映画-Movie Walker > 作品を探す > 秋刀魚の味 デジタルリマスター

妻に先立たれた夫、娘を嫁に出す父親という小津安二郎監督が生涯を通し描いてきたテーマを、岩下志麻笠智衆、佐田啓ニ、岡田茉莉子らの共演で綴った名作ドラマ。脚本は「小早川家の秋」のコンビ、野田高梧小津安二郎が共同で執筆。撮影は「愛染かつら(1962)」の厚田雄春。小津作品の撮影チーフ助手を務めた川又昂監修による、4Kスキャニングによる最新のデジタル修復を実施したHDマスター。2013年11月23日より、東京・神田 神保町シアターにて開催された「生誕110年・没後50年記念 映画監督 小津安二郎」にて上映。

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長男の幸一夫婦は共稼ぎながら団地に住んで無事に暮しているし、家には娘の路子と次男の和夫がいて、今のところ平山にはこれという不平も不満もない。細君と死別して以来、今が一番幸せな時だといえるかもしれない。わけても中学時代から仲のよかった河合や堀江と時折呑む酒の味は文字どおりに天の美禄だった。その席でも二十四になる路子を嫁にやれと急がされるが、平山としてはまだ手放す気になれなかった。中学時代のヒョータンこと佐久間老先生を迎えてのクラス会の席上、話は老先生の娘伴子のことに移っていったが、昔は可愛かったその人が早く母親を亡くしたために今以って独身で、先生の面倒を見ながら場末の中華ソバ屋をやっているという。平山はその店に行ってみたがまさか路子が伴子のようになろうとは思えなかったし、それよりも偶然連れていかれた酒場“かおる”のマダムが亡妻に似ていたことの方が心をひかれるのだった。馴染の小料理屋へ老先生を誘って呑んだ夜、先生の述懐を聞かされて帰った平山は路子に結婚の話を切り出した。路子は父が真剣だとわかると、妙に腹が立ってきた。今日まで放っといて急に言いだすなんて勝手すぎる--。しかし和夫の話だと路子は幸一の後輩の三浦を好きらしい。平山の相談を受けた幸一がそれとなく探ってみると、三浦はつい先頃婚約したばかりだという。口では強がりを言っていても、路子の心がどんなにみじめなものかは平山にも幸一にもよくわかった。秋も深まった日、路子は河合の細君がすすめる相手のところへ静かに嫁いでいった。やっとの思いで重荷をおろしはしたものの平山の心は何か寂しかった。酒も口に苦く路子のいない家はどこかにポッカリ穴があいたように虚しかった。

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作品データ

製作年 1962年
製作国 日本
配給 松竹
上映時間 113
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スタッフ

監督 小津安二郎
製作 山内静夫
脚本 野田高梧小津安二郎
撮影 厚田雄春
音楽 斎藤高順
美術 浜田辰雄
編集 浜村義康
録音 妹尾芳三郎
スチール 小尾健彦
照明 石渡健蔵
デジタル修復監修 川又昂

キャスト

平山周平 笠智衆
平山路子 岩下志麻
平山和夫 三上真一郎
平山幸一 佐田啓二
平山秋子 岡田茉莉子
河合秀三 中村伸郎
河合のぶ子 三宅邦子
堀江晋 北龍二
堀江晋 環三千世
佐久間清太郎 東野英治郎
佐久間伴子 杉村春子
三浦豊 吉田輝雄
坂本芳太郎 加東大介
「かおる」のマダム 岸田今日子
「若松」の女将 高橋とよ
菅井 菅原通済
渡辺 織田政雄
佐々木洋子 浅茅しのぶ
田口房子 牧紀子
酔客A 須賀不二男

レビュー

小津安二郎監督の傑作

投稿者:たっかん

(投稿日:2014/10/19)

この映画の初見は、学生時代(1980年5月5日)に銀座・並木…

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