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投稿レビュー(9件)岸辺の旅は星3つ

生死を越えた夫婦の絆 (投稿日:2015年12月11日)

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三田にて2週間限定の上映なされ、観ようか迷ったけれど、カンヌ国際映画祭、受賞監督作に引き寄せられる形で鑑賞。

「俺、死んだよ」
3年前に行方知らずになっていた男はある日
突然妻の前に姿を現わしてそう口にする、
冒頭のシーンで始まります。

死人が戻ってくるというありえない設定ながら
ホラー要素も含んで展開はおもしろいと思います。

まるで散歩から戻ってきたような身軽さで帰ってくるのだからおもしろいです。

そして瑞希は雄介に誘われるままに一緒に旅に出ます。
生前中、夫が出会った人を巡り歩きます。

時には島影さんのような、生きているのか
死んでいるのか、わからないような相手も出てきます。

クライマックス付近のベットシーンは見せ過ぎ
のような気もしますが、
私の好きなジャンルの作品ではなかったのは確か。

でも、非日常を描くことで言えなかった別れに戻ってきたのかな
と思えます。

旅先を訪れながら夫婦の絆を宿していきます。
でもいつかは別れが来るという、この夢が覚めませんように願います。

亡霊だっていい、
なかなか立ち直れない妻を見て、さようならを言いにきたのでしょう。

ほんとに亡き人がふっと眼の前に現れたらどう思うのだ
ろうか、この主人公のように平生を装えるのだろうか。

夫が妻を見守る姿がすごく美しく描かれていましたし、

カーテンを揺らすほどの風がびゅうびゅう吹いたり、
頻繁に電燈が点ったり消えたり照明が変化させている場面も多く、不気味さもありました。

妻役の深津さんの雰囲気が今作にしっかりマッチしていました。彼女を見ているだけでも背筋が凍りそうに。

白玉団子を作るシーンがたびたび出てきます。

ただただ一緒にいたいと願っていただけなのに、
浮世離れした作品でしたが、
あとからじわっとくるそんな作品なのかなあと思います。

夫婦の絆を深めていく描かれ方は素晴らしかったです。

柄本さんを始め、脇役陣も素晴らしく安心して観ていられました。

妻に最後の別れを言いに来たのでしょうね。
そんなストーリーの良さを評価して星4つ。

夫は妻を見守り、妻は夫を見送る。
死を越え夫婦の絆を真っ当に描いたこんなにも美しいラブストーリーがかってあっただろうか。

劇中、死人が生前の生活を続けているというのに、
ちょっと驚かされましたけどね。

心の動きが丁寧に描かれていたと思います。

行方不明だった夫の優介が幽霊になって帰って来たのを迎えた瑞希は「また突然にいなくなるのでは」
という恐怖心も見る者にすごく伝わってきました。

あるのは相手を永遠に失いたくないという気持ち。
そういう意味でも知的な映画なのかもしれませんね。
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投稿:えこう

評価:4
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いちばん怖いのは。 (投稿日:2015年11月6日)

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第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞。
さぞや劇場は混んでいるだろうと思えばやっぱりの満席^^;
観方によって好き嫌いの分かれるある意味ホラー的展開に
これが?と思った人も多かったようで、鑑賞後の中高年の
会話が廊下で乱立していた。私的に黒沢清の作品だからと
ある程度覚悟していたので戸惑いはなかったけれど、多分
幽霊が目の前に登場しても平然としていられる人は、その
人自身が死に寄り添い近づいているのだと思う。夫が失踪し
すでに3年が経つのに未だ喪失感と覇気のない雰囲気を醸す
主人公を演じる深津絵里が、突然現れた幽霊の夫をアッサリ
受け容れることからも感じられる。もう待っていたかのよう。
それに対し夫は自身の病を苦の失踪→死を説明し、妻を旅に
誘い出す。目的は何なのよ?と思いながら夫婦と一緒に旅を
する観客は道中で出逢う不思議な人々&出来事に動揺を覚え、
あっけなく境界へと辿り着く。メロドラマとファンタジーが
入り混じった映像と音楽もさることながら、狙い澄まされた
監督の死生観に慄くのだったが、しかし何よりも怖いのは
生前に繰り返された(らしい)浮気がバレて、妻と愛人が対峙
する病院での面会場面。幽霊よりも愛憎が勝るホラーの一幕。

(小松政夫演じる配達員が不気味で優しくて哀しかったわぁ) »ガイドライン違反報告

投稿:ひゃん

評価:4
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最後があっけないような… (投稿日:2015年10月24日)

始めのシーンで、「映像が綺麗」と思いました。
ストーリーとしては凄くいいのですが、やはり蒼井優はいらなかったのでは?
他にも、「必要?」と疑問に思うシーンもいくつかあり、長く感じました。
「感動のお別れ」のはずが、ちょっとあっけない。泣く暇なかったのが残念で星3つです。

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投稿:ひさえ

評価:3
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結局 (投稿日:2015年10月13日)

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結局、ご主人に会いたいという気持ちの強い奥さんの幻想だったのでしょうか?でも、第三者との接触もあるし、そうではないのか。いずれにしても死んだ人がこの世に残した思いを解消してあげる旅だったのですね。 »ガイドライン違反報告

投稿:ごっとん

評価:3
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予想以上にゴースト色の強いラブストーリー (投稿日:2015年10月12日)

 3年間失踪していた夫が当然帰ってきて、いきなり自分は死んでいると告げ、そして妻を「きれいなところがあるんだ」と言って旅に誘って、失踪中に関わった人たちのところに妻を連れていく・・・。そんなストーリーに魅力を感じ、「悪人」以来、すっかり深津絵里のファンになったこともあり鑑賞しました。
 冒頭の夫が帰ってくるシーンも含め、予想以上にゴースト色が強く幾度かゾクゾクっとしました。それでも本題のラブストーリーは、ぶれることなく深まっていく過程がとても丁寧に描かれていました。
 そして、今回も深津絵里の演技はとてもよく、特に後半の夫にまだ話したことがなかった自分の過去を話すシーンの演技ときたらあまりにも自然で、本当にこの二人は夫婦なのかと錯覚させられるほどでした。
 好みが分かれる作品と思いますが、日々の忙しさの中で夫婦愛をすっかり忘れてしまった方にはおススメの映画です。
 最後に一言! ラスト直前のラブシーンはいらなかったかなぁ・・・ »ガイドライン違反報告

投稿:杉ちゃん

評価:4
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1人が他の人に読んでほしいレビューだと思いました。

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どちらかというと和風ホラー?亡くなって初めて知る“夫婦”の形。 (投稿日:2015年10月11日)

【賛否両論チェック】
賛:様々な人々との出逢いを通して、生前は知らなかった夫の人物像を知っていく中で、主人公が“夫婦”について改めて見つめ直していく姿か印象的。
否:展開は極めて静かなので、退屈で眠くなるかも。内容も、見方によっては結構ホラーな印象。

 若干設定に無理がある気はしないでもありませんが(笑)、亡くして初めて実感する“夫婦”という存在の尊さが、不思議な世界観の中で描かれていきます。
 ただ、どうしても内容が内容なので、結構描写がホラーチックなシーンがあります。その辺り、怖いのが苦手な人には、やや向かないかもしれません。
 展開もかなり静かなので、興味を惹かれないと眠くなること請け合いです。ゆったりとした雰囲気で、大切な人をそっと想い直したい。そんなすっごく大人の方向けの作品です(笑)。
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投稿:門倉カド

評価:1
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不必要なシーン、無駄な台詞のない 本を読むような映画 (投稿日:2015年10月4日)

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久しぶりの
黒沢映画です。

秋になってきたらこんなちょっと考える映画がいいですね。
配給会社もそれを見越してか・・・w

黒沢映画って最近は田舎の映画館だけなんで見てないですね。

最近見たのはリアル。


その前はドッペルゲンガーです。


けど一番の印象に残ってるのは
アカルイミライでした。
これが初めての黒沢映画でした。


グロイ内容もなぜかさわやかなタッチな映像になってしまう。
それがこの監督の印象です。

今回はカンヌ出品で監督賞を獲ってるってことで身構えていきました。
前回のリアルは、普通な若い世代にも観れるタッチでしたが、カンヌで賞を獲ったとなるとそうもいかないだろうなって。映画を見慣れている人たちが選んだ作品ってどこか変わってますからね。

最近ではモスクワ映画祭の
私の男。
中身ぐろかったですよね。あの魚の頭を切り落とすシーンが妙に生々しくて・・・

ベネチアで賞を獲ったヒミズ。
これもまた、描写が
グロイ。

ベネチア/カンヌ/ベルリン
 という3大映画祭で賞とったのは身構えないとね(笑)

今回はそんな映画祭に受けるタッチでありながら
相変わらずのさわやかな黒沢映画でした。

シネコン映画にありがちな、ナレーションや設定をはじめにばらしていく映像が流れていく映画でなく、本を読んでじわーっと思うそんな内容の映画です。

相方と見ましたが、相方もぐっと来たようでした。
そう考えると、この映画の中で不必要なシーンってないんだろうなって思います。
それぞれが次のシーンに必要なんだろうなって。


ピアノを教えるのがヘタで教えている生徒の母から嫌味を言われたり
牛乳を取りに行くシーンとか・・・
考えられて構成されてるんだな・・・ってそんな風に感心する映画でした。

生徒宅でピアノ講師をしている瑞希。
彼女はいつも通り、スーパーで買い物をして帰ろうと思ったところある商品に目が届く。
白玉粉。彼女はふと手が伸びてそれを購入する。

家で白玉を作っていると自分を見ている気配が・・・
振り返ると3年前に居なくなった、夫優介であった。
知らず知らず、彼の好みの白玉団子を作っていた自分に気づく。

「長い間かかっちゃったかな・・・」
と優介。
「3年だよ。」
「そっか、3年か・・・
実は俺もう死んじゃってて、体は魚に食われてないんだよ・・・」

理解できないが、目の前にいる優介に抱きつく瑞希。

「一緒に来てほしいところがある」
そういって優介は瑞希を連れて自分が世話になった場所に連れて行く。

彼はどうやって帰ってきたのかを聞くと、歩いて帰ってきたという。
不思議に思いながらも、彼についていく。
死んだのに目の前に??

そして電車で谷峨に向かう。
そこでは初老の男性が新聞配達をしていた。

島影と再会した優介は瑞希を紹介し、彼の家に泊めてもらう。
彼女は島影のぎこちない行動を不思議に思いながら、優介がここに来た真意を知りはじめる。

いいですねえ。
秋のはこんな映画が。

台詞で語らず、自分で悟っていく映画。
家でお菓子食べながらビデオ見ながらではそんな深い部分は絶対わからない映画。
そんな映画です。

たくさんの思い出の場所を訪問します。
その中で、農家の嫁、カオルが抜け殻になっているその理由と
薫のあの姿勢がちょっときちゃいました・・・

映画だけに没頭して、瑞希がいろんなことを知り、優介がどんな人物でどうしてほしいかを悟っていく。
よかったです。

家でDVD、TV放送をみても映画館でしか感じられない何かがあるそんな映画です。 »ガイドライン違反報告

投稿:どすん

評価:5
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黒沢清監督の新たなる傑作 (投稿日:2015年10月3日)

2015年10月3日、テアトル新宿にて鑑賞。

この映画を観終わった後、「死者は生者の隣に居るものだろうか?現世の人間同士と同様、死者と生者が普通に会話する世界が在るのだろうか?」と不思議な感覚に捉われた。

一人で生活している妻(深津絵里)の元に失踪していた夫(浅野忠信)が突然帰って来て「俺、死んだよ。一緒に来ないか」と、夫が死んでからの3年間で世話になった人達を巡る夫婦(死者と生者)の旅が始まる。人が死んでからの世界を再び旅するという極めて珍しいロードムービーである。

こうした不思議な旅を当たり前の様に描いているが、まず初めに思い浮かんだ「この死んだ夫は妻にしか見えないのだろうか?」という疑問は、駅に着いた夫が駅員と普通に会話し始めることでアッサリと「誰とでも普通に接することができる死者なんだ」と判り、このあたりの自然さが上手く表現されているので、不思議な物語空間に違和感なく観客を誘うことに成功しているのであろう。

旅が始まって普通に接する新聞配達の男が「実は死者」と夫が告げると、誰が生者で誰が死者なのか混沌として来るが、夫の妻への説明が観客への説明も兼ねており、観客の混乱を避けるという監督の配慮が感じられる。

また、旅の途中、僧侶が夫に寄って来る件では、「えっ、僧侶には死者が判るのか?」とドッキリさせておいて、他愛無い会話だけで僧侶が立ち去るという笑える場面は、黒沢監督の日本的な遊び感覚が楽しい。

黒沢清監督は、これまで様々な死者を描いてきた。『叫』の成仏できない赤い服の女、ミイラ化した女性が出てくる『LOFT』、そのほか死体となると『CURE』をはじめキリがない。最近の作品(『Seventh Code』・『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』)ではアクション娯楽を描いていた黒沢清監督が、またひとつ新たな不思議な空間世界を描いてくれた事に、大いなる喜びを感じる。
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投稿:たっかん

評価:5
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生者と死者が交わる街 (投稿日:2015年10月1日)

名画『ゴースト』を持ち出すまでもなく、死者と交わる映画は数多くあります。しかし、死者が生者に交じり、普通に暮らしている街があるとは…。
深津絵里と浅野忠信は、文句なく、現代の名優です。しかも監督が、黒沢清とくれば、悪くなりようがないですよね。黒沢監督のホラー趣味は、ちょっと引いていますが(笑)。
さて、こういうSF仕立ての映画では、何でもありにすると、かえってつまらなくなります。そこは、抑制が効いていて、本当に死ぬ為の条件が出てきます。そして…という感じですね。後は、ご覧になって下さい。お勧めです。 »ガイドライン違反報告

投稿:ミチさん

評価:5
星評価

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