きみはいい子|MOVIE WALKER PRESS
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きみはいい子

2015年6月27日公開,121分
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中脇初枝の同名小説を原作に「そこのみにて光輝く」の呉美保監督が映画化した群像劇。とある町に暮らし、様々な悩みや問題を抱えて生きる人々が人と人とのつながりに光を見いだし、小さな一歩を踏み出すさまを映し出す。出演は「横道世之介」の高良健吾、「そして父になる」の尾野真千子、「そこのみにて光輝く」の池脇千鶴、高橋和也、「盗まれた欲情」の喜多道枝、「ドライブイン蒲生」の黒川芽以、「おおかみこどもの雨と雪」の加部亜門、「もらとりあむタマ子」の富田靖子。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

桜ヶ丘小学校4年2組を受け持つ新米教師・岡野匡(高良健吾)は、まじめだが優柔不断、問題に真っ正面から向き合えない性格だ。そのためか、児童たちはなかなか彼の言うことをきいてくれず、恋人との仲もあいまいな状態が続いている。一方、水木雅美(尾野真千子)は、夫が海外に単身赴任中のため3歳の娘・あやねとふたり暮らし。ママ友らに見せる笑顔の陰で、雅美は自宅でたびたびあやねに手をあげている。実は雅美自身も幼い頃、親に暴力を振るわれていた過去があった……。小学校へと続く坂道の家にひとりで暮らす老人・佐々木あきこ(喜多道枝)が他人と会話をかわすのは、登下校の途中で挨拶をしてくれる名前も知らない小学生だけであった。そんなある日、買い物に行ったスーパーでお金を払わずに店を出たことを店員の櫻井和美(富田靖子)に咎められ、あきこは認知症が始まったのかと不安を感じるようになる……。ひとつの町でそれぞれに暮らす彼らは、様々な局面で交差しながら、やがて新たな一歩を踏み出していく……。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2015年
製作国
日本
配給
アークエンタテインメント
上映時間
121分

[c]2015 アークエンタテインメント [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.1
  • トチロー

    3
    2015/9/23


     主人公の新米教師は大人を舐めた小学生たちに翻弄されている。モンスターペアレンツの苦情に辟易し、また先輩教員にもお説教され凹むばかり……。

     こゆの見る度に「あ~人間て嫌だなぁ」「教師なんてみんな辞めちゃえばいいのに」と思う。そう感じた時点で作者の術中にハマってんだけどね(笑)映画を観る時ゃ素直な感情で受け止めていれば間違いない。

     映画は三つの話が同時進行していく。もうひとつは幼児期に虐待を受けた母親が自分も子供を叩いてしまうジレンマに悩んでいるお話。

     そしてもうひとつは小学校の「特殊学級」に通う自閉症の子供と、通学路にある家で独居している、認知症のお婆さんとの触れ合い。

     どのエピソードも実にビビットに描かれていて、特に子供の嫌なところと、可愛いところがリアルに描写されていました。

     それと女優さんたちの芝居が皆さん素晴らしかったですね。特に自閉症の子を持つ母親を演じた富田靖子さん。割と出番は少なかったのだけれど、人物の情感に溢れていて、貰い泣きするくらい真に迫っていた。

     映画は街に暮らす人々の辛い現実を綴っていきながら、時としてふと心に触れ合いの光を灯すという趣向。

     ちょっと惜しい気がしたのはラストですね。オレの理解力が足りなかったのか、主人公の意識の変遷が上手く伝わってこなかった。

     人と人との繋がりにキラリと光る救いがあるというのは解かるのだけれど、う~ん辛い現実が見事に描写されているだけに、もう一つ突き抜けたカタルシスがオレは欲しかったです。

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  • ひゃん

    5
    2015/7/21

    親から虐待されて育った子供は、親と同じように虐待に走ると
    云われているが、どこかで大きく環境が変わり愛情を受けると
    その心地良さを、我が子や他人に与えられるようになるという。
    今作では池脇千鶴と尾野真知子が過去を背負った母親を演じて
    いるが、甘えられぬ世界で生きてきた人間が心を許せる存在に
    出逢った時の安心感が「抱きしめる」というカタチで表現される。
    最近ニュースで気になるのは、やたら学校や教師を責め立てる
    記事の類が多すぎることだ。今作で新米教師を演じる高良君が
    生徒にバカにされ、保護者に文句を言われ、同僚や先輩からも
    蔑まれる中で生徒をどう守り、どう心を拓かせるかに苦悩する
    姿は心に残る。その指導が巧くいかない、道理に叶わないこと
    も多々あるが、それは社会人が就職してから味わう洗礼や屈辱
    と大して違わない。でも職業が「子供を守る」はずの教師でしょ、
    の立場でクローズアップされて転嫁されているとしか思えない。
    本来子供は皆で守るものである。家族も隣近所も知人も友人も
    皆で協力してその子の動向を見守ってやることが一番の方法だ。
    無理だと決めつけてやれることをやらないうちに手遅れになる。
    知的障害を持つ少年が認知症の老女に助けられるエピソードで
    いつも周囲に頭を下げてばかりの母親が、この子はいい子だと
    老女から褒められるシーンがある。つい昔の子育てを思い出し
    涙が溢れてしまった。息子が乱暴で言う事を聞かなかった時期、
    自分の子育てが間違っているのだろうかと悩んだことがあった。
    「この子はいい子になるからゼンゼン大丈夫。お母さんそんなに
    悩まなくて大丈夫だよ」と、ポーンと肩を叩いてくれた人がいた。
    この人は神様か?と思って急に力が抜けたのを今も覚えている。
    子育てはいつだって大変だ。愚痴を言い合って、分かち合って、
    お互いを褒め合って乗り切るのも一つの方法。親も先生も人間。

    (親の方が神経質になり過ぎているのかな。完璧なんてムリだよ)

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    ネタバレあり
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  • おさおさ

    4
    2015/7/21

    新米教師の日常、幼児を持った母親の日常、認知症が始まった老人の日常など、さまざまな日常が描かれていました。
    でも、それぞれ問題があります。
    いじめ、児童虐待、親の過剰な反応、認知症の老人、自閉症の子。
    問題だらけですが、それもまた日常です。
    それぞれは何も関連していないというのも、一般的日常だということを思い知らされます。
    ただ、理解者がそばに居てくれるかどうかだけで、随分と生き方が変わってくるというのも事実です。
    みんなそれぞれ何かと戦っているんですね。
    それもまた日常。

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