無理ではない」と語る。また、「劇場版『ガンダム』の中の一番の本質はニュータイプ」であるとし、アーサー・C・クラークの小説では人類の進化が“外在的”なのに対し、『ガンダム』は“内在的”と比較する。

「風にひとりで」など主題歌&挿入歌の、井荻麟直筆の歌詞も掲載
「風にひとりで」など主題歌&挿入歌の、井荻麟直筆の歌詞も掲載[c]創通・サンライズ

「『めぐりあい宇宙編』はちょっとついていけない領域。その遠さがかえってつくり手の本気を感じさせる」

「現場論」ではまず、第1作で制作進行、第2作でプロデューサー補、第3作でプロデューサーとして劇場版に関わった植田益朗氏が当時を述懐。TVシリーズの絵コンテを切り貼りして資料室に怒られたことや富野監督の降板騒動など当時の現場のエピソードが印象的だ。また、荒木哲郎、吉沢俊一、小形尚弘の鼎談も収録。荒木は三部作を「再編集映画でうまくいっているものの筆頭」とし、『哀・戦士編』の冒頭3分の“視点の上げ下げ”など、具体的な箇所を挙げて富野演出の真髄を解説する。吉沢「よくわからない世界」、小形「編集とテンポ感が神がかっている」、荒木「ちょっとついていけない領域」と、三者揃って『めぐりあい宇宙編』に格別の畏怖の念と敬意を表している。

「マチルダの死を幻視するアムロ」ほか名場面の、富野監督による絵コンテも多数
「マチルダの死を幻視するアムロ」ほか名場面の、富野監督による絵コンテも多数[c]創通・サンライズ

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10月28日(水)発売
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