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レビュー外伝(2009年3月11日更新)
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レビューした映画

by きっちゃん
  • 2009年12月(土)公開  
    これはヤマトをまとった、空虚な作品である
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    私がヤマトと出会ったのは、小学校3年の頃だったと思う。母に勧められ、劇場版作品のビデオを一気にレンタルし、一気に観た。どれも、面白かった。それは、今まで味わったことが無い感動で、胸の内がカーッと猛烈に熱くなるような感覚だった。特に、劇場版第二作目『さらば宇宙戦艦ヤマト』は傑作で、沢田研二の「ヤマトより愛をこめて」がかかるエンドロールでそれまでもシーンが走馬灯のように蘇り、それまで流さなかった涙を、私はそれから2時間以上も号泣し続けた。それほどまで、宇宙戦艦ヤマトは私にとって強烈な作品であり、どの作品も私が受け止めきれないほどの衝撃、メッセージを与えてくれた、言わばバイブルのような存在なのだ。
    今作の前の作品は『宇宙戦艦ヤマト 完結編』であり、その名のとおりそれはヤマトの最後にふさわしい、それぞれの年代の生き様を示した良い作品だった。今作でも、その1シーンが映像に盛り込まれ、ストーリー自体も前作を引きついだものとなっている。しかし、私が一番心を動かされたのはその回想シーンだった。つまり、『宇宙戦艦ヤマト 復活編』には全くと言っていいほど、感動出来なかったのだ。
    何が問題だったのか……。私が年を取ったから?かつてのクルーがほとんど登場しないから?それとも、気付いていないだけで「昔のヤマトにかなうはずがない」と構えて観ていたから?おそらく、どの理由も当てはまり、そしてどの理由も当てはまらないだろう。一番しっくりくる理由は、「今回のヤマトには目的が無いから。」なのではないだろうか。
    かつてのヤマトには、ガミラス帝国の侵略、イスカンダルへの航海、白色彗星帝国や暗黒星団帝国、ディンギル帝国の脅威、回遊水惑星アクエリアスの接近など戦う理由や地球を守るための明確な目的があった。そして、その過程で愛、生き様、命の尊さ、守るべきもの、誇り、決断の苦しみ、激しい怒り、耐えがたい辛さ、争うことの悲しみなど、真っすぐなメッセージを観客に発信してきたのだ。
    しかし、今作はどうだ。目的や目標、焦点がぼやけているばかりではなく、そのストーリーの軽さは目を覆いたくなる。人一人の命が犠牲になるかもしれない決断も、地球を崩壊させてしまうかもしれない決断も、悩むことなくあっさりと決断し、命を扱う苦悩なぞ無くなってしまっていた。新たな登場人物も現代の若者を反映させたのかは分からないが、あまりにもちゃらちゃらし過ぎており、共感なんて全く出来なかった。
    今作の企画・原作・製作総指揮・監督・脚本を担っている西崎氏は、パンフレットにて、
    「今の若者は、自分たちが地球の上に立っていること自体を忘れているようで、その地球を軽視しているような気持ちを根本から変えてみたいと思った。」
    「子供たちに言いたいことと言えば、30代、40代の大人の真似をするなということ。一回り上の世代は戦後、自分を犠牲にして一生懸命働いて、日本を豊かにしたが、その世代と子供たちの中間にあたる層は最初から恵まれ過ぎていて、自己中心的な人が多いと思います。」
    というようなことを述べていた。
    これを読み、私はなんとなく理解できたように思える。今作は、夢や希望、教訓などを純粋に伝えたいという目的から生まれた作品ではなく、一人の年老いた男が、自分のことを棚に上げて、一方向から、それも自分の周りのみを見て、そして「今時の若者は……」なんてお決まりのセリフを伴い、斜に構えて製作に乗り出した作品なのだと。
    そんな思いで作っては、私たちの胸は打たない。ちなみに、西崎氏は今作に込めたメッセージとして、「環境汚染という地球の危機は現実のものだが、日常的にはそんなことも考えず地球を踏みつけにして歩いている人が9割でしょう。水や草花や動物を人間と共に育んできた地球の素晴らしさに気付いてほしい。」ということを挙げている。もし、これを目的とするのであれば、あんなにも軽い流れにせず、もっと重さを持たせて、そのメッセージをぶつけてくるべきだっただろう。強い目的無しにして、作品は成立しない。
    時が流れれば絵の変化は、仕方がないし、多少の粗さはそれも味である。
    戦闘シーンは映像技術が発達したおかげで、今までのヤマト作品の中で一番迫力があるのは当然だ。
    ヤマトは、魅せる大人のアニメであり、若者のためのアニメである。
    初めて観たヤマトが今作で、ヤマトに対して良くない印象を受けてしまった人はおそらくいるだろう。私は、それが非常に残念でならない。もし、そういう人がいたならば、その人には旧劇場版ヤマトを観て欲しい。絶対に、それは裏切らないから。
    第二部に続くようだが、おそらく、私は第二部も観に行くことだろう。そして、見届けた上で、またこうしてレビューを書こう。それが、ヤマトファンである私がヤマトへ関わる手段であり、ヤマトへの愛を語れる時なのだから。

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  • 2009年12月(水)公開  
    かつての人の姿
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    • SF
    • 楽しい
    • 切ない
    • 爽快
    • 独創的
    • 泣ける
    • 悲しい

    かつて、私たちの周りには神々、精霊がいた。いや、正しくは私たちの生活の中にといったほうが正しいかもしれない。それは、本当に身近なもの、たとえば、森に生い茂っている木や絹のようしなやかに流れる川、全てを包み込むような海、そして、生活圏を共にする様々な動物たちなどであった。
    人々は、生活する上で感謝の気持ちを守ってきた。生きていくためには、動物を殺さなくてはならない。その命をもらうこと、その命が安らかにあることを祈って、自らの肉体にその命を取り込んでいった。そうして、人、自然、動物は、お互いを敬い、支え、共存してきたのだ。
    それが最近、人間は傲慢になった。
    「欲しいものは手に入れる。」
    何事も必要以上に求め、必要以上に破壊し、必要以上に発展させようと必死になっている。
    いつから、得ることの喜びだけを考え、奪われることの悲しみを考えなくなったのか。そうして、導かれた未来は、種の絶滅や住処の消失など近年話題になっている様々な環境問題である。
    この作品は、かつての人間と自然の姿を私たちに提示し、その姿が最も素晴らしい形なのだということを、学ばせようとしてくれる。
    確かに、科学技術の発達は私たちに膨大な利益を与えてきた。こうして、パソコンに向かっているこの状態もまさにそれそのものだと言える。しかし、やはり時々、この発展は必要以上のものなのではと考える。では、今後、それらの技術を使わずに生活出来るのかと言ったら、それはおそらく無理であろう。すでに、私たちは技術の発展の恩恵に慣れ、それが生活となっているからだ。だから、私たちの出来ることは、今後生きていく上で「この世に生きているのは、人間だけではない。」ということを常に考え、それを忘れずに生きていくことだと思う。人間、動物、自然。全てが同等にこの世にいる権利がある。互いに尊敬しあえる仲であり、必要以上のことはしない。
    映像の素晴らしさは既に様々なところで言われているが、この作品はこのように内容も素晴らしいものであった。162分。その長さに見合った内容、満足感。久しぶりに「この作品のレビューは絶対に書きたい!」と思える作品に出会えた。
    映像は、3Dと2Dがあるようだが、私が2Dで観た限り、それでも十分に立体的であり、気分はその作品の中に自分がいるような感覚だった。主人公が初めて目にし、感動したものが、体感出来る。その一体感は不思議な感覚で、鑑賞後には衝撃が体に残り、ふわふわとした浮遊感を伴い、一瞬で現実に戻ることは出来なかった。しかし、おそらくこれを3Dで観たならば、私は体調を悪くしていたかもしれないということを、あえて記述しておこう。要は、選択には気をつけて欲しいということである。せっかく、映像に負けないくらい素晴らしい内容の作品なのに、映像を重視したために内容に入り込めなくては、それは非常に残念なことだからである。
    忘れられている当然のこと。それは何かを体感しに劇場に足を運んでみて欲しい。

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  • 2009年12月(土)公開  
    謎は簡単かもしれないが
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    • アニメ
    • 楽しい
    • 笑える

    まさか、このゲームがアニメーション映画になるとは思っていなかった。
    最初は、大泉洋のファンであるがために、ゲームに手を出したのだが、やってみるとこれがまた面白い。謎のレベルが高く、時間を忘れ、頭を抱えて悩む日々が続き、それがなんとも心地の良い感覚だったのを覚えている。
    プレーヤーが謎を解きながら、物語を進めて行くのがこのゲームの面白さであるため、「映画にしたら、この面白さはどうなってしまうんだ?」と思っていたが、実際観てみると、ゲームとはしっかりと切り離して観ることが出来た。やはり、謎を解く面白さというものは少なくなってしまっていたが、それを物語でカバー出来ており、非常にロマンにあふれた楽しい作品に仕上がっていた。
    あの登場人物がデフォルメされた独特の絵はゲームの雰囲気のままで、へんてこりんな顔のキャラクターもそれがチャームポイントとなり、人物としてしっかりと成り立っている。正直、大画面で観たら陳腐なものになってしまうのではないかと不安であったが、それは余計な心配だったようだ。
    個人的に、好きだったキャラクターは敵役のデスコール。レイトン教授を演じる大泉洋の声も非常に良い声なのだが、デスコールを演じた渡部篤郎は、アクセントが独特でそれがミステリアスであり、狂気的なデスコールにぴったりだったのだ。「このキャラクターを演じてくれてありがとう」と言いたいくらい非常に素敵な声だった。
    劇中で出題された謎に、劇場内は「あれさ~」なんてひそひそ話す声が聞こえたが、今作ではそれもまた楽しみ方の一つであると思う。
    友達と一緒に、家族で、鑑賞しながら謎を協力して解き合うのも楽しいのではないのだろうか。
    ただし、その際は周りの迷惑にならない程度しましょう。

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  • 2009年12月(土)公開  
    かっこよさの表現
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    • アニメ
    • 楽しい
    • 切ない
    • ロマン
    • 憧れる
    • 笑える
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    とうとう、コミック原作者が製作総指揮として映画製作に挑んだ今作「ONE PIECE STRONG WORLD」は、原作ファンなら納得の記念すべき10作品目となっている。
    というのも、今までの作品は確かにストーリーが良かったものもあったが、どちらかというと原作から離れて、キャラクターたちの面白い特徴を取り入れたただ楽しむためのものという感じがあったが、今作は原作のシリアスな雰囲気や仲間に対する強い気持ち、そして、海賊となるために去った故郷への思いなど、笑い以外の原作の魅力もふんだんに盛り込まれていて、「やっとONE PIECEらしい映画が出来たな。」と感じた。
    オリジナル作品としては、2006年の作品以来3年ぶりとなる(前二作はコミックスでのエピソード)が、それだけ待った甲斐は十分にあった。あるキャラクターの過去のトラウマ的なシチュエーションを作り出すことで、原点回帰のようなテーマが浮かび、第一巻から原作コミックスを読んでいるファンにとっては、これ以上心打つものはないだろう。また、エンドロールもこの作品にふさわしい映像で、「これからも彼らのファンでいよう。」「一緒に航海を続けよう。」という気持ちにさせた。
    製作総指揮である原作者は、ともかく“かっこいい”と思うものを全部入れたいという気持ちだったそうだ。作品を観たら、その意味が分かる。仲間を後ろにかばって、敵と対峙するシーンや敵陣に乗り込んでいくシーン、1対1の真剣勝負、夜空に浮かぶ月など、 “かっこいい”の王道を突き進んでいる。王道、すなわちベタな展開なのだが、それでもスクリーンに見入ってしまうのは、そういうベタなかっこよさを観客は望み、そこにロマンを見ているからだと思う。
    原作者が今後、劇場版は2年に1本ペースと考えているそうだが、時間をかけてこれだけの強い作品が出来るのであれば私は喜んで待つことだろう。むしろ、長い時間をかけて、大爆発させてほしいというのが本望だ。
    コミックス原作のアニメーションだと思って侮るなかれ!子供も大人も楽しめ、惚れ、心が躍る1本とはこのことだ!

    • ◆このレビューを 8人 が参考になったと投票しています。
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  • 2009年10月(水)公開  
    伝説となる一本
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    • ドキュメンタリー
    • 楽しい
    • 憧れる
    • 泣ける
    • 興奮する
    • ハッピー
    • セクシー

    マイケルのような人が、これからの世界に必要だったのに……。
    観終わって、しばらくして思ったことがこれだった。
    コンサートを楽しむように「盛り上がっていこう!」という気持ちで鑑賞に臨んだ。しかし、そんな気持ちは開映直後、すぐに消えてしまった。スクリーンにマイケルが登場するや否や、席に押しつけられたかのように全く身動きが取れなかった。マイケルの歌が流れても、リズムを取るということは出来ず、ただただ彼の存在感に圧倒され、身体が自由に動かなかった。
    しかし、その金縛り状態も徐々に解けていき、いつしか足でリズムを取っていた。実現出来なかったコンサートの舞台裏のドキュメンタリー映画なのにも関わらず、私はまるでマイケルのコンサート会場にいるような錯覚さえも起こしていた。そして、観ている間、彼がこの世にもういないことを思い出し、視界が霞むこともあった。
    マイケルは、真に純粋だった。誰かの失敗に対しても、怒ることはなく、「コンサートを成功させるためだよ。」と、友達を励ますように語りかけ、自分が上手くいかない時は少し拗ねて、周りのアドバイスを素直に聞き、彼が「ファミリー」と呼ぶスタッフたちと楽しみながら、コンサートを楽しみにしていた。そうして、「人を日常とは違う世界に連れて行くために、自分の最高のパフォーマンスを見せたい。」と、コンサートの準備を進める彼は、クリスマスの準備をする子供のようだった。
    楽しいばかりではなく、今作には彼の現在の世界に向けたメッセージも含まれている。それは、複雑なものではなく、ごく単純なもの。しかし、多くの人が気づいてないものであり、今、最も大切にしなければいけないこと。彼は、このコンサートを通して、彼のファンを楽しませるだけではなく、自分の最大限の力を利用して、世界にこの力強いメッセージを発信しようとしていたのだった。
    約2時間のマイケルのラストステージは、あっという間に終わってしまった。「これで終わりなんて嫌だ!」と、劇場内が明るくなるのが辛かった。劇場では拍手が起こり、席をすぐに立てない人もいた。私もその一人だ。涙が止まらなかった。
    このコンサートを実現し、成功させてほしかった。もっと、メッセージを発信して欲しかった。もっと、もっと、彼には生きて欲しかった!
    『THIS IS IT』
    これを観たら、彼がどんなに世界を愛し、世界に愛されているかが分かる。
    彼のラストステージは、ぜひ劇場で……そして、素直にこの感動を味わっていただきたい。そう、多くの人に願うばかりだ。

    • ◆このレビューを 13人 が参考になったと投票しています。
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  • 2009年10月(土)公開  
    その3時間22分は、大きな満足感を与える
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    • ドラマ

    そこには、対照的な二人の男がいた。一人は、波に逆らっても義を貫き、義のために戦い、義を信じ抜いた男。もう一人は、波に乗って偽を働き、偽のために裏切り、偽を重ね続けた男。同じ企業に立ち向かったことがある二人、同志であったはずの二人……。大企業の闇は二人の運命を弄び、握りつぶしていく。これは、国民航空という大企業を舞台に、様々な人を巻き込んだ、二人の男の生き方を描いた壮大な作品だった。
    3時間22分は、思わず身構える上映時間だ。それは、途中に10分間の休憩が取られるほどだ。この壮大なる物語を描くには、この時間は最低限必要なものだったに違いない。原作を読んでいないため、確かなことは言えないが……。しかし、この3時間22分は非常に短いものだった。労働組合による企業との交渉シーンや『クライマーズ・ハイ』でも描かれた御巣鷹山の大惨事、ドキュメント番組『プロジェクトX』のような企業の信頼回復にかける人々の姿など、人を引き付ける要素がふんだんに盛り込まれており、それがバランスよく作品に散りばめられているため、時間が経過するのが非常に早く感じられた。観終わった後にはやはり、多少の疲れを感じるが、それもまたどこか気持ちのいい感触で、十分な満足感が胸に広がった。久々に骨太な邦画大作を観た。個人的には10分間の途中休憩は不要だと思った。せっかく情緒あるシーンで渋い演技を見せてもらっているとこに、フェードアウトするわけでもなく、いきなりスクリーンに「インターミッション」の文字が入るのだから、そこで雰囲気がブツッと切れてしまうのが非常にもったいなかった。
    企業に翻弄される主人公を渡辺謙が演じているが、与えられた試練に真正面から挑む姿に男気を感じ、航空機墜落事故の被害者家族に対する真摯な姿は、私たちが政府や企業に求めるものそのものだった。そして、その不当な扱いにもあきらめることない姿に「こういう人についていきたいな。」と思わせるほどかっこよかった。
    対して、その主人公とは反対の道を進む役を三浦友和が演じ、エリートの道を進むために大切なものを捨て、ゆるぎない地位を獲得しているのにも関わらず、主人公よりも追いつめられた雰囲気は寂しさと悲しさを醸し出していた。
    この二人のキャスティングは絶妙だったと思う。スケールが大きく、並んでもお互い色あせることがない。逆であったならば、キャラクターの雰囲気は大きく違っていただろうし、この位置が正解だったと思った。彼らの他にも有名な俳優が起用されていて、中には出番が数分という役者もいたが、それは、それだけ小さな役柄のキャスティングにも妥協することなく、作品をしっかりと盛り上げようとする監督を始めとする制作陣の意気込みの表れだと受け取れた。
    『沈まぬ太陽』は、スクリーンの大きさに引けを取らない大きな映画だ。せっかくこんなにも映画らしい映画が世に出たのだから、これはぜひとも劇場で鑑賞いただきたい。
    実に見事な作品であった。

    • ◆このレビューを 15人 が参考になったと投票しています。
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  • 2009年10月(土)公開  
    リスペクトと役割
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    • アニメ
    • 楽しい
    • 切ない
    • 笑える
    • 心温まる

    現在における世界的な日本製の漫画やアニメのブームは、もはや周知の事実であろう。それは、「マンガ」という日本語がそのまま海外でも通じるくらいのものだ。漫画の神様と言われる手塚治虫氏の代表作、アメリカでは『アストロボーイ』としてアニメが放送されていた『鉄腕アトム』のフルCGアニメーション化もそのブームに乗ったものだと思われる。
    今作『ATOM』は、イマジ・スタジオによって制作された。彼らが先に手塚プロダクションに提案したアトムは、原作では9歳くらいの子供の設定であったアトムとは似ても似つかないものだった。大人びた14,5歳といったアトムであった。それはどうやら、アメリカの目から見たら、オリジナルのアトムでは幼すぎ、児童虐待が連想されるのだそうだ。確かに、日本から見たらアメリカの子供は年齢の割に大人びているし、アメリカから見たらその逆の感じ方がある。日米間において、年齢の印象は異なっているということがある。しかし、アトムが子供だからこそ背負わされてしまった宿命の非情な重さ、成長の軌跡、大人や人間のエゴなどのテーマがある。手塚プロダクションも今回のCGアニメーション化にあたり、ただ受け入れるだけではなく、手塚治虫氏の意思を繋げるためにイマジ・スタジオとぶつかり、結果として生まれたのが今のアトムになったのだ。確かにオリジナルよりは年齢が上のような気もするが、最初に設定されたアトムの妙に大人びた、悪く言えば老けたアトムではなく、幼さやあどけなさが残る力強い眼を持ったアトムがそこにいた。こうして、この作品は作り上げられていったのだった。
    内容は、やはりオリジナルと多少雰囲気が違う。ストーリーはアメリカ色が強くなっている。というのも、オリジナルでは、アトムが戦うことがメインとしてあり、その中でロボットに対する差別などのエピソードが描かれているが、今作は親子愛がメインテーマだ。最愛の息子を失ったテンマ博士の悲しみ、過ち、アトムのロボットとしての切なさなど、親子の間の葛藤や愛情を軸に、悪との戦いがあり、友情物語がある。これに伴い、キャラクターの性格も変わっていた。特にテンマ博士は、「あれ?こんな人だったっけ?」と、思うくらいだが、それもまた、もう一つのテンマ博士の一面を表しているのだろうと、最後には思うようになっていた。個人的には、テンマ博士とお茶の水博士がファーストネームで呼び合っていたのも面白かった。まさか、あんなファーストネームが付けられていたとは……。
    声優についても、文句なしだった。ぴったりとキャラクターと馴染んでいる。近年、話題の芸人やらアイドルやらを声優に用いていることが多く、作品の出来を低下させることがあるが、今作ではそれがなく、上戸彩の声は彼女ではなくアトムの声で、役所広司の声は彼ではなくテンマ博士だった。
    オリジナルと異なる点があり作品の印象も違ってくるが、この作品にはオリジナルをリスペクトする気持ちに溢れていて、決して制作が失敗だったと思わせない出来だと私は思う。
    世界と時代に合わせたアトム。この作品が、手塚治虫氏とアトムの存在を後世に伝える一端を担ってくれることを期待したい。

    • ◆このレビューを 7人 が参考になったと投票しています。
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  • 2009年10月(土)公開  
    その奇妙で独特な世界
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    • ドラマ
    • 感覚的
    • 独創的

    「あぁ、太宰だな。」
    終始そのような想いが胸に宿っていた。太宰の作品らしいということではなく、太宰治その人を感じた。
    「死にたい。しかし、死なせてくれない。」と、浅野忠信演じる大谷は言うが、おそらくこの人は人並み以上に生きることに執着していたのだろう。「生きたい。しかし、生きる意味が見いだせない。」と、そのようにも聞こえた。作品と同様に、太宰は何回か女性を伴って自殺を図っている。彼の最後もまた、愛人との心中で幕を閉じている。結局のところ、自分を全力で支えてくれる人が必要な、人一倍繊細な人物であったのではないだろうか。私はこの『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』を観て、本作は玉川上水での最後が未遂で終わった場合のその後の太宰、生きることが出来るようになる太宰を描いた、彼の現実に対するパラレルワールドのような作品だと感じた。
    これは映画ではあるが、セリフが独特の言い回しである。というのも、小説の言い回しをそのままセリフにしているような様子で、映像の世界ではなく、文学の世界にいる、すなわち文字を追って物語が進んでいる雰囲気だった。それもまた、作品としては面白いし、作品の世界観を広げることに効果的に作用していたように思える。この手の文学作品に共通する蠱惑的な一種の毒にも似た空気がそこに漂っていた。
    予告編から良い意味でも悪い意味でも裏切られることは多々あるが、この作品は予告編から全く反れない。正直なところ、予告編で大まかではあるが、物語の全体がつかめる。それほど、変化に乏しい内容である。それは、ただ静かに流れる清流にような……。確かに、物語が展開するためのきっかけやユーモアなシーンはある。しかし、それは一片でしかなく、全体のゆらりとした雰囲気を覆すほどのものではない。
    万人に進められる作品ではない。しっかりと好き嫌いが分かれるだろう。実際、私は少々、この作品の持つ毒にあてられてしまったが、日本文学を好まない私の母は、どうも退屈していたようだ。
    決して、気分転換に観る作品ではない。
    太宰治という男に興味がある人、日本文学が好きな人、またはその世界に身を投じてみたい人におすすめな、そんな映画。

    • ◆このレビューを 9人 が参考になったと投票しています。
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  • 2008年6月(土)公開  
    異常なリアル
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    • 実話
    • 社会派
    • 衝撃的

    中学生のとき、アメリカがイラクに宣戦布告した。ミサイルが打ち上げられるシーンが何回もテレビで流れた。戦争を知らない私が自分の目で認識した初めての戦争だった。
    それから、ニュースではこのイラク戦争はもちろん、紛争などの様子が頻繁に現れるようになった。だからなのだろうか……。悲惨な光景を目撃しているのにも関わらず、それが“非常事態”だとは思えなくなってしまっていた。「またか……。」と、慣れてしまっている自分がいた。こういう人は、私以外にもいるのではないだろうか。作中で、星条旗が逆さに掲げられる。主人公曰く、これは“国家の一大事”を表すのだそうだ。この、戦争が当たり前に感じられるようになっている今。まさに、各国の、いや個人個人の旗は逆に掲げられる時なのかもしれない。
    さて、話は変わるが、私は『父親たちの星条旗』を観たとき、感じたことがある。戦争の被害は死や怪我だけではないということ。生き延びた人間もまた被害者であるということ。それは、民間人だけではなく、その戦争に参加した兵士も同様だということ。前述のとおり、戦争とは“非常事態”すなわち異常な状態なのだ。その中での兵士たちのストレスは想像を絶するものだろうし、たとえ、非人道的な決断がそこにあろうと、私は彼らを100%責めることは出来ない。誤解はしないでほしい。決して、拷問などを許していいと言っているわけではない。それはしてはいけないことだ。私が伝えたいことは、若者をそんな異常な状態に追いやることが当たり前となっていることが異常であるということだ。
    トミー・リー・ジョーンズもシャーリーズ・セロンもそれぞれの役をしっかりと演じて、役者ジョーンズとセロンの気配を全く見せていない。もはや、ジョーンズは息子を亡くした元軍警察にしか見えないし、セロンも真実を知ろうとする刑事にしか見えない。それほど、この作品はリアルなのだ。
    この実話を基にした作品を観て、多くの人がこの争いが当たり前になっている状態が異常だと気付いてほしい。ただただそれだけを望む。

    • ◆このレビューを 1人 が参考になったと投票しています。
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  • 2009年9月(土)公開  
    戦国ものというよりファンタジー
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    • ファンタジー
    • 楽しい
    • 切ない
    • 笑える

    戦国時代を舞台にした映画だが、現代から子供がタイムスリップしてくることも踏まえ、時代ものというよりもファンタジーとしてみるのが妥当であろう。
    オリジナルであるアニメのほうは観ていないが、その点は鑑賞に全く影響がなかった。
    私が個人的に面白かったのは、現代では珍しくもないツール(マウンテンバイクや携帯電話、カレーなど)が戦国の世の様々な場面で登場したところだ。なんともミスマッチな様子だが、それでも徐々にそれらのツールが時代に溶け込んで、何の違和感もなくなっていくのが不思議で面白かった。また、主人公・真一が現代っ子らしい実年齢よりも大人びた雰囲気であるのと、真一の相手をする若侍が今では子供っぽいと言われてしまうような素直な雰囲気であったのが、各時代の若者を対比しているようで良かったように思える。
    そのような、現代と過去を、極端ではあるが、比較して見られるのはとても面白い作りをしていたが、ストーリーには、好みの問題ではあるが、不満を残さずにはいられなかった。
    武士というものは、闘って死ぬことに意義を見出す。死の美学とでもいうのだろうか……。確かに、現代では古い考え方だとは思うが、死ぬことを良しとしているわけではなく、命をかけて何かを守ろうとする姿に感動するものなのだ。しかし、今作では「そのラストに意味はあるのか?」と疑問に思わざるを得なかった。はっきり言うと、ネタばれになってしまうため、詳しくは説明出来ないが、私は、死せるものに対し、その死に意味を持たせてやらなければならなかったのではないのだろうかと思ったのだ。だから、私はあのラストに関しては「センスがないな……」と、感じた。映画制作に関して素人である私がこう言うのは今作を作られたスタッフに対して失礼だということは重々承知しているが、ここは素直な気持ちを載せさせていただきたい。
    さらに、話題となっていた山崎監督のVFXを盛り込んだ映像だが、今回は『ALWAYS』シリーズほど大画面を生かした壮大なものには出来なかったようだ。むしろ、スケールが小さく感じられ、迫力に欠けるものがあった。
    俳優陣は、新垣結衣と大沢たかおが流石の貫録を見せており、どうもこの二人が相手だったことが災いとなり、ドラマでは大活躍の草なぎ剛も完璧に演技力の差を見せつけられていたようだった。特に、大声で叫ぶシーンを比較したら明らかで、大沢たかおや新垣結衣ははっきりと台詞が聞こえるものの、対して草なぎ剛は何を言っているのか分からない状態だった。キャラクターも武士でしかも、鬼と恐れられた武士なのに威厳がなく、軽い。草なぎ剛に演技力がないとは言わないが、むしろ、ドラマなどではよく感動させてもらっているが、今回の役は合わなかったようだ。
    娯楽映画としては、十分に楽しめる作品であり、夢や希望が詰まった作品である。
    タイムスリップものが好きな人、オリジナルのアニメを見ている人、子供と一緒に見られる作品を探している人におすすめな、そんな映画

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