杉原千畝 スギハラチウネ|MOVIE WALKER PRESS
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杉原千畝 スギハラチウネ

2015年12月5日公開,139分
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第2次世界大戦時、リトアニア領事として、日本政府に背いて6000人ものユダヤ難民にビザを発給し、その命を救った杉原千畝。“日本のオスカー・シンドラー”と呼ばれた彼の、インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)としての知られざる一面にも迫る歴史ドラマ。唐沢寿明が千畝を演じ、ワルシャワほかポーランド各地で撮影を敢行した。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

外交官の千畝は満州でのソ連北満州鉄道譲渡の交渉を成立させるも、大事な仲間を失ったうえに在モスクワ大使館への赴任を断念することに。リトアニア・カウナスの日本領事館への勤務を命じられた千畝は諜報活動を開始。ヨーロッパ情勢を探るが、第2次世界大戦の開戦とともにナチスから迫害されたユダヤ難民の姿を目の当たりにする。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2015年
製作国
日本
配給
東宝
上映時間
139分

[c]2015「杉原千畝 スギハラチウネ」製作委員会 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.9
  • お水汲み当番

    2
    2020/7/19

    予告編の時点では、非常に期待していました。
    ですから、公開初日に観に行ったわけです。

    正直申し上げて、失望しました。

    失敗した伝記映画に共通する問題点が、この映画にもありありと存在しています。
    主人公はこのように行動した、と、業績を書き連ねているだけなのです。

    私は知りたかった。なぜ杉原千畝がビザを書く気になったのか、という一点を。

    しかし、その答えはありません。

    周囲をかわいそうなユダヤ人に囲まれて……というのであれば、そういうかわいそうなシチュエーションで「ない」局面は、あの時代、むしろ希有なわけです。
    当時、何千人もの日本人が同じような状況に囲まれていたはずなのですから。
    なぜユダヤ人を、なぜ救うために、なぜ禁令に背いて、なぜ杉原ただ一人だけがビザを書いたのか。

    この映画。
    杉原氏の業績を顕彰したいのであれば、その目的は達しています。
    しかし杉原氏の心。なぜ止むに止まれずに行動したのかを知りたい人には、まったく不向きです。
    ドラマとして成立していないのです。
    残念だなあ。

    ※告知※ 今後、私のレビューは「映画コム」のほうに順次移行し、ムービーウォーカーに書いていたものは、移行終了後に削除することにしております。ご了承ください。

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  • えこう

    5
    2016/3/3

    今作を見るまで第2次世界大戦中のリトアニアでナチスの迫害を受けるユダヤ人難民を救ったひとりの日本人がいたことを私は知らなかった。

    福知山シネマでも公開になりましていても立ってもいられず鑑賞してきました。

    すぐにユダヤの人々にセンポと親しまれながら千畝の生きざまに引き込まれていきました。

    日本政府に反対されながらもあの悲惨な戦争に向かうことを回避するために命がけで守ろうとしていた一人の外交官がいたことを私たち忘れてはなりません。

    70年という時代を経て杉原の功績が広く伝わることは
    喜ばしいこと。

    それが日系人のチェリングラック監督の手によって撮られたことに意義はあります。

    劇中にはロシア、アメリカ、ドイツ、リトアニア、満州
    と数々の諸国が出てきますが、日本が舞台になるシーンもすべてポーランドで撮影されているというのも今作の特徴でしたね。

    大半が英語の台詞が多いなかで難しさもあったと思いますがそれを感じさせない唐沢を始め日本人の配役陣も
    熱演されていらっしゃいました。

    製作のスタッフはチェリン監督を含めて外国の方がメイン。
    やはり日本の心もハリウッドのスタイルもわかっていて
    日本語、英語両方話せる監督がいたからこそ製作できたものだと思いました。

    ほんとに 虐殺という人種差別を受けてきたユダヤ人難民、そんな歴史を見せながら人間、杉原千畝をしっかり描かれていきます。
    妻の幸子と支え合う姿も素敵でした。

    映画では杉原の戦後も描かれています。

    目の前で幼い子が転べば誰だって手を差し出したくなります。
    あまりの移民に入国が許可されなかった時、子供の目が動かします。
    思わずもらい泣きでした。
    そうして全員が舟に乗ることができました。

    千畝の思いがしっかり、根井であったり大迫につながっていったというところが素敵です。
    その心情は劇中でも描かれている部分です。

    千畝というひとりの外交官の為した行いは確かに立派で
    なかなか真似のできるものではないけれど、杉原は戦後間もなく外務省を追われています。

    86年の生涯の大半を異国の地で過ごしている事実は切なすぎます。

    そうして歴史を顧みたくなるそんな作品でした。
    杉原が助けたユダヤの子孫が今や25万人にも達している
    といいますから感動です。

    外国人監督によって撮られた洋画ではあるけれど、ほんとに見ごたえのある作品になっていたと思います。

    ストーリーにもありましたが杉原千畝は開戦前から日本の敗戦を感づいていたのです。
    必死になって戦争を回避しようとした人物だったのですが報われなかったです。

    それが自分の身に害が及ぼうとも信念を貫き行動する芯の強さは 私たちも学ぶべきものがあります。

    そして多くの人に杉原千畝のことを知ってもらいたいです。
    そう感じさせてくれたのは本作の素晴らしさでもある。

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    ネタバレあり
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  • ひゃん

    4
    2016/1/15

    これも実話の映画化、おそらくユダヤ難民にビザを発給し続けた
    彼の功績にスポットが当たった作品なのだろうとタカをくくって
    鑑賞したのだったが、人間・杉原千畝の見えなかった部分が描かれ
    とても興味深い作品だった。彼が諜報活動(スパイ活動)に優れた
    外交官であったことも実際によく知らなかった。冒頭で描かれる
    アクション(描き方に賛否あるようだが)で、こういうスパイ活動
    が原因でモスクワではなくリトアニアへ派遣され、難民へのビザ
    発給を実行、その後ルーマニアでの終戦に至ったのが理解できる。
    情緒深いメロドラマ的な場面は少ない。その分彼の活動がどんな
    危険を帯び、どれほど日本に影響を与え、外交官としての責務を
    しっかり果たしていた人物だったのかが分かる。身分は高いとは
    いえ、かなり波乱万丈な人生。そんな千畝の人生のうねりは理解
    できるが、登場人物が多い上にユダヤ人の描写や協力者との逢瀬
    などに時間を割いた分、肝心の千畝の本意や家族がどんなかたち
    で協力したのかがサーッと流されてしまった感も残る。彼の知ら
    れざる部分を描いたことに非常に意味のある作品とは思うのだが。

    (外国人も邦人も熱演。それぞれの生き様と価値観の対比はお見事)

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