その手に触れるまで|MOVIE WALKER PRESS
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その手に触れるまで

2020年6月12日公開,84分
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カンヌ国際映画祭監督賞に輝いたダルデンヌ兄弟の社会派ドラマ。ベルギー。平凡な13歳の少年アメッドは、兄と共にイスラムの教えに傾倒していく。やがて、導師から“背教者”と名指しされた女性教師イネスを襲撃し、アメッドは少年院へ送られるが……。出演は100人の候補者の中から抜擢された新星イディル・ベン・アディ。「午後8時の訪問者」のオリヴィエ・ボノー、「サンドラの週末」のミリエム・アケディウが脇を固める。

予告編・関連動画

その手に触れるまで

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

ベルギーに暮らす13歳のアメッド(イディル・ベン・アディ)は、つい最近までどこにでもいるゲーム好きな少年だった。ところが今は、イスラム教の聖典“コーラン”に夢中で、小さな食品店の二階のイスラム礼拝所=モスクで導師が行う礼拝に兄と熱心に通っている。放課後クラスのイネス先生(ミリエム・アケディウ)とのさよならの握手を、“大人のムスリムは女性に触らない”と拒否した夜、母親から“イネス先生は識字障害克服の恩人よ。毎晩読み書きと計算を教えに来てくれた” と叱られる。だが、アメッドはそんな母の言葉に、まったく耳を貸そうとしない。一方の母は、父が家を出て以来、毎晩酒を嗜むようになっていた。そんなある日、イネス先生は歌を通じて、日常会話としてのアラビア語を学ぶ“歌の授業”を提案。それを拒否したアメッドは、“聖なる言葉を歌で学ぶなど冒涜的だ。あの教師は背教者だ。背教者を見つけたらどうする?”と導師に問われ、“見つけ次第、排除するべき”と答える。導師から“その教師は聖戦の標的“と促され、靴下にナイフを忍ばせてイネス先生のアパートを訪ねるアメッド。疑いもせずにドアを開けたイネス先生に襲い掛かるが、部屋に逃げ込まれ、刺し損ねる。導師の下へ逃げ込んだアメッドは、関りを避けようとする導師から自首するよう説得され、少年院へ送られることに。少年院には、アラビア語を理解する先生もいた。更生プログラムのひとつである農場作業を手伝うようになったアメッドに、牛の世話の仕方などを気さくに教えてくれたのが、農場主の娘ルイーズだった。だが、アメッドは動物に触れることも、親切にされることも心地悪くて仕方ない。面会に来た母は”元のお前に戻って“と泣きながら息子を抱きしめる。信じれば信じるほど、純粋であろうとすればするほど、頑なになっていくアメッドの心。その頑なな気持ちが変わる日は訪れるのか……。

作品データ

原題
LE JEUNE AHMED
映倫区分
G
製作年
2019年
製作国
ベルギー=フランス
配給
ビターズ・エンド
上映時間
84分

[c]CHRISTINE PLENUS [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.7
  • seapoint

    3
    2020/6/21

    彼の言動をさくっと認知したれあ「やべえ奴だ」と思う。ラストにいたっては「だから言わんこっちゃない」と。

    偏見だがムスリムの上層部は末端を巧く利用している気がする。ここでも店の手伝いとか。彼らを批判する者に対し自らは行動せず、大抵末端が行っているし。そのくせ彼らがピンチになったら祈りだけで済ませようなんて。
    どうみても危険思想にしか思えんのだよ。なぜ彼らがそこまで信仰するのか。しかもキリスト教、仏教からムスリムになることはあっても逆って、改宗って死刑レベル。家族と縁を切るのだろう。

    信仰だけでなく生活も頑固で視野が狭い。そりゃ、ムスリムの世界一色だったら問題はないだろう。
    上層部は世間と折り合いや自己利益を考えて行動するが、ある意味社会もまだ知らない無垢なアメッドは将来を破綻しかねない。

    最後は思わぬ事態だったが、これこそ不幸中の幸いかも。痛みを知って頭が冷える。そうしないと理解できないのもどうなんだろう。

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  • コージィ

    4
    2020/6/20

    実話ではないが、今ヨーロッパで実際に起きている、宗教が子どもへ与える悪影響を、リアリティたっぷりに描写。

    ゲーム好きの少年(中学生くらい?)が、死んだ従兄や、インターネット動画、導師の過激な思想に感化され、イスラム原理主義者として洗脳されていく。
    純粋な子供ゆえ、思想と信仰はより先鋭化していき、とがめる大人はすべて悪ととらえるように。
    挙句、学校の先生をイスラムの敵だと考えはじめて、抹殺するためにナイフを持って学校へ向かう……

    最後まで救いも答えも見つからないが、それが現実ではある。

    カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品とのことだが、実に納得。

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  • 3
    2020/6/18

    宗教的な背景は分からないけど、13歳。
    日本で中二病と言われるモノでしょ。

    イライラに大義名分を与えてしまう大人が問題なんじゃないかな。

    農場主の娘ルイーズの存在は、農場作業更生プログラムで有効な役割を担っている気がする。
    少年たちだからね。

    弱って最後にママって呼ぶ子供らしさ。
    どこの国でも一緒なんですね。

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    ネタバレあり
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