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映画館の感染拡大予防対策と、営業再開の見通しは?全興連が会見「映画館は“3密”ではないとしっかり伝えていきたい」

2020年5月28日 17:47

映画館の営業再開に際しての会見が行われた
映画館の営業再開に際しての会見が行われた

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除され、5月28日、映画館の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が東京都内で会見を行い、映画館の営業再開に際しての「感染拡大予防ガイドライン」について発表。「安心、安全に映画を楽しんでいただけるよう、全力で取り組む」と話した。

4月7日に発令された緊急事態宣言を受けて、全国の映画館が休業を余儀なくされた。宣言解除に伴う休業要請の緩和によって、各地で徐々に営業再開が始まっているが、東京都が緩和行程を3段階で示す「ロードマップ」では、映画館は「ステップ2」に該当。28日現在、東京都内ではいまだ休業要請は解除されていないものの、月内にも緩和されるのではとの見方が強まっている。

映画館の“3密”対策「安心、安全に映画を楽しんでいただけるよう取り組む」

会見には、全国興行生活衛生同業組合連合会、副会長の佐々木伸一が出席。「感染拡大予防ガイドライン」では密閉、密集、密接の“3密”を避けることが大前提となり、佐々木副会長は「映画館、および興行場は、各都道府県によって違いはあるものの、興行場法という法律の認可のもと営業をしている」と各種法令において一定の空調設備の整備が義務付けられているため、「換気はきちんと行われている。そもそも映画館は“密閉”ではないことを、ご理解いただきたい」とコメント。
換気能力は1平方メートルあたり毎時75立方メートル以上と厳密で、観覧室の床面積が400平方メートルを超えるもの、地下に観覧室があるものは空気調和設備もしくは第1種機械換気設備を設けることが義務づけられている。

“密集”については、行列や混雑が想定される場所では、できるだけ2メートルを目安に、最低1メートルの間隔を空けた整列を促す等の工夫、対策を行うという。またスクリーン内でも、十分な座席の間隔の確保(前後左右を空けた席配置、距離を置くことと同等の効果を有する措置など)に努めることがガイドラインに盛り込まれた。佐々木副会長は、スクリーンのキャパシティについて「最大でも50パーセントの座席しか販売しない」とキッパリ。「当面は舞台挨拶やイベント、声を発する応援上映など、飛沫感染につながる上映会はいたしません」と“密接”についても対応策を語り、「映画館は“閉じられた空間”というイメージがあるかもしれないが、実際に映画館は“3密”ではないということをしっかり伝えていきたい。安心安全に映画をお楽しみいただける環境づくりを、業界全体として取り組んでいきたい」と強い覚悟を示した。

映画館は「文化的に貢献しているという自覚はある」

記者からは「東京都のロードマップで、美術館や博物館は『ステップ1』であるのに対して、映画館は『ステップ2』となった。どう考えているか」との質問も上がった。小池百合子知事は「ステップ1」について、都民の文化的、健康的な生活を維持するうえで必要性の高い施設への要請を緩和するとしており、映画館が「ステップ2」になったことは、佐々木副会長は「私も愕然とした」と率直な思いを吐露。「映画館を含む興行場は、都民の文化的な生活を維持するうえで必要性が高い施設だと考えている」と持論を述べた。

さらに「行政が文化的に必要かどうかを判定するのは、非常に怖いことだなとも思っている。意見もお伝えした」と明かし、「感染リスクという意味で、博物館、美術館と、映画館のリスクはなにが違うのかという想いはありますが、『ステップ2』の移行を早くしていただけることで、我々の気持ちにも応えていただけているのかなと思う。当然、文化的に貢献しているという自覚はある」と力を込めていた。

課題、厳しさも…「踏みだすことが、映画再興の第一歩」

ガイドラインを守ることで、業界全体に厳しい状況も訪れる。50パーセントの座席しか販売しないと明言しているが、「経営的には非常に厳しくなる。座席数が減らされるのは非常に厳しい。ソーシャルディスタンスを守るために、上映回数を減らすということも起こりうる」と佐々木副会長。

「厳しくなることは間違いないが、まずは感染拡大を防ぐのが大前提。それならば『営業しなくてもいいのでは』と言われるかもしれないが、感染拡大防止をしたうえで踏みだすことが、映画再興の第一歩。苦しいなかでも営業をして、ワクチンや薬の開発や状況を見ながら、少しずつ戻していくしかない」と未来を見つめ、「30秒ほどの映像を作成し、幕間に流すことを考えている。ガイドラインに基づいて、安心、安全に楽しんでいただける場だというキャンペーンを行なっていきたい」とアピールしていた。

「我々は映画文化を守ると同時に、映画館文化も守っていかなければならない。作品の作り手へのリターンを最大化するためには、映画館での上映をしてから2次利用、3次利用という流れが一番リターンは大きいはずだと確信しています。そのためにも映画館のインフラを整えて、マーケットを維持していく必要があると思います」と力強く語った。

主な感染予防ガイドラインは次のとおり。全文は、全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)の公式サイトに掲載されている「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(https://www.zenkoren.or.jp/news-pdf/0522_COVID-19_guideline.pdf)を確認してほしい。

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