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レビューした映画

by かなり悪いオヤジ
  • 1964年1月公開  
    貴族は死なずただ立去るのみ
    タグ :
    • 切ない
    • ロマン
    • 憧れる
    • 知的

    ビスコンティがクラウディア・カルディナーレのバッグの中身にまでこだわったという、シチリア貴族の絢爛たる衣装、豪華な宮廷内の装飾を十分に堪能するには、やはりデジタル・リマスター版で鑑賞することをおすすめしたい。

    アントニオーニのイタリア映画にも必ずといっていいほど招かれるハリウッドスター。アフレコのため口の動きとイタリア語音声がまったく合っていないのが気になるところだが、シチリアの名門貴族ファブリツィオ・サリーナ公爵を演じるバート・ランカスターは、マッチョな前歴とは裏腹に、なぜかビスコンティ劇場では何の違和感もなくその存在感が屹立している。新時代の動きに機敏に対応する才気あふれる公爵の甥タンクレディを演じたアロン・ドロンを軽くしのいでいる。その相手役、新興ブルジョワの娘からタンクレディの妻におさまるアンジェリカを演じた若きクラウディア・カルディナーレは、頬のあたりがふっくらとしてまだあどけなさが残っているが、そのウエストは完璧なまでにシェイプされ、ビスコンティがこだわりぬいた舞踏会用のドレスが美しくスクリーンに映えていた。

    イタリア統一戦争の波に翻弄されるシチリア名門貴族サリーナ家は、ミラノの名門貴族であったビスコンティ家とそのまま重なる。『新旧2つの世界にまたがって生きている』サリーナ公爵が中央政府の使者から上院議員就任の勧誘を受けるシーンにおいて、この映画のテーマがよく語られている。『異文化の圧迫を受け続け、2500年間自らの文化を作り出せなかったシチシア人は老いている。我々は長い眠りを求めているのだ。…ただ忘れ去られたいのだ』『血なまぐさい事件も、甘美な時の流れに身をゆだねるのも、結局は官能的な死への欲求なのだ』『現状を肯定する者に向上はのぞめぬ。自己満足は否定よりも強い』こんな言葉を外資系の会社で言おうものなら、「お前やる気あんのか」と上司からまちがいなくどやされるのがオチだが、ライオン髭をたくわえ人生の悲哀を味わいつくした老公爵が切々と語ると何とも説得力があるから不思議だ。仏教の<無常>にもつながる世界観を、アメリカを含めた新興国の人々が理解するのはおそらく難しいだろう。

    既得権益にしがみつき、いつまでも後進に道を譲ろうとしない日本のご老人たちに、この映画で描かれる<去り際の美学>を是非学んでほしい。

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