岩田剛典
耶雲恭介
『悪と仮面のルール』など数々の映像化作品で知られる芥川賞作家・中村文則の同名小説を岩田剛典主演で映画化したミステリー。謎多き天才カメラマンへの取材を始めた野心あふれる記者が、婚約者を取り戻すため、彼の罠にはまっていく様がつづられる。ミステリアスなカメラマンを斎藤工、主人公の婚約者を山本美月が演じる。
※結末の記載を含むものもあります。
記者の耶雲は最愛の女性・百合子との結婚を控え、最後の大勝負として天才カメラマン、木原坂の謎に迫るべく取材を始める。木原坂は1年前に目の前でモデルが焼死した事件の容疑者として逮捕されるが、執行猶予つきで釈放されていた。木原坂は百合子に目をつけて監禁し、耶雲は彼女を取り戻すため、木原坂に立ち向かっていく。
監督
脚本
音楽
原作
製作総指揮
製作
製作
製作
製作
製作
製作
製作
製作
製作
製作
製作
製作、プロデューサー
エグゼクティブプロデューサー
共同プロデューサー
共同プロデューサー
アソシエイト・プロデューサー
ライン・プロデューサー
撮影監督
美術
録音
GAFFER
装飾
衣装
ヘアメイク
VFXプロデューサー
編集
主題歌
スクリプター
助監督
制作担当
[c]2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会 [c]キネマ旬報社
若いころ、千冊以上も推理小説ばかりを読んでいた時代が、私には、あります。
その私が言うのですが、これほど素晴らしくも凄みのある推理小説に出会ったことが、いまだかつてないと思える、そんな作品が原作です。
ただ、おそらくはこの圧倒的な小説に直面して、映画人たちは途方に暮れたことでしょう。
文字だからこそ成立する話。無理なものは無理だ……と。
しかし、文学の世界からの挑戦状だと感じたであろう映画人たちが、おそらく何年も頭を捻り、悩み抜き、完成させた本物の映画こそがこの映画なのだと思います。
映像があるからこそ、一瞬で成立しうる「説明抜き」の納得・得心。
美しくも凄惨な映像群によって観客に示し、哀感はあくまでも清く哀しく、言葉に尽くせない作品に仕上がっていると感じました。
小説を凌駕した映像。
その一例が、たとえば執筆家の秘密の書斎に踏み込んだ時に編集者が見た風景だったりするわけです。
映像だからこそ、一瞬で事件のすべてが理解できる。
観客の心にモヤモヤしていたものを解消させてしまえる映像力。
こういうのを観ると、映画ってのも捨てたものじゃないな、と感じるのでした。
ネタバレになることを恐れて、歯に物が挟まったような書き方しかできませんが、この映画は昼飯夕飯を抜いてでも観なくてはと思える大傑作だと思います。
※告知※ 今後、私のレビューは「映画コム」のほうに順次移行し、ムービーウォーカーに書いていたものは、移行終了後に削除することにしております。ご了承ください。
ワーナーの試写室でみたけれど、まずこの始めの事件にこだわる理由が分からない、アンナチュラルの記者のようで普通に被害者との関係性でひっかかり簡単に恋人と結びつけてしまうところなどが引っかかって騙されなかった。でも、映像のトリック上手く使ってて北村一輝さんの演技がとにかく素晴らしい。工場夜景の火のタワーの意味と映画が重なった。最後のカメラマンの感情が分からない。
娘と二人で見に行って、映画館を出た時、顔を見合わせてお互い無言だったのて、思わず爆笑した。何が悪いというわけではないが、サスペンスに親しんでいる人ならば、展開はほぼ予測できる。「罠」という「罠」はほとんどない。それでも別に面白ければいいのだが、主人公の心情があまりに飛躍すぎ、こじつけ気味でそれを「君のために僕は怪物になった・・」と言われても、ねえ。後半の謎解き部分のテンポとリズムが単調で説明的すぎて、「謎」に衝撃が走らない。岩田くんの端正な顔は良かったが、彼はサイコパス的演技には向いていない。斎藤工のナルシズムに満ちた表情はいつも通り。