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ブルーインブルー
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東京在住。世界中を放浪したい欲望と必死に闘いながら、毎日働いています。好きなラーメン屋は、「飯田商店」(湯河原)、「はなび」(東新宿)、「らぁ麺やまぐち」(西早稲田)、「八雲」(池尻大橋)、「麺小屋 てち」(武蔵新城)、「しば田」(仙川)、「すみれ」(新横浜)などなど。好きな作家は、ドストエフスキー、フォークナー、プルースト、フロベール、ジャン・ジュネ、魯迅、中上健次、藤枝静男、有島武郎、坂口安吾、武田泰淳、大西巨人、宮沢賢治などなどなど…… 今年のテーマは、韜晦から諧謔へ。 https://twitter.com/cine53ra
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by ブルーインブルー
  • 2014年8月公開  
    日本映画界を代表する名カメラマンの記念すべき監督デビュー作
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    以前、あるアメリカの有名映画俳優が「観終わった後に2つか3つ印象に残った場面があれば、その映画は良い映画だ」というようなことを言っていたが、その意味でも、『ドライブイン蒲生』は優れた映画であると断言できる。たとえば、映画の主な舞台となる寂れたドライブインの駐車場で、姉の沙紀と弟のトシが(残り物の)花火をする夜の場面。店内に置いてあるラジカセでイケてない音楽を流し、それにあわせて姉弟と沙紀の恋人である満の3人が、少し照れながらも好き勝手に踊るシーン。あるいは、入院中の父親の死期が近いことを悟った姉弟が、家の玄関の前に並んで座り、沙紀いわく“不味い”カップ麺をすすりながら、「生まれ変わったら何になりたい?」といった内容の会話を、感傷的になるわけでもなく取り留めもなく交わす場面。一見何でもない日常の一コマを映したに過ぎないこの3つのシーン――に限らず、本作の中では全編を通して事件らしい事件は何一つ起きない――はいずれもフィックスの長廻しで撮られている。これらの場面が強く心に残るのは、監督のたむらまさき自身の手によるキャメラが、俳優同士の間で交わされる些細なやり取りやふとした動作・表情を的確な位置――すべての要素が機能する場所(筒井武文)――から捉えること(そのキャメラ・ポジション自体が「演出」である)で観る者に得も言われぬ感情を抱かせ、また、画面に持続している映像と音響によって、特に目を引く物が置かれているわけでもない舞台が徐々に特別な空間へと変容していき、「映画的」としか形容しようのない悦楽をもたらすためである(この映画には他にも素晴らしい場面が幾つもある)。トシと沙紀に扮した主演の2人、染谷将太と黒川芽以も独特の魅力を放っている。“独特の”と表現したのは、映画を観終えた後では他にこの姉弟を演じられる俳優が思い浮かばないほど、本作の中に流れる大気(映像-音響間で突然起こるある種の気温差や風向きの違い等)に彼らが馴染んでいるからだ。2人の演技――「存在感」といった方が適切か――が本作の大きな美点であることは間違いない。監督・撮影を手掛けた、たむらまさき(田村正毅)については今さら説明は不要だろう。日本映画界を代表する名カメラマンと言っても過言ではない、たむらの75歳での監督デビュー作となった『ドライブイン蒲生』は、まさしく彼でなければ撮ることができなかった秀作である。

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