大統領の陰謀|MOVIE WALKER PRESS
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大統領の陰謀

1976年8月7日公開,139分
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ウォーターゲート事件を追求し、ニクソン大統領を失脚させたワシントン・ポスト紙の2人の記者、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの行動を通して、事件の全貌を描く。製作はウォルター・コブレンツ、共同製作はマイケル・ブリットンとジョン・ボースチン監督は「バララックス・ビュー」のアラン・J・パクラ、脚本はウィリアム・ゴールドマン、原作はカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの共同著書、撮影はゴードン・ウィリス、音楽はデイヴィッド・シャイアー、編集はロバート・J・ウォルフが各々担当。出演はダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード、ジャック・ウォーデン、マーティン・バルサム、ハル・ホルブルック、ジェイソン・ロバーズ、ジェーン・アレクサンダー、メレディス・バクスターなど。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1972年6月17日土曜日の午前2時30分。ワシントンのウォーターゲート・オフィス・ビルの5階にある民主党全国委員会本部に5人の男たちが侵入した。彼らは来るべき秋の大統領選挙にそなえて必勝を期する民主党のキャンペーンを攪乱するために、秘かに雇われた者たちだった。この5人は元CIAの情報部員と大統領再選本部の現役の対策員で固められていた。仕事は手抜かりなくおこなわれる筈であったが、ビルの警備員に見咎められ、たちまち警察に通報された。そして不法侵入の現行犯で逮捕された。まだ入社して9カ月になったばかりのワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、ウォーターゲート事件が起きてから7時間後に、上司のハワード・ローゼンフェルド(ジャック・ウォーデン)に呼ばれた。一方、同じポスト紙のベテラン記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)も、この事件に興味を示していた。その朝、彼は現場にいってきた記者たちのメモをコピーし、局長のハワード・サイモンズ(マーティン・バルサム)や主幹のブン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)に、もう少しチェックしてみたいと伝えた。そしてバーンスタインは、ウォーターゲート・ビルのあらゆる人たち--事務員はもとより、夜警、掃除婦など--に片っ端から電話をかけ始めていた。政府上層部のスポークスマンたちはこの不正侵入行為に非難を集中させた。はじめのうちはこの侵入事件は狂信者たちの単独犯によるもので,リチャード・M・ニクソン大統領の公式の選挙運動本部から認められたものでも、援助を受けているものでもないと思われ、ホワイト・ハウスの人間とはまったく無関係と思われていたのだ。その日の午後、裁判所では保釈が認められるかどうかを決定する予審が行われたが、ウッドワードはその場に刑事犯の弁護士ではない政府筋の弁護士たちが来ているのに好奇心をそそられた。さらに、侵入者の1人、ジェームズ・W・マッコード・ジュニアが、最近CIAを辞めたことを認めたとき、ウッドワードはこの事件がホワイト・ハウスから発表されているような政治狂信者の仕わざとか単なる三流の侵入事件にとどまるものではないことを感じた。この犯行ははじめ、刑事事件と考えられていたが、この侵入事件が国家の自由な選挙制度とプライバシーに対する市民権を破壊しようとする網の目のように張られた巧妙な犯罪の氷山の一角にすぎないことがわかると、ワシントン・ポスト社内では調査を続けるというウッドワードとバーンスタインの主張も認められた。2人の取材活動が開始された。最初のうちは政治の厚い壁にはさまれて試行錯誤のくり返しだったが、謎の人物ディープ・スロート(ハル・ホルブルック)の、『金を追え』という示唆に従ってニクソン再選委員会の選挙資金を追求するうちに、その裏に隠された陰謀が次第に鮮明になっていった。裏付け調査を終わった2人の暴露記事が全世界に報道される日がやってきた。それは大統領をはじめとするホワイト・ハウスの幕僚たちに大きな衝撃を与えた。ワシントン・ポスト紙は権力からの激しい否認にあい、ニクソン大統領の報道担当官たちからは激しい非難と嘲笑を浴びせられた。しかし、不吉な警告にも屈せず、ウッドワードとバーンスタイン、それにワシントン・ポスト紙の同僚たちは、長いあいだ疑っていた侵入犯と政府の関連を立証してみせた。岐路に立たされたホワイト・ハウスの強い圧力にも屈せず、両記者の徹底的な調査は半信半疑で当惑する市民たちに、政府の高官たちの犯罪的な裏切り行為を納得させるに充分だった。たとえどんな大統領でも、大統領とあろう者がそのような陰謀に加担したり見逃したりしたことを、初めは信じたがらなかった国民も疑いの目を向け始めた。次から次へと発表される2人の記事は国会で真相を究明することを促し、さらにそれは政府や陰謀者たちの不安をつのらせ、ある場合にはパニック状態に陥らせた。ウッドワードとバーンスタインのタイプをたたく手に力がこもり、それは近い日、必ず訪れるであろうニクソン大統領失脚を物語っているようだった。

作品データ

原題
All the President's Men
製作年
1976年
製作国
アメリカ
配給
ワーナー・ブラザース映画
上映時間
139分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.7
  • たっかん

    4
    2014/2/11

    初見は1980年4月20日の文芸坐だった。(『候補者ビル・マッケイ』との二本立て)
    しかし、この時に観た『大統領の陰謀』は「白っぽい画面に白い字幕」で字幕が読めず、物語が良く判らなかった。
    本日(2014年2月11日)、ほぼ34年ぶりに再見したが、字幕が読めれば面白い映画だった。

    若手の新聞記者2人(ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォード)の白熱した取材姿勢、彼らの上司(ジェイソン・ロバーズ)の貫録&信頼が素晴らしい。

    取材に取材を重ねて、様々な関係者からの裏取りの駆け引きも面白い。

    ニクソン大統領をテレビ映像として“本人登場”としているあたり、リアリティが増している要因と思う。

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  • 晴耕雨読

    4
    2009/5/24

     「大統領の陰謀」は共和党大統領再選本部が引き起こした盗聴事件、ウォーターゲイト事件を追及するワシントン・ポストの二人の記者の物語で、原作は読んでいないのだが映画は観た…50代以上の人ならば一度はこう答えたことがあるでしょう。映画は大統領を辞任まで追い込んだショッキングな実話であり、CIA、FBI、国務省という強大な国家権力を相手に、ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマン扮する二人の記者とそれを支えたもう一方の権力機構である新聞社の闘いに、アメリカ合衆国のマスコミの健全さ、真実を追究する情熱を感じましたが、何回か鑑賞するにつれ、これは二つの権力が国民の信頼をめぐる闘いだったのだと納得するのです。

     監督のアラン・J・パクラは映像イメージと編集テクニックを駆使して、歴史的スキャンダルの道徳性、イデオロギー的意味を観客の中枢神経に叩き込んできます。特に、二人が国会図書館の閲覧室で一年分の閲覧票をチェックするシーンでの、手元のクローズ・アップから大ロングに至る撮影のゴードン・ウィリアムスによる真俯瞰ショットが印象に残っています。また、ワシントン・ポスト社のワンフロアーを完全に再現したと聞くセットの凄さにハリウッド映画のパワーを感じますが、現在のPCとは違ったタイプライター音が時代の雰囲気を醸し出していて見事です。

     記者の一人の父親は、赤狩りで公職追放された過去があり、その息子が赤狩りのでっち上げ裁判で名前を売って大統領に上り詰めたニクソンを辞任にまで追い込んだことは皮肉な歴史的事実ですが、映画は国家権力側の良識が襤褸状態になっていることを“ディープスロート”という高級官僚に投影して、真実を追究する者は“公式発表”というマヤカシの光に惑わされることなく、陰謀渦巻く暗黒の世界に敢然と立ち向かう覚悟が必要であるというメッセージを託します。分かり易い邦題をつけた日本側スタッフの成果は後の社会派ドラマでも多用されていることは皆様周知の事実です。

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