Movie Walker Top > Myページ > 晴耕雨読 > レビューした映画

晴耕雨読
晴耕雨読
フォローする
 http://ameblo.jp/movie-walker/
 上記した「ameblo」に主要投稿を移しました。HNは同じ「晴耕雨読」です。運動不足を反省し、今年の5月よりジムに入会しました。還暦前2年の年齢と5年ぶりのジムワークにへたり気味ですが、キックボクシングスクールにも参加して、老体に鞭打っています。3分間縄跳び×3回から始まり、シャドーを経て、パンチ&キックのキックミットやヘビーサンドバッグ、スパーリングの2時間の練習をプロのキックボクサーたちと週2回(他、週4回のトレーニング)行っているので、帰宅途中の下りのエスカレータでは足を踏み外すわ、自宅に到着するのは午前様だわになっています。詳細は私のブログ。
 高校~大学生時代にノートに書き込んでいた映画レビュー「映画徒然草」とその後社会人になってから鑑賞した映画と共にレビュー投稿しています。私が文学や映画へ興味を持ったのは、高校生時代の恩師で、現在は別府大学教授になられた、倉田紘文教授と衛藤賢史教授の薫陶のお陰です。また、いつも私のレビューに注目して頂いているユーザーの方に厚くお礼を申し上げます。

映画力パラメーター
0MP
見たい映画 登録数
805MP
802MP
レビュー 登録数
4430MP
レビュー への評価
142MP
フォロワーの数

レビューした映画

by 晴耕雨読
  • 1981年1月公開  
    廓舟を舞台に三人の子供たちの一期一会
    タグ :
    • 小栗康平
    • 切ない
    • キュンとする
    • 泣ける

     映画「泥の河」は昭和31年の大阪湾に注ぎ込む安治川の河っぷち(※今風に言えばウォーターフロント)にある饂飩屋“なにわ食堂”からスタートします。濁った暗色の川に廃棄物や家庭ごみが流れてくる昭和橋の袂にある貧しい食堂の親父に田村高廣が扮し、彼の子供の信雄(朝原靖貴)と廓舟に住む幼い姉弟・銀子と喜一の出会いと別れを繊細な情感で描いた珠玉の名作です。昭和31年といえば、60年安保闘争の四年前、私は保育園の年少クラスだった時代であり、映画「三丁目の夕日」より少し前の日本全体がまだまだ貧しかった年です。TVも完全に行き渡っていない時代ですが、映画の中で効果的に使用されていた新聞の論調のように、もはや戦後ではないという意識と、社会現象にもなった「太陽族」と「太陽の季節」のブームが巻き起こった年であり、湘南の金持ち階級の若者たちに対して川筋の民家の住人たちには、焼け跡の臭いが染み付いていて、階級格差の対象性が痛感させられるのです。

     映画では「三丁目の夕日」のような懐かしい日本の風景が描かれています。若乃花・栃錦戦の相撲中継のブラウン管モノクロTVがあり、ラジオからは往時の吉永小百合が声の出演をした「赤胴鈴之助」の放送が流れてくる。2008年の現代からみれば半世紀以上も昔なのですが、それでいて奇妙に近しい風景が描かれていて、不思議なノスタルジアを感じるのです。戦後の経済成長から取り残され、自分たちを負け組みと悟って生きている川筋の住人たちは、主人公である食堂の主人板倉や、冒頭で死んでしまう馬車屋の男(芦屋雁之助)、信雄の憧憬の対象となる姉弟・銀子と喜一の母親(加賀まり子)であり、これらの大人たちの日常を子供たちの交友を通して不思議な静寂の中に描くのです。そうです、この映画の本当の主人公は三人の子供たちであり、信雄の家で風呂に入ったときに初めて笑顔を見せる銀子(柴田真生子)や、“僕、信ちゃんとこみたいな、普通の家に住みたいわぁ”という喜一(桜井念)の悲痛な思い、姉弟・銀子と喜一の母親の売春を目撃してしまう信雄の絶望的表情、貧しい廓舟の銀子が米櫃の中に手を入れて、“温かい”というセリフに感極まった思い出があります。母親と同様に米櫃いっぱいに米を満たし、その確かな手ざわりだけに幸福を見出す心。映像の美しさと、子供たちの素晴らしさに圧倒された名画は私の心の奥底にある先祖から脈々と継承してきたモノが、全身に流れるアドレナリンのように湧き上がってくるのを覚えさせてくれました。

     一箇所に二ヶ月と定住することが出来ずに水辺に漂泊する浮き草のような廓舟を舞台に三人の子供たちの一期一会に胸キュンされます。やがて、廓舟は川岸を離れて去って行く、信雄は舟の後を走って追いかける。カメラは建物の合間を縫って舟を追う静かなる横移動。感動のあまりにエンドロールで立ち上がる人が一切いなかった映画です。

    • ◆このレビューを 6人 が参考になったと投票しています。
    • ◆このレビューは参考になりましたか? [はい
My映画館
Myエリア
最近チェックした映画
映画
おすすめ特集

おすすめ情報

見て良かったランキング
凪待ち
凪待ち

香取慎吾と白石和彌監督が初タッグを組み、人生につまづいた男の再生を描く人間ドラマ

天気の子
天気の子

家出少年と不思議な能力を持つ少女の恋の物語を紡ぐ、新海誠監督によるアニメーション

トイ・ストーリー4
トイ・ストーリー4

おもちゃたちの冒険と友情を描いた人気CGアニメーションのシリーズ第4弾

Facebook&Twitter
MovieWalker_Facebook MovieWalker_twitter

Movie Walker Top > Myページ > 晴耕雨読 > レビューした映画

ムービーウォーカー 上へ戻る