東ベルリンから来た女|MOVIE WALKER PRESS
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東ベルリンから来た女

2013年1月19日公開,105分
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80年代の東ドイツを舞台に、国外脱出を画策する女性医師の葛藤を描く人間ドラマ。監督は、「イェラ」のクリスティアン・ペッツォルト。出演は、「ブラッディ・パーティ」のニーナ・ホス、「パイレーツ・オブ・バルティック 12人の呪われた海賊」のロナルト・ツェアフェルト。2013年ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1980年、夏。東ドイツ、バルト海沿岸にある小さな町の病院に、女医バルバラ(ニーナ・ホス)が赴任してくる。西ドイツへの移住申請を出したため、東ベルリンの大病院からこの地に左遷されてきたのだ。そんな彼女に、医師アンドレ(ロナルト・ツェアフェルト)と秘密警察<シュタージ>の諜報員シュッツ(ライナー・ボック)の監視の目が光る。ある日、トルガウの矯正収容施設から逃亡して、髄膜炎を発症した少女ステラ(ヤスナ・フリッツィー・バウアー)を警察が連れてくる。バルバラは、西ベルリンに住む恋人ヨルク(マルク・ヴァシュケ)が用意した逃走資金を協力者から回収して森に隠していた。長旅から戻ると、突然シュタージの家宅捜索と女性職員による屈辱的な身体検査を受ける。翌朝、アンドレは血清を作っていてステラの妊娠に気づいたことを告げる。翌日、バルバラは森の奥でヨルクと密会する。アンドレの血清のお陰で回復したステラは、施設に戻りたくないと懇願する。アンドレはかつて致命的な医療ミスを犯し、政府にもみ消してもらう代わりに地方勤務と密告の義務を課せられたことをバルバラに告白する。その直後、ステラは人民警察によって強制退院させられる。3階から転落して意識不明に陥った少年マリオ(ヤニク・シューマン)が運ばれてくる。マリオの脳にはレントゲンでも見えない血栓がある可能性があったが、リスクを伴う開頭手術をするか、アンドレは苦悩する。その夜、外国人専用ホテルでヨルクと密会したバルバラは土曜日に密航することを告げられる。翌朝、マリオとの会話で頭蓋骨内出血による記憶障害を直感したバルバラはアンドレを探すが、彼は末期癌を患うシュッツの妻を診察していた。嫌悪感を示すバルバラに、アンドレは病人なら助けると答える。マリオの手術はバルバラの出奔と同日に決まる。バルバラが旅立とうとした瞬間、再び逃亡してきたステラが彼女を訪ね、一緒にいてと叫ぶ。西側での新生活か、医師としての責務か、運命の決断が迫る……。

作品データ

原題
BARBARA
映倫区分
G
製作年
2012年
製作国
ドイツ
配給
アルバトロス・フィルム
上映時間
105分

[C]SCHRAMM FILM / ZDF / ARTE 2012 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.4
  • たっかん

    4
    2013/10/12

    1980年の東ドイツを舞台にした映画。ベルリンの壁崩壊の9年前。
    東ドイツでも、当時、ベルリンは羨望の場所だったようである。
    そのベルリンから田舎の病院に移された女性バルバラが、映画タイトルどおり主人公。
    感情を表情に出さない女であるが、林の中で男と抱き合って笑うあたりは、高峰秀子演じた映画『張込み』のようであった。

    その後、田舎の病院で過ごすうちにバルバラは、男性医師に好意を持ったり、作業場(拷問場)から逃げてきた少女ステラとの触れ合い、自殺未遂の少年との関わり、などから、西側へ逃亡するチャンスを少女ステラに譲ってしまい、バルバラは東ドイツに残る。

    淡々と温かい人間関係を描いた佳作。

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  • まこと

    3
    2013/7/28

    早稲田松竹で『魔女と呼ばれた少女』と2本立て
    どちらも一人の女性の生き方にフォーカスした作品ですね

    ベルリンの壁が崩壊する以前、東ドイツに生きる女性医師の話です
    恋人との愛のために、西に亡命する決意を固めるバルバラ
    しかし、医師としての責務やら感情的な色々が、彼女の決意を揺るがせる…って感じなのでしょうか
    そして、バルバラの最後の決断は…って煽るほどの事もなく、途中で何となく、想像できちゃうんですけどねw

    全体的にシリアスで重苦しく、ドラマとしての起伏も小さい…やや退屈と言わざるを得ないタイプの作品です
    僕も正直、かなり眠気を押し殺しての鑑賞でした…

    好き嫌いが分かれるんじゃないですかねえ
    映像的な力強さは感じますが、ドラマとしては、ちょっと…
    個人的には、主人公の心の動きや葛藤があまり見えず、評価しづらいです
    まあ、そもそも、恋愛感情だけで自分の人生を決めちゃうってのが、僕には共感しづらいんですけどねw

    ラストの行動も、アレは苦渋の決断なのか…それとも、むしろ、ホッとした気持ちでもあるのか…表情だけだと読み取りにくいですね
    ストーリーだけでなく、そういう部分でも、何となくモヤモヤした感じが残る作品でした

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  • ひゃん

    4
    2013/7/22

    ベルリン国際映画祭監督賞を獲得したドイツ映画。
    ベルリンの壁崩壊9年前に遡り、当時の体制を鋭く抉る。
    恋人がいる西側への移住を却下された女医の主人公は
    片田舎の病院にシュタージの監視付きで左遷されるが、
    孤立主義を癒す青年医師との出逢いが彼女に変化を齎す。
    人間にとって真の幸福がどこにあるかを問いかけながら、
    ラストの女医の決断が医師としての尊厳をさらに高める。
    ヘビースモーカーな主人公の日常と、自転車を漕ぐ妖艶な
    姿に平伏しながら9年後の彼女の選択をも見届けたくなる。

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