アシュラのレビュー・感想・ネタバレ・評価|MOVIE WALKER PRESS
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アシュラのレビュー・感想・ネタバレ・評価

2012年9月29日公開,75分

ユーザーレビュー

4.0
  • とぅこぅ者サン

    5
    2012/10/22

    この連載は リアルタイムで 子供の頃に見て…あの時は 解らなかったが…今…ただ 驚愕したかな…人の闇の…物語かな…日本人の 本質を問う…映画かな? 心の闇を克服した人…今 悩んで いる人は 考える為に ただの道徳ではなく 鑑賞して欲しい作品です

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  • トム

    4
    2012/10/22

    この映画を観終えた時、最初に頭を過ったのは2011年3月11日に起きた東日本大震災の事であった。
    当時、あれだけの震災被害を被ってなお、大規模な暴動や略奪が起きなかった事を、世界は驚愕し、称賛した。
    だが、私は世界の声に違和感を感じていた。
    暴動や略奪が起きなかったのは、多少は地震多発国故の諦感などもあるのだろうが、本質的な所は、この国が豊かで、国や被災していない地域からの支援があると言う信頼感や被害の実態が広く報道されて、被災者自身がパニックに陥らなかったからで、劇中の様な時代だと、やはり、なにがしかの暴動や略奪は起きていたのではないか。
    いや、劇中の様な時代で無くとも、アジアやアフリカの最貧国と言われる国では今尚、日々の食事に事欠き、家族を為す術無く目の前で落命させる事が常態化している。
    そんな中で、人が人として生きていく事の難しさ、儚さ、そして逞しさ、それらを表現するには実写よりアニメの方が向いていたのではないかと思える。
    「人間だけが神を持つ」
    別のアニメ作品でのセリフだが、人と獣を隔てている唯一のものは、神であり、心なのであろう。
    折れぬ心を持ちたいものだ。

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    ネタバレあり
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  • むびうぉか

    1
    2012/10/12

    表面的には刺激が強いけれども、心に残るものの少ない、最近のアニメです。

    映像はそれなりに手が込んでいて、最新の技術もいろいろ使っているんでしょう。
    それらを駆使して、少なくとも視覚的なイメージは、おそらく作り手の表現したいものを、余すところなく描くことができているのだろうと思います。

    ただ映画の中身は、悪い意味で全くのお子様レベルです。
    なんとも薄っぺらく稚拙な脚本が、ある意味でこの映画には似合っています。
    つまり、作り手の描きたいもの自体、表面的で浅いものなので、それによく合うという意味で。

    その昔、手塚治は「マンガはおやつのようなものだ」と言ったそうですが、その本来おやつであるべきマンガやアニメを主食として育ってしまった人が作った映画の典型という気がしました。
    この世界の様々な複雑さを飲み込んで、練り上げた末に生み出された作品の持つ深みが、この作品には感じられないです。

    悲惨な境遇から生まれたみじめで荒んだ姿を、悪意を持ってデフォルメしたような主人公。追い詰められた民衆のおぞましさを、ことさらに強調したような村人たち。ただ単に強圧的で冷酷であるだけの地頭。
    これらは決して、目を背けていけない現実、などではありません。
    それよりはむしろ、人間の醜い部分を、怖いもの見たさでのぞきたがる悪趣味に応える、単なるエンターテインメントであると言えます。

    そのあざとい刺激を、生きることの不条理さだの、表面的な優しさだのでコーティングして口当たりをよくするあたり、いかにもこの手のアニメ的な感覚かと思います。
    主人公と触れ合う若狭という少女の存在は、端的にそれを表しています。
    アニメの中にしか存在しないような、個性に乏しくてひたすら優しい美少女が、主人公のわかりやすく荒んだ心を、都合よく癒す。
    その耳障りのよい声が語る言葉には、その実、心に響くものが、一つもありません。

    その少女が飢えに苦しみ、やせ細っていく様も、はっきり言って、そういうものを描くことに酔っているだけのように見えます。
    それ自体が、実は"こういうものが見たい"という欲求に応えているだけじゃないですか?
    その酷薄さ、みじめさは、刺激的でこそあれ、胸に迫るものには乏しいです。

    そして何より主人公に、共感できるところが全くない。
    悪意に満ちた、ゾッとするような表情を宿したこの主人公には、自らを見つめる健気な視線がないのです。
    悲惨な境遇の果てに生まれてしまった醜い怪物のような自分に対する、どうしようもなく卑屈で、やりきれない思いがない。
    しかしそれがあってこそ、悲しみは生まれるんだと思うのです。

    しかるにこの主人公は、怒りにまかせて、食らい、奪おうとするだけ。
    若狭に与えた馬の肉を、人の肉と勘違いされて、そこでもっと馬の肉だと言い張ればいいのに、それよりも「それでも食って生きなきゃダメなんだ」とばかり言うのです。
    生き延びるためには、人間を捨てても当然と言わんばかり。

    それを強調するための、これみよがしの無慈悲な人間たちの悪意と、それに対する目を覆いたくなるような残虐な反抗。
    その裏側にある何かをすくいとろうとするには、あまりに短絡的なストーリーと、安っぽいセリフの数々。

    これで何がしかの人間の真実を描いているなどというのは、大いなる勘違いかと思います。

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    ネタバレあり
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  • k-movie

    5
    2012/10/8

    不変のテーマ性を持った作品。

    この映画をご立派に語るだけの言葉も経験も持ち合わせていないので、あえて作品そのものの批評は避けますが印象的なのはアシュラと僧侶の対話ですね。

    僧侶というのはおそらく人類だけが成し得た思想という精神世界を持ち合わせているわけですが、獣のようなアシュラに対し人と獣の違いを「心」の一言で示します。

    その一方で人と獣の心が表裏一体となり様変わりする多くの村人や、人としての道徳観にこだわりすぎて生物としてのヒトになりきれない村人の末路など、時代と環境によって善悪は様変わりし、心の在り方そのものが生存競争ともいえる極限状況が提示されます。

    どんな乱世でも人として生き残るには…

    ジョージ秋山氏が描き出した価値観は本来の仏教思想とは異なる部分もあるのかもしれませんが、一つの思想・価値観として深く印象に残る作品でした。

    大人が観て唸る作品というより、大人と子供で一緒に観賞していろいろと語り合える映画。
    主義主張が強すぎず論理(倫理)的にも完璧・饒舌すぎないので考える余地があるし、映画を観た親子ごとに解釈は違って良いのだと思います。

    田舎や昭和を懐古主義的に描くだけの児童アニメーションが多い中で、こうした一つのテーマを問いかける作品は貴重!

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  • earlygirl

    5
    2012/10/4

    簡潔な構成ではありますが非常に奥行きがあり深いテーマを扱った作品。
    上映館が少ないだけでなく、平日の午後ではありましたが、観客も10人前後でがらんがらん…

    個人的に映画鑑賞においては理想的な空間なのですが、その反面、良い作品でありながら脚光を浴びない昨今の映画事情を悲しく思う瞬間でもあります。

    さてさてこの作品。
    振り返ってみると、火の鳥の我王を思い出しました。
    テーマも交錯する部分があった様に思います。

    シナリオとは別に、画風や効果などにおいても斬新な手法が見受けられ、そういった面でも興味深いものがありました。

    しかしまぁ、人というのはなんとも不思議なものです。
    いったい何なんでしょう…
    人の世(世界)は誠に興味深く面白いフィールドです。

    見終わった後しばらくあれこれと考えさせられた作品でした。

    南無阿弥陀仏

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  • クライン

    5
    2012/10/2

     今からおよそ三十年前、この原作は当時の“PTA良識派”なる人々によって散々こき下ろされたあげく、作者が一時失踪してしまうという自体まで招いた問題作である。

     だが、読んでみれば何と言うことだろう。これほどまでに人間の持つ裏の顔や悲哀を描き、誰もがふと“自分ならばどうする?!”と考えさせられるものは存在しないといってもいいくらいの衝撃を私は受けた。

     “生まれてこなければ、よかったのに”
     “生まれてこないほうが、よかったギャアッ!!”

     何度も何度も、まるで読者に問いかけるように叫ばれるこの言葉。なるほどその通りと、古本屋で初版本を購入した僕は感じてしまった。この世に生を受けた瞬間から、人間は喜びや楽しさを感じるのと同時に、ありったけの苦しみや傷を全身に受けなくてはならなくなる。学年が上に上がっていくにしたがって自意識が芽生え、中学で高校受験を控える頃になると世の中に存在する大人の汚さばかりが目に付いて全てを否定する。成長し、就職し多くの経験を積んでいくうちにアシュラの叫びがまるでこだまのように響き渡るのだ。

     “この世に希望をもてというんかっ!!”
     “希望を持つなんて・・・・・・ごまかしだギャ、無理に生きるためのごまかしだギャッ!!”

     そうだろう、そのとおりだよアシュラ。
     それでも人間は生きる、何とか生き抜いてできることなら最後に楽しく笑って死にたいのさ。

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  • すすむA

    5
    2012/10/2

    過剰に宣伝を繰りひろげる映画界の片隅で一つ花が開いた、そんな感じの作品だ。東映アニメーション(株)作だというのに、私の住む神奈川県での上映は一館のみなのだから。

    宮崎アニメとはひと味違う繊細さに感心する。透明水彩絵具を淡く引いたような景色。その絵に実際の雨を降らせるアイデアに感嘆した。活劇の動きもスムーズな上に「静と動」の対比が印象的である。

    ストーリーを追っていて、大岡昇平の『野火』と似ているのに気付く。時代は違うが究極の飢餓の中で、人間が人間を食うことが出来るのか。人間はどこまで人間でいられるのか。その中で自分の肉を「食え」と差し出せる人間がいる。『野火』の軍医、『アシュラ』の法師である。そもそも人間とは何なのか、問いつめ問いつめられても判らない。

    アシュラが「馬の肉だ」と言って、若狭に捧げる。アシュラの善意は疑いようもない。それを信じて食べるか。アシュラの善意が切羽つまっているゆえにこれを嘘だと疑うか。どちらが人間らしいかは誰も答えられない。

    1971年に話題を呼んだ漫画が何故いまアニメ化されるのかも判らない。ただ作品を観ていてしきりに思い浮かぶのは、増えつつあると言われる若年ホームレスのことだ。彼等が人間としていられるのはいつまでだろうか。なぜ我々は人間として人間を救えないのか。我々はアシュラかも知れない。

    「生まれてこないほうがよかったのに」とアシュラは叫ぶ。アシュラを助け、アシュラが助けようとした若狭も結局は飢えて死ぬ。橋の上で二人が行き交うシーンは実に象徴的だ。この映画に安易な救いはない。「人間がどこまで人間か」を示す理説もここにはない。自分が主観的に決める他ない。本作はそういっているのである。

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