生きてるだけで、愛。|MOVIE WALKER PRESS
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生きてるだけで、愛。

2018年11月9日公開,109分
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数々の企業CMやMVを手がけてきた関根光才監督が、本谷有希子の同名小説を映画化。過眠症で引きこもり気味の寧子は、ゴシップ雑誌の編集部に勤める津奈木の部屋で同棲中。ある日、津奈木とヨリを戻したい元恋人・安堂が現れ、寧子を部屋から追い出そうとする。出演は「勝手にふるえてろ」の趣里、「あゝ荒野」の菅田将暉、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の田中哲司、石橋静河、「友罪」の西田尚美、「検察側の罪人」の松重豊、「STAR SAND 星砂物語」の織田梨沙、「土竜の唄」シリーズの仲里依紗。撮影を「I'M FLASH!」の重森豊太郎、音楽を「羊と鋼の森」の世武裕子が務める。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

寧子(趣里)と津奈木(菅田将暉)は同棲して3年。もともとメンタルに問題を抱えていた寧子は鬱状態に入り、バイトも満足に続かない。おまけに過眠症のため、家にいても家事をするわけでもなく、敷きっぱなしの布団の上で寝てばかり。姉との電話やメールでのやり取りだけが世間との唯一のつながりだった。一方の津奈木も、文学に夢を抱いて出版社に入ったものの、週刊誌の編集部でゴシップ記事執筆の日々。仕事にやり甲斐を感じることもできない津奈木であったが、それでも毎日会社に通い、ほとんど家から出ることのない寧子のために弁当を買って帰る。津奈木は寧子がどんなに理不尽な感情をぶつけても静かにやり過ごし、怒りもしなければ喧嘩にすらならない。そんな態度に寧子は不満が募るばかりだった。だがお互いに自分の思いを言葉にして相手に伝える術は持っていない。ある日、いつものように寧子が一人で寝ていると、部屋に津奈木の元恋人・安堂(仲里依紗)が訪ねてくる。彼女は津奈木に未練を残しており、寧子と別れさせて彼を取り戻したいと言う。まるで納得のいかない話であったが、寧子が津奈木から離れても生きていけるように、なぜか安堂は寧子の社会復帰と自立を手助けすることになる。こうして寧子は安堂の紹介で、半ば強制的にカフェバーのバイトを始める。当初は嫌がっていたものの、自分を受け入れてくれる店の人たちへ寧子は次第に心を開き出す。だがある日、些細な事がきっかけで、店を飛び出してしまう寧子。同じ頃、津奈木は入稿間際の原稿を巡って上司と言い争っていた……。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2018年
製作国
日本
配給
クロックワークス
上映時間
109分

[c]2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.8
  • ぱぴぷぺぽんしゅう

    5
    2018/11/21

    生きていること以外、何もできない女(趣里)を自然体で受け入れているこの男(菅田将暉)の不思議なスタンスは、いったい何に由来しているのだろうか。憐みや同情、いたわりや思いやりでも、優柔や依存、好奇心やおせっかい、義務や使命感でもなさそうだ。

    するとやっぱり「愛」なのだろうか。とてもピュアで心地よい。これが本来の意味の純愛映画なのではないかと思う。 

    私の周りにも、この寧子という女と同種の病を抱え込んだ人たちがいた。思い返してみると片手では足りない。そのうちの三人は自ら命を絶った。寧子の過眠障害という症状は躁鬱病の発症者が引き起こす場合が多いらしい。躁を発症した知り合いに、私も私の家族も散々な目ににあった嫌な記憶がある。

    趣里は、何にはばかることなく、そんな嫌な女を誠実に演じる。そこに病める者への媚や遠慮はまったくない。嫌な女の、嫌な言動を、いちばん嫌がっているは、他ならぬとうの寧子なのだ。その戸惑こそが寧子の正直さの証しであり、蟻地獄のような苦悩の元凶なのだ。趣里という女優の“病める人”に対する気負いのなさが寧子の素直さにだぶるのだ。

    私は『水の声を聞く』とう映画で趣里という女優さんを知った。彼女の映画デビュー作だと思う。不思議な存在感のある人で、とても気になって調べ水谷豊と伊藤蘭夫妻の娘だと知った。以降、たまたま彼女の出演作をすべて観ている。出番の少ない役が続いたが、どの作品でも強烈な印象を残す人だった。そんな彼女の演技者としての力量が並ではないことが本作で実証された。楽しみです。

    余談ですが、水谷豊と原田美枝子の娘さんが同じスクリーンに登場したという符合は、42年前の『青春の殺人者』に狂喜した者にとって驚嘆の事実なのであります。本作では叶わなかった趣里さんと石橋静河さんの“からみ”が観られる日まで映画館通いを続ける所存なのであります。

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  • fig262

    2018/11/20

    私もあの店で働きたいなぁ。羨ましい。寧子ちゃんのお布団気持ちよさそうやった、枕も。そら寝るわな。私は眠れないので替わってあげたい。みんなそんな変わらないんじゃないか、自分であったかもしれないし。元彼女のように誰もさばけないはずなんだけど、本来は。本谷さんの頭の中をのぞいたような気分。原作も読みたい。奇しくも今日は、世武さんデビュー10周年の日なんやって。さりげなく、キャストバリバリ豪華ではないですか??あと、冬で良かったなっていうか、夏だとまた違う感じになったのだろうと思う。で、私は鬱ではないのですが、あのくらいのついてなさ、よりによってのタイミング、が重なることってありますよね。それって自分だけかと思ってたけど、誰にでも起こるんですよね。で、普通の人は、トラックのタイヤとは言わんけど、まあ、マウンテンバイクのタイヤを履いてるくらいの強さっていうか、段差があっても、乗り越えて(知らずのうちに)るんやけど、寧子ちゃんは高級でないベビーカーの車輪くらいのものしかついてないんやろうなって思った。ちょっとした段差も乗り越えられないし、取り回しって言うんですか、そういうのもマゴマゴしてしまう感じで、何もかもうまくゆかなくなって、大泣きしてしまうんやろう。

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