山田孝之
武田健一
『虹色デイズ』の飯塚健監督がメガホンをとり、「とんび」や「流星ワゴン」の著者・重松清による同名小説を映画化。妻に先立たれてから一年、人生の再出発を決意した主人公が、仕事と育児の両立に奮闘しながら娘と共に成長していく10年間の物語を映しだす。主演を務める山田孝之が自身初となるシングルファーザーを演じ、國村隼や余貴美子、広末涼子、伊藤沙莉らが出演する。
家族の絆に心温まる、父と娘が歩む10年の物語『ステップ』特集 PR
直木賞作家・重松清の同名小説を、シングルファザー役初挑戦の山田孝之主演で映画化!大切なものを失った父と娘が再出発を決意し、仕事や育児の両立に悩みながらも、ゆっくりと成長していく10年間の物語。
※結末の記載を含むものもあります。
結婚3年目、30歳という若さで妻を亡くした健一は、トップセールスマンのプライドを捨て、時短勤務できる部署へ異動。2歳半になる娘の美紀の育児と、仕事を両立させようとしていた。義理の父母から娘を引き取ると提案されるが、健一はかつて妻と夢見た幸せな家庭を作るため、自ら育てることを決意。忙しない日々を送っていたある日、自分たちを見守ってくれていた義父が倒れたと連絡が入る。
武田健一
武田美紀 9~12歳
武田美紀 6~8歳
武田美紀 2歳
ケロ先生
成瀬舞
斎藤奈々恵
村松美千代
村松明
村松良彦
村松翠
監督、脚本、編集
原作
主題歌
製作
製作
製作
製作
製作
製作
エグゼクティブプロデューサー
チーフプロデューサー
チーフプロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
音楽
撮影
照明
録音
美術
装飾
ヘアメイク
衣裳/スタイリスト
編集
VFXスーパーバイザー
音響効果
スクリプター
キャスティング
助監督
制作担当
ラインプロデューサー
[c]2020映画『ステップ』製作委員会 [c]キネマ旬報社
『勇者ヨシヒコ』『凶悪』『全裸監督』で「目の笑っていない狂気を含んだ笑いor凶暴性」を体現していた山田孝之に、演技で泣かされるとは。
それと、3人の子役がそれぞれ2歳、6~8歳、9~12歳の娘役を演じているのですが、これがそれぞれびっくりするくらい演技が上手い。
あと、國村隼の老人演技も!
心情をセリフにせず、目線や耐える演技で分からせる絶妙さ。
画面からは「泣かせるぞ!」という強い意気込みは感じられなく(あざとい泣きのセリフがない)、シングルファーザーが子育ての難しさにひとつひとつ直面しながら、淡々と日々を過ごす姿を見せる演出・脚本が良かったです。
これって、「家族を亡くす」ことにどう対峙していくかということで、子供がいる夫婦なら、いや、親が生きている人は、必ず直面する心の整理の物語ともいえます。
場内、すすり泣きやティッシュで鼻をかむ人続出で、ガサガサうるさかったw
同じ道、同じ部屋で語られる、ある家族の10年の歴史。
変わっていく部分と変わらない部分。それに加えて“変わらなくても良い部分”も描いていたように感じました。
章に分かれているところや、モノローグが気になり「原作が小説だから、その感じを出しているのかな?」と思いながら見始めましたが…
シングルファーザーで子育てに奮闘する姿や、仕事との両立の悩みも描かれているけれど、それに対しての強い問題提起があったり、一つの解決策が提示されるわけではなく…。
次の章でも、新たな問題に対して悩む姿が描かれますが、どうも問題がスッキリ解決したとは思えないし。そのアプローチが最良だったのかも疑問が残る。
何よりエピソードがひと段落したスッキリ感が今ひとつ得られないところにモヤモヤしていました。
でも…。繰り返し出てくる道や、繰り返し出てくる部屋の壁を見ているうちに、徐々に家族の変化が見えてきて、エピソードに対するFAQではなく、家族の時間の積み重ねを描いている映画に思えてきました。
→原作が小説だから章に分かれているのではなかった(^◇^;)
人生に答えなんて無い。
思いがけない事が起こって、計画通りにはいかないものだし、その時その時の問題に向き合っていくしかない。
でも、問題と真摯に向き合うなかで、周りの人との繋がりや、ふとした一言の中に自分なりの答えが見つかる事がある。
自分が出した答えが正解だったかどうかなんて誰にもわからないけど、自分が納得出来る方向に進むしかないし、間違ったと思ったらやり直せば良いと言ってくれている気がしました。
そして、いかにも重松清の原作らしい“試練と共に乗り越える道も備えてくださる”という聖書の教えに絡めて、人との繋がりの大切さを強く描いているようにも感じました。
辛い時に心を閉じてはいけない。孤立してはいけない。
人は人との繋がりで成長する。
この映画のタイトルである『ステップ』には
様々な意味が込められていて
歩んできた足跡(ステップ)であり
積み重ねた段階(ステップ)であり
そして血の繋がらない義理の関係(ステップ)でもあり…。
特に3番目のステップが、物語を広く深くしていたと感じます。
直接的に助ける事が出来なくても、人と人はどこかで繋がって影響を与え合っている。
たとえそれが死んでしまった人間でも、繋がっている事は変わらないのではないかと思えました。(T-T)
いろんな年代や立場によって心に響く部分が違う映画だと思いますが、個人的には國村さん演じる義父の目線に共感しました。
あそこまで気遣いの出来る舅と姑には、なかなかなれないと思いますが(^^;;
義理の兄夫婦も含めて、とても理想的な関係で憧れます。
でも、当初は美紀ちゃんを引き取りたいと思っていただろうし、主人公からすると油断ならない相手だった。
やはり、相手を尊重して、お互いの距離感を計りつつ、時間をかけて出来上がった関係なのだと思えました。
美紀ちゃんが可愛い!生意気な物言いも可愛い。
幼稚園のシーンでは自分の子供の卒園式とイメージが重なり…
そういえば当時、子供を抱っこして寝かしつけているうちに、自分が子供を抱っこしているのか、子供に抱っこされているのかわからなくなる瞬間があった事を思い出しました。
癒しているようで癒されていたのだろうし、
今になって思うと、子供を育てているつもりで、実は人として子供に育てられていたのだなぁ。
子供の成長は本当に早い。
シングルファーザーの忙しさは尋常じゃないだろうし「母親が居ないから…」という悩みは尽きないでしょうが、両親が揃っていてれば問題が無いって訳でもないから厄介です。σ(^_^;)
あっと言う間に過ぎていく時間のなかで、一緒に家事をする生活のシーンが心に残りました。
一緒に料理をした記憶とか、意外と覚えているものですね。
そんな風に実体験のいろんな記憶が蘇る映画でしたが、
逆に若い世代の方がこの映画を見たら、どんな印象を受けるのか、とても気になります。
あと、東京03のファンなので、角田さんの出演が嬉しかった!
しかも、メニューを読むだけで感動を生み出す域の國村さんと、カメレオン俳優の山田さんと同等に並んでも、全く侵食ない演技が素晴らしかった。
むしろ一番好きなシーンかも。