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投稿レビュー(4件)幼な子われらに生まれは星4つ

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現代家族事情。 (投稿日:10/8)

▼ネタばれ(クリックして読む)

まるで現代の家族事情を絵に描いたような悲喜劇である。
結婚・離婚・再婚時に連れ子は珍しくない状況で、紙面
に躍る幼児虐待やDVの記事を見るたびに、何で母親は
その子を連れ危ない男の元へ嫁いだんだろうと不思議に
思うのだが、自分の幸せを子供以上に望んでしまうほど
母親が愛に飢えていたのだろうと思う。浅野忠信演じる
父親はそんなDV夫とは程遠く地味で堅実な男なのだが、
やたら気苦労が絶えない。元妻との間にできた実娘との
面会時間が唯一の慰めのようになっている様子が切ない。
再婚した妻との間に子供ができたことによる周囲の反応
が彼を追い詰めていく。特に長女の反抗がエスカレート
し彼を罵る場面が延々と続き、彼がいつ娘に暴力を奮っ
てもおかしくない状況に陥るのだが本人は冷静に耐える。
私ならこんな悪態をつく娘にはビンタしてやればいいと
(暴力反対だが)思った。というのは却って長女がそれを
待っているように見えたからだ。父親に自分だけを見て
ほしい、実の娘以上に愛されたい願望がこの子にはある。
義父の彼を試すような申し出をしたのも、そして実際に
実父に逢わなかったのも、長女の気持ちがよく出ていた。
素直に甘えればいいものを、それができない性質なのだ。
勘のいい母親ならそんな長女の気持ちに気付いてやれる
のだがこの母親にそれはない。複雑な想いが八方塞がり
となって義父に注がれている状況。もう浅野が可哀相で
こんな思いまでして家族の為に頑張っているお父さんに
何てこと言うんだ!この娘!と思った大人も多いだろう。
追い込まれた人間の見せ方が巧く、其々の立場で各々の
孤独が伝わるが、しかしそれもこれも自分で選んだ人生
・結婚に違いない訳で、だからこそ苦悩にも共鳴できる。
あのエレベーターの様に斜めに上り下りするのが人生か。»ガイドライン違反報告

投稿:ひゃん

評価:5
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観なくては損!名作の条件を満たす作品 (投稿日:9/13)

誰の言葉だったか「映画とは答えを提示するものではない。観る者に、考えさせるのが本当の名作だ」という名言があるが、まさにその意味で、この作品は「真の名作」だと言える。“家族”という普遍的なテーマに加えて、全てのシーンのリアリティが高いため、観る者がそれぞれの立場から、そこに込められた意味を考えてしまうように出来ている。私には、子どもがいないが、浅野忠信演じる父親が、娘から拒絶されるシーン他、数々の場面で「自分だったら、どんな風に応えるだろうか?」と考え込んでしまった。
 演技については、即興的な手法を取り入れたことが成功していることは、すでに多くの人たちが語っている。ドキュメンタリー出身の三島監督ならではの演出として賞賛されているが、この監督は画作りもとても上手い。それは、NHKにいた時からそうだったし、これまでの映画作品全てにおいて映像のクオリティが高い。今回も、冒頭の不思議な三色から引き込まれるが、モノレールの運転席から撮ったような外廊のドーリー映像や、観覧車を空中から観たような俯瞰ショットなど、随所に「不安」を感じさせるカットが挿入されている。
 また、舞台設定や状況設定も優れている。浅野忠信が働く場所は、IT技術にコントロールされていて、住んでいる団地も(実際にどうなのかは別として)斜行エレベーターにのって自宅へと運ばれる。つまり、自宅以外の場所の、ほとんどが人工的、無機的なのだ。そのため、自宅のドアを開けた瞬間、息苦しくなるような“人間臭”のようなものを感じてしまう。そこが、必ずしも「居心地の良い場所ではない」と浅野が感じている事が、こちらにも伝わってくる。
 少し穿った見方かもしれないが、私は一種の「恐怖映画」のようにも感じた。そこら辺のホラー映画では感じられない、「リアルな怖さ」が、娘とのやりとりや、田中麗奈演じる妻とのケンカの場面から滲み出ていた。上記の演出による高い演技力や巧みなカット構成が、人間が心の奥に、潜在的に抱えている「家族崩壊」の不安を、刺激してくるから「怖い」のだと思う。
 ハッピーエンドでもなく、絶望的な悲劇でもなく、誰もが「考え込みながら」あるいは、自分の家族について、あれこれ想いを巡らせながら劇場を出る。「家族とは?」簡単に答えは出ない。人生の真理の一端に触れているこの作品は、間違いなく三島監督の、代表作の一つになるだろう。»ガイドライン違反報告

投稿:リュウシグ

評価:5
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「家族を作る」その責任とは・・・ (投稿日:8/30)

 重松清が21年前に書いた原作を「しあわせのパン」の三島有紀子が監督した人間模様!

 詳しい統計等を確認したわけではありませんが、近年、増えていると感じている「バツイチ」「再婚」そして、問題・・・を切実に描き切っていて、上映時間の127分、色々と考えながらの鑑賞となりました。

 主演の浅野忠信も「父」であり「義父」あり「夫」である複雑な役を「貫禄」をもって演じていました。

 今回の内容はこの手の問題の一部分でしかないのでしょうが、やはり子供への影響は想像を超えてあることを再認識させられました。

 残念だったのは、田中麗奈が演じる妻の心情が描き切れてなかったことと、家族だけで解決できなくなった時に、第三者等への相談が描かれてなかったことです。やはり、この点は原作の古さのせいでしょうか?»ガイドライン違反報告

投稿:杉ちゃん

評価:4
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