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投稿レビュー(3件)菊とギロチンは星3つ

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平成末期の今だからこそ、観て考えたい映画 (投稿日:7月20日)

大正末期、人びとが閉塞感にあえぐ関東大震災直後の日本が舞台の青春群像劇。
瀬々敬久監督が30年間かけて作り上げた渾身の作とあって妥協のない映画が完成。

久しぶりに濃厚な邦画を観たという充実感。
189分間、作品に惹き込まれて長さは感じられなかった。

主役は女力士の花菊だが、とにかく登場人物に魅力があって主役が複数いるような印象。

女相撲の一座「玉岩興行」
たくさんの女力士が身体をはった土俵上の対戦シーンは、丁寧に撮られていて観ている自分も手に汗握る。

夫からの暴力や理不尽な支配から逃れて強くなろうとする花菊。
まだあどけない可愛らしさと内在する芯の強さ。
新星、木竜麻生さん適役。

近頃ドラマや映画で活躍中の大西礼芳さんが演じる勝虎。
その激しさと垣間見える女らしさに目を奪われる。こんな彼女が見たかった!

韓英恵さん演じる十勝川の差別と苦悩に満ちた人生に胸が苦しくなる。
女力士を演じた女優たちの熱量とそれぞれの人間模様。

女が土俵に上がると神さまの怒りに触れて雨が降るというシーンがあるが…いつの時代から女性は汚れたものになってしまったのだろうという疑問。

そしてギロチン社。
中濱鐵と古田大次郎が作った結社。
理論ばかりで生活感を感じない集団だけれど、実在していた結社らしい。
リーダー中濱を演じた東出昌大さんの熱量が凄まじく、本物の演技を見た。彼の代表作になる予感。
映画初出演とは思えない古田役の寛一郎さん。あの若さで存在感半端なく、いい役者になりそう。

女相撲とギロチン社は格差のない平等な社会を目指すことで繋がっていたのかもしれない。

それとタイトルにインパクトがあるが、中濱鐵の「菊一輪ギロチンの上に微笑みし 黒き香りを遥かに偲ぶ」という短歌から考えたものだろう。
菊は、大次郎と花菊の恋心にも受け取れる。

大正時代のことではあるけど、平成末期の今だからこそ、観て聴いて考えたいことが詰め込まれてる映画だった。

追記
予備知識があれば、もっと作品を理解できたはず。
ギロチン社を扱った『シュトルム・ウント・ドランクッ』という映画も観てみたい。
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投稿:あらりん

評価:5
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