ジョン・シム
イアン
「イン・ディス・ワールド」のマイケル・ウィンターボトムが、刑務所にいる父の帰りを待ち続ける家族の姿を描くヒューマンドラマ。登場する幼い兄弟は実の4兄弟で、5年の歳月をかけて撮影された。出演は「ひかりのまち」のシャーリー・ヘンダーソン、「ヒューマン・トラフィック」のジョン・シム。音楽は「ピアノ。レッスン」のマイケル・ナイマン。
※結末の記載を含むものもあります。
イギリス、ノーフォークの小さな村。まだ夜が明けきらない朝4時。ステファニー、ロバート、ショーン、カトリーナの4兄妹は、母・カレン(シャーリー・ヘンダーソン)に起こされる。今日は、服役中の父・イアン(ジョン・シム)に面会に行く日なのだ。だが今回はステファニーと末っ子のカトリーナは留守番。ロバート、ショーンの兄弟二人はバス、電車を乗り継ぎ、やっと父のいる刑務所に到着する。面会室に現れたイアンは子どもたちに駆け寄ると、彼らをしっかりと抱きしめる。クリスマスの写真を見せて口々にその時の思い出を話すロバートとショーン。そうやって、いつもこの家族は思い出を繋げてきたのだった……。まだ幼いカトリーナが初めて幼稚園へ行った日には、心配して電話をかけてきたイアンに幼稚園の出来事を報告し、皆で電話を取り合って口々に「大好き」と伝えたりもした。そんなある日、ショーンは学校で、父親の悪口を言われ友だちとケンカになる。イアンが仮出所の日、家族全員で食事をして、公園でサッカーをした。カレンは今朝も子どもたちに朝ごはんを食べさせ、いつもの道を通って皆を学校へ送り届け、その後、スーパーで仕事、夜はパブで働くのだった。やがて5年の時が流れ、幼い4人はそれぞれに成長。そして、ようやく父が帰ってくる日を迎える……。
イアン
カレン
ショーン
ロバート
ステファニー
カトリーナ
エディ
監督、脚本
脚本
製作
製作総指揮
音楽
撮影
撮影
撮影
編集
編集
[c]7 DAYS FILMS LIMITED 2012.ALL RIGHTS RESERVED. [c]キネマ旬報社
きゃわいい男の子ぉ~たまらんっ!
マニアックだ!借りんだろ?ふつう…
もちろん、この次男坊のショーンにやられちまった!
この子!きゃわゆいっ!きゃわゆすぎる!
パッケージだけ見てかりるアタシはあんぽんちん!
これね【幼い兄妹には実の4兄妹を起用し、
撮影スタート時にそれぞれ8歳、6歳、4歳、3歳だった兄妹が
成長していく過程を、5年間の歳月をかけて撮影した】そうよ。
そうなのよ、だから可愛いショーンくんが映画が終わる頃は…
内容をいいますと…何もない日常?いやいや!
お父さんが刑務所だなんて何にも無い訳ないですやん!
子ども大変ですやん!
その親父ときたら仮出所で出てきたかと思えば
いらんことしやがるし!
ただ母ちゃんとやりたいだけだしっ!
かぁちゃんは浮気しくさるしっ!
…結論!浜田雅功!不倫はアカン!
毎日というのは不思議なもの。平日は朝早く起きて、眠いながらも学校や職場にいく準備をして、昼間は仕事や勉強やサークル・バイトに励み、夕方や夜に疲れて帰ってくる。土日はどっかに行くか、余暇を楽しむかをしているものの、大半の人は平日の繰り返しの生活の中に取り込まれているものではないだろうか。正直、僕も思うけど、毎日という言葉は監獄と一緒。特別なことは大して起こるものではなく、それでも必死に生きているから、今日は終わったと思ったら同じような明日がくる。それを延々と人生は繰り返さないといけない。そんな毎日に意味があるのか、、意味があるんだということを、この映画は教えてくれる。
この作品に描かれるのは、それこそある一家のしがない毎日である。ただ一つ違うのは、夫が刑務所で服役中ということ。幼い子ども4人を抱えるカレンは朝4時過ぎから動き出し、夜は遅いバーのウエイターの仕事まで黙々とした毎日を送る。普通の映画なら、例えば、子どもを抱えて逃飛行に出るとか、育児放棄して子どもだけの生活を余儀なくされるなどのドラマが起きるところだが、この映画は延々と繰り返される毎日を描き続ける。それもキャスト(特に子ども)の成長を捉えるために、5年の長きに渡って、撮影を続けるといった念の入れ様。そこまでして描きたかったのは、”そんな毎日”こそ人生のかけがえのない財産だということなのだ。
子どもたちの成長とともに、”そんな毎日”の生活の中にも様々な問題が起こる。小さい事件の繰り返しの中でも、毎日を生きることで日々人は成長を遂げている。特に、子どもを持つ人たちにとっては、見かけでも大きくなる子どもたちの姿に人生の変遷を感じざるを得ないだろう。子どもを持つことの喜びというのは、この映画を見ていると何となく分かる気がするのだ。人生のいい面も悪い面も、素直に共有できるのが家族の温かみ。ただ、一緒に過ごすことの幸せを感じることができるのが、”家族”という集団の強みだと改めて分かりました。
ラストシーンは本当に素敵。久々にウインターボトム監督の力量を感じることができる作品でした。