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蒼井優や高橋一生らを『スパイの妻』黒沢清監督がべた褒め「華がある」「舌を巻くほど上手い」

2020年10月17日 19:13

福原聡子役の蒼井優
福原聡子役の蒼井優

第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞作『スパイの妻 劇場版』(10月16日より公開中)の舞台挨拶が、10月17日に新宿ピカデリーで開催され、蒼井優、高橋一生、東出昌大、坂東龍汰、黒沢清監督が登壇。映画館が満席だったことに蒼井は「すごい。100%のお客様でうれしいです」と言うと、黒沢監督も「ぎっしり詰めかけてくれて、とてもうれしいです」と笑顔を見せた。

蒼井は「すごいスケールの大きい映画に見えて、実際の撮影は、スケジュールと予算の兼ね合いでの攻防戦が繰り広げられていて、画の中にしかセットがないんです。最後も、火がわっと広がっているように見えるけど、実はこのへんにしかなくて。でも、黒沢監督の作品は、画の中を撮りながら、画の外も捉えている。そこがすごいなと。銀獅子賞受賞の監督の前でえらそうにという感じですが(苦笑)。すごく骨太な映画ができたなと思いました」と手応えを口にした。

福原優作役の高橋一生
福原優作役の高橋一生

「非常に充実した時間でした」と感慨深い表情で語った高橋は、長台詞のシーンについて問われると「一応、僕は俳優としてやってるので大丈夫」とおちゃめに笑いながら「3回くらいしかやってないんです。テスト2回と本番1回で、撮影の2日目でした。でも、試写で観させていただいた時、『高橋一生、すごい長台詞を頑張ってる』と見えなかったのが良かったなと」と胸をなでおろす。

蒼井は同シーンについて「頑張ってるなと」と笑顔でツッコミを入れつつ「撮影2日目だったので、あそこで一生さんが、現場のエンジンをかけてくださった。本当に感謝してます。ありがとうございました」と言うと、高橋も「ありがとうございます」と恐縮して頭を下げた。

続いて、黒沢監督がそれぞれのキャスト陣の魅力を語った。「蒼井さんは、見ておわかりのように、華があるんです。会うと普通ですが、なぜか画面に映ると、隅に行っても、後ろに行っても絶対に輝く。持って生まれたなにかなんでしょう。高橋さんは、初めてご一緒しましたが、舌を巻くほど上手い。長くても短くても、台詞が観てる側に飛び込んでくる。観客の心を誘導する力がある。たぶん世界で一番上手いんじゃないかと」

続けて東出については「東出さんは、あやしいんです。妖怪の“怪”のあやしさも、“妖”のあやしさも両方ある。出てきた瞬間、なにかが起こりそうという感じがするところが大好きです」と、坂東については「最初、もうちょっと緊張するかなと思ったら、ぜんぜん緊張してなかった。蒼井さんとはかなりハードなやりとりがあったけど、楽々やってた。若手なのに傍若無人というとあれですが、将来、大者になる器なのかなと、どこか微笑ましくも呆れて見てました」とユーモアを交えてコメント。

黒沢清監督がキャスト陣の魅力を語った
黒沢清監督がキャスト陣の魅力を語った

蒼井はその言葉を受け「本当にありがたいですし、頑張ろうって思います」と恐縮すると、高橋も「もう思い残すことはないんじゃないですか。今日が終わってしまってもいいくらい、うれしい言葉です」と大喜び。東出も「僕自身も黒沢監督の映画が好きで、あやしさや曖昧さが好きなので、今後ともいろんな監督の映画を観て、いろんな映画体験をして吸収し、自分のお仕事につなげていければなと」と、坂東も「緊張はしてたんですが、うれしくて言葉が出ないくらいうれしいです」と、それぞれに喜びをかみしめた。

『スパイの妻 劇場版』は、1940年を舞台にした歴史サスペンスドラマで、蒼井が主演を務めた。福原優作(高橋)は、仕事で行った満州で偶然、ある国家機密を知り、正義のためにその内容を、世に知らしめようとする。反逆者と疑われる夫を信じようとする妻の聡子(蒼井)は、ある行動に出る。

取材・文/山崎伸子

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