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晴耕雨読
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 上記した「ameblo」に主要投稿を移しました。HNは同じ「晴耕雨読」です。運動不足を反省し、今年の5月よりジムに入会しました。還暦前2年の年齢と5年ぶりのジムワークにへたり気味ですが、キックボクシングスクールにも参加して、老体に鞭打っています。3分間縄跳び×3回から始まり、シャドーを経て、パンチ&キックのキックミットやヘビーサンドバッグ、スパーリングの2時間の練習をプロのキックボクサーたちと週2回(他、週4回のトレーニング)行っているので、帰宅途中の下りのエスカレータでは足を踏み外すわ、自宅に到着するのは午前様だわになっています。詳細は私のブログ。
 高校~大学生時代にノートに書き込んでいた映画レビュー「映画徒然草」とその後社会人になってから鑑賞した映画と共にレビュー投稿しています。私が文学や映画へ興味を持ったのは、高校生時代の恩師で、現在は別府大学教授になられた、倉田紘文教授と衛藤賢史教授の薫陶のお陰です。また、いつも私のレビューに注目して頂いているユーザーの方に厚くお礼を申し上げます。

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by 晴耕雨読
  • 1984年4月(土)公開  
    これぞ!デ・パルマといった映像美
    タグ :
    • 爽快
    • 衝撃的

    「スカーフェイス」は「暗黒街の顔役」を原題そのままの邦題にした作品であり、ブライアン・デ・パルマ監督でリメイクされたモノですが、時節を読んだスタッフは主人公をイタリア系からキューバ難民に置き換えているのです。リメイクにはオリジナルで重要な位置を占めていたアル・カポネの亡霊も新移民への怨嗟も存在せず、近親相姦の要素は希釈され、新移民犯罪者のリンチ的ラストはアメリカ合衆国自体が抱えている麻薬にスポットをあてジャンキーの成れの果ての悲惨さを強調した教示的エンディングに変わっています。

     映画はリメイクと言っても、自分自身のジャンキーから脱出を願っていたオリヴァー・ストーンの極私的状況が込められた全く別の作品であると考えたほうが良いでしょう。製作者のマーティン・ブレグマンは「ゴッドファーザー」の大成功による柳の下のドジョウを自分の下に引き寄せる為に、アル・パチーノ主演で「暗黒街の顔役」のリメイクを思い立つといった単純な動機からこの映画が企画立案されたのですが、最初の監督候補だったシドニー・ルメットは単純なリメイクに難色を示して、アメリカ合衆国の重要な社会問題になっていた、コカインの世界をメインテーマにすることを主張したのです。ドラッグに詳しいシナリオライターとなると、コカイン中毒によって心身ともにどん底状態に陥っていたオリヴァー・ストーンに白羽の矢が立ったのです。

     完成したシナリオはストーン自体がコカイン中毒症状から脱出するための鬼気迫るものとなっており、ジャンキーによる肉体的苦痛や恐怖、禁断症状と妄想の毒がストーンの肉体から絞り尽くされるかのように壮絶なモノに仕上がったのです。アメリカ合衆国の大学と大学院を卒業した友人のT君によるとアル・パチーノは本物のコカイン中毒者でなければ、その演技はもの凄いものだと断言する位のリアリティだったようです。しかし、監督予定のルメットはコカインが流通する政治的要素に重点を置きたかったようで、ストーンの極私的脚本を映像化する監督は、デ・パルマに落ち着くのです。

     流れるようなカメラワークや長回しと短いカットの組み合わせ、チェーンソーでの拷問ショットやダイナミックな銃撃戦など、これぞ!デ・パルマといった映像美が映画全編に炸裂して、メディアを中心とする評論家諸氏の惨憺たる御意見をKO!するように映画ファンは「スカーフェイス」を絶賛したのです。勿論、興業的にも大成功して若年層やマイノリティからはカルト的な熱狂をもって迎えられたのです。そして、今日では「スカーフェイス」へのメディア評価は180度変わっているのです。劇中で主人公トニーを演じたアル・パチーノが訛りを強めた口調で連発した“ファッキン!”は、メディアとハリウッド自主規制倫理機構に向けて発せられたのかもしれません。

     ラストシーンの大銃撃戦でトニーが腰だめにしたグレネードランチャー装備のM16アサルトライフルをぶっ放す壮絶なハイテンション!“テメーら、いっちょう、いくぜ!”キューバ難民の前科者が必死で這い上がろうとしたその成り上がり精神に拍手喝采といきたいのですが、コカインさえ自分でやらなければ大成功は目前だったと痛感するのです。オリヴァー・リードも才能を無駄にせずコカインから足を洗ってくれ!と思う絶叫は「スカーフェイス」のファンからの声です。

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