山河ノスタルジア|MOVIE WALKER PRESS
MENU

山河ノスタルジア

2016年4月23日公開,125分
PG12
  • 上映館を探す

過去・現在・未来の三つの時代を舞台に、変貌する世界と、それでも変わることのない母と子の愛情を綴った壮大な叙事詩。市井の人々に寄り添い、中国の今を見つめ続けてきたジャ・ジャンクーが、初めてオーストラリアでの撮影を敢行。出演は「罪の手ざわり」などジャ・ジャンクーのミューズとして活躍するチャオ・タオ、「最愛の子」のチャン・イー。カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作。劇場公開に先駆け、第16回東京フィルメックス特別招待作品として上映された。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1999年、山西省の汾陽(=フェンヤン)。小学校教師のタオ(チャオ・タオ)は、2人の幼なじみ、炭鉱労働者リャンズー(リャン・ジンドン)と実業家ジンシェン(チャン・イー)から想いを寄せられていた。3人の友情を大切にするタオだったが、それぞれの気持ちが錯綜。内向的なリャンズーとは対照的に、自信家のジンシェンはタオの気を引こうとする。やがて、タオがジンシェンのプロポーズを受け入れると、傷心のリャンズーは街を去ってゆく。しばらくして、タオは夫ジンシェンの子供を出産。その息子はドルにちなんで“ダオラー”と名付けられた。2014年。タオはジンシェンと離婚して、1人で汾陽に暮らしていた。ダオラーは、父親のジンシェンに引き取られ、上海の国際小学校へ通っている。離れて暮らすわが子への想いを胸に過ごすタオ。そんなある日、長年の炭鉱労働で身体を壊したリャンズーが、妻子と共に故郷に戻っていることを知り、彼の家を訪ねて治療費を手渡す。さらに、タオを襲う父親の死の報せ。悲しみに暮れる中、葬儀に出席するため汾陽へ戻ってきたダオラーと再会。離れていた息子との時間を埋めようとする彼女が知ったのは、ダオラーがジンシェンと共にオーストラリアに移住するという事実だった。2025年。移住先のオーストラリアで19歳に成長したダオラー(ドン・ズージェン)は、すでに中国語が話せなくなっていた。英語が話せず、中国から移民してきた仲間たちと昔話に明け暮れる父親との間にも確執が生まれ、孤独な日々を過ごすばかり。大学生活にも疑問を抱え、自らのアイデンティティを見失っていた彼は、香港から移住してきた中国語教師ミア(シルヴィア・チャン)と出会う。自分と同じように異国の地で暮らすミアと心を通わせるうち、いつしかダオラーは、かすかに残る母親の記憶を辿り始める……。

作品データ

原題
山河故人
映倫区分
PG12
製作年
2015年
製作国
中国 日本 フランス
配給
ビターズ・エンド オフィス北野 提供:バンダイビジュアル、ビターズ・エンド/オフィス北野
上映時間
125分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.6
  • ひゃん

    3
    2017/7/2

    タイトル通り、非常にノスタルジックな気分にさせられる一本。
    若い頃の選択は若気の至りという言葉がピッタリの勢い任せで
    あることを描く´99年、豊かさですっかり近代化された´14年、
    そして未来の´25年。「Go West」が懐かしいと思うと同時に
    あぁ色々あったなと己の過去まで反芻してしまう。主人公タオ
    がやたら友近に見え、結婚相手の実業家が大泉洋に見えて仕方
    なかった自分にはなんだか入り込めない気がする一本だったが、
    テーマは母と息子の人生を絡める後半で加速する。母親ほどの
    年齢の女性教師に惚れる息子と、独り雪の舞う故郷で踊る母親。
    離れていても絆は見える、しかし驚くほど孤独で寂しい未来像。

    続きを読む + 閉じる -
    ネタバレあり
    違反報告
  • たっかん

    5
    2016/9/24

    2016年9月24日、早稲田松竹にて鑑賞。(ジャ・ジャンクー監督作品2本立て)

    過去(1999年)、現在(撮影当時の2014年)、未来(2025年)での人々の素晴らしいドラマが、綺麗な景色を背景に描かれた壮大なる大河ドラマ。

    1999年、踊っている若者。歌は聴いたことがあるが曲名が分からない。(浦和レッズのチャントの♪アレ~、フォルツァ浦和レッズ……の曲)
    爆竹が破裂する春節。
    「マカオがもうすぐ返還される」という市井の人の発言が時代を表現している。
    また、「新世紀に向かって…」という人々の希望を表現するセリフもグッド。

    タオ(チャオ・タオ)という女性を巡って三角関係になるリャンズー(炭鉱夫)とジンシェン(事業家)。
    リャンズーがジンシェンを殴ると、ジンシェンは彼を殺そうとして拳銃を入手しようとするが出来ず、爆薬を車に積んでいる。
    しかし、リャンズーは自ら町を去り、ジンシェンがタオと結婚することになる。
    女性タオのタオの意味は「波」という意味らしい。

    すると、ここで再び「山河ノスタルジア」のタイトルが出て、「何だ?」と思ったら、2014年に物語が飛ぶ。
    リャンズーは炭鉱夫の生活で身体を壊していた。妻子あり。
    その後、いろいろと物語が描かれる。

    更に、物語は、2025年に飛ぶ。
    タオの息子は青年になっており、母親の記憶はなく、父親との確執。舞台はオーストラリア。

    素晴らしい傑作であった。

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告
  • 杉ちゃん

    4
    2016/9/5

    主人公のタオとタオに想いを寄せる幼馴染の男性2人の過去・現在・未来、それぞれの時代で中国が抱える問題を浮き彫りにし、時代や文化がどんなに変わっても、変わることのない母と子の絆をどこか孤独感のある映像を交えながら描いています。かなり地味な内容と展開のため、観る人によっては、退屈な映画かもしれません。

    私は、離婚から別に暮らす7歳の息子と一時的に再会したタオが、好きな曲を一本のイヤホンで一緒に聴くシーンはグッときたのと、何より最後にタオが冒頭で若い頃に踊った「ゴー・ウエスト」を踊るシーンにトリハダがたちました。

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告