八千草薫
市子
一枚の画への想いを胸に軽井沢へ来た老母と周囲の人々が織りなす現代のメルヘン。監督・脚本は、故・岡本喜八監督夫人にして映画プロデューサーの中みね子(岡本みね子)。76歳にして挑んだ初監督作品。出演は八千草薫、風間トオル、岸部一徳、仲代達矢ほか。2014年10月31日より、鳥取県米子市ガイナックスシアターにて2週間先行公開。2015年5月全国公開。
※結末の記載を含むものもあります。
商社に勤め海外勤務の進が帰国した。着物の仕立てをしながら一人で暮らす、老境を迎えた母・市子を訪ねるが、旅に出ていて留守だと言う。進は、理由も語らず一人旅に出た母を気にかけ、旅の地・軽井沢へと後を追うが…。
監督、脚本、製作、企画
音楽
劇中画
製作
製作
企画
撮影
照明
美術
録音
整音
編集
[c]キネマ旬報社
故岡本喜八監督の妻である岡本みね子が、旧姓の中みね子で
76歳初監督を務めた作品。作風と年齢が絶妙にマッチした
主演の八千草薫がハマり役となっている。上品でしとやかで
優しい顔立ちにも関わらず凛とした佇まいを演じさせたら右
に出るものはない。とはいっても高齢の親を持つ身としては
当然息子役の風間トオルの心配と重なってしまうのがやや苦。
そろそろ社会からの引退をと願う母親がふらり想い出の地で
ある軽井沢へ赴き、以前初恋の人が描いた絵画を探し求める。
「人生締め括りの旅」という感じで出逢う人々とのふれあいも
微笑ましいが、貧困老人には叶わない豊かさがあってこその
余生満喫だということを認識する。つらい戦後をどのように
生きたかを語る飴玉の色が哀しくも活き活きと浮かび上がる。
みにつまされる年齢です
ご一緒した観客も同年代であったので
日頃考えていることが 八千草さんの
演技力で 身に覚えのある思いに同感しました
とてもしっかりした美しいお声で
さすがに 真似できないすごい女優さんです
仲代さんも老いの辛さをよく表現しています