トラビス・フィメル
ハリー・スミス少佐
ベトナム戦争中の1966年に、オーストラリア軍と南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)軍が繰り広げた“ロングタンの戦い”を描く戦争映画。味方にも危険が及びかねない至近距離に砲弾を放つ“極限着弾”を要請するほど激化した戦いを映しだす。『殺し屋チャーリーと6人の悪党』のクリフ・ステンダーズがメガホンをとり、オーストラリア軍D中隊を率いるハリー・スミス少佐を『ウォークラフト』のトラヴィス・フィメルが演じる。
※結末の記載を含むものもあります。
1966年8月18日未明、南ベトナムでベトコン部隊の急襲を受けたオーストラリア軍司令部。敵部隊の発射地点を突き止めるべく、スミス少佐率いるオーストラリア軍D中隊は偵察に向かうが、この部隊に属する徴集兵は若く経験も不足していた。やがて部隊はベトコン兵を目前に捉えるが、絶体絶命の窮地に追い込まれてしまう。そこで少佐は、味方をも危険にさらしかねない“極限着弾=デンジャー・クロース”を本部に要請する。
ハリー・スミス少佐
ボブ・ビュイック軍曹
オリバー・デビット・ジャクソン准将
ジャック・カービー准尉
ポール・ラージ二等兵
モーリー・スタンリー大尉
ノエル・グライムズ二等兵
Flight Lieutenant Frank Riley
Major Noel Ford
Lieutenant Colonel Colin Townsend
監督
脚本、製作
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作
製作
製作
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
撮影監督
編集
美術
衣装
視覚効果
音響効果
音楽
日本語字幕
[c]2019 TIMBOON PTY LTD, SCREEN QUEENSLAND AND SCREEN AUSTRALIA [c]キネマ旬報社
終始、戦闘シーンの連続です(戦場での娯楽(歌謡ショーみたいなの)が少しあります)
なので、映画にストーリー性を求める人にとっては「内容のない」という形容をされるかもしれません。
ただ、戦闘の描写の真偽は別として、この映画の内容が歴史的事実であるときちんと理解した時に「ベトナム戦争って何?何故?」「戦争って何?何故?」「何故、殺し合うの?」「ベトナム戦争ってアメリカがベトナムの共産主義化を阻止するために闘ったんじゃあないの? オーストラリア?何故?」という問いが浮かんできます。
映画の中に、婚約者を国に残してきたという若者が登場しますが、この若者は徴兵制と志願制のどちらでベトナムに来たのだろうか・・・。その時、どのような事情があったのだろうか・・・という思いもわきました。
この映画の元にある史実は1966年こと。この2年後の1968年位からアメリカでは反戦運動が盛んになっていき、1973年の全面撤退へと進みます。アメリカは徴兵制でしたがこの頃から徴兵拒否者が続出していったそうです。
そりゃあそうです。こんな殺し合いの場に、誰が好き好んでいくのでしょうか・・・
「こんな殺し合いの場を、もう二度と作ってはいけない」そういうメッセージを、私はこの映画に読み取りました。
こういう戦闘シーンだけの映画を観るのであれば、ベトナム戦争の起因とその時のアメリカ、ソ連、中国、日本などの対応、そしてその後のこと・・・について学ぶことも、また必要なだと思いました。
それで、映画を観た帰りに本屋に寄って「わかりやすいベトナム戦争」(光人社/NF文庫ノンフィクション)を買いました。
戦争の意味を戦闘シーンと(娯楽シーンとの対比も含めて)「戦争って何?」「戦争なんかしたくない!」という思いをさせる映画だと思います。
戦闘シーンのリアルさ、自己保身に走る上官に対する部下の葛藤、娯楽シーンとの対比、そういうのを含めて☆4つにしました。
【賛否両論チェック】
賛:戦闘での主人公達の姿が等身大で描かれ、戦場の怖さや戦争の悲惨さがひしひしと伝わってくるよう。アクションも非常に生々しい。
否:グロシーンがかなり多いので、苦手な人には向かない。登場人物も多く、関係性も分かりにくいほか、人物描写がやや浅い印象も受けてしまう。
まずレーティングこそありませんが、戦争映画特有の殺害シーンや負傷シーン等、グロく感じてしまうシーンがかなり多いので、苦手な人には向かないと思います。
歴史の闇に葬られてきたとされる実際の戦闘、「ロングタンの戦い」。突如その真っ只中へと放り込まれた者達の等身大の姿を通して、人間通しが殺し合う戦争の凄惨さが如実に伝わってくるようです。急に戦闘が始まったり、突然撃たれて命を落としたりと、戦場のリアルな描写には、思わず息つく暇もないほどです。アクションも勿論ド迫力なんですが、同時にかなりリアルで生々しくもあります。
ただ難点をいうと、登場人物が多いので、それぞれの関係性を理解するのに時間がかかるのと、その割には1人1人の人間性の掘り下げが結構中途半端で、なかなか感情移入しづらいところでしょうか。
内容的にも観る人を選びそうですが、重厚な世界観が光る作品でもありますので、アクションが好きな方は言うに及ばず、是非ご覧になってみて下さい。
ベトナム戦争に参加したオーストラリア軍が行った、1966年8月の「ロングタンの戦い」を描いた作品。
南ベトナムの農園地帯・ロングタンでオーストラリア軍がたった108人で、南ベトナム解放民族戦線の2000人と対峙し、わずか18名の死者だけで退けたという本当にあった作戦。
迫撃砲の自部隊への「至近着弾(デンジャー・クロース)」が、その作戦を可能にしたという史実を基に、無限ともいえるほど湧き出てくるベトコン相手に、ひたすら撃って撃って撃ちまくる(時々撃たれる)シーンだけの映画でした。
シナリオはグダグタ。
まさか令和の世に「中隊長、国に帰ったら俺、婚約者と結婚式を挙げるんですよ」ってセリフを聞くとは思いませんでした。
上長(大隊長・准将)がクソ野郎とか、テンプレのあらし。
映画としては正直面白くありません。
ただ、ミリタリー系映画好きとしては、戦闘シーンを丁寧に描いているだけで、多少採点は甘目に。
エンディングで、演じた役者と実際の兵士の写真を並べて見せるのですが、近年稀に見る、まったく似てない感がすごかったです。