さあ帰ろう、ペダルをこいで|MOVIE WALKER PRESS
MENU

さあ帰ろう、ペダルをこいで

2012年5月12日公開,105分
  • 上映館を探す

国家の歴史に翻弄され離ればなれに暮らしていた祖父と孫が、ドイツから故郷ブルガリアへとタンデム自転車で旅をするロードムービー。監督は、ブルガリアの新鋭ステファン・コマンダレフ。出演は「アンダーグラウンド」のミキ・マノイロヴィッチ、『ガーディアン -ハンニバル戦記-』のフリスト・ムタフチェフ、『アメリカへの手紙』のアナ・パパドプル。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1983年、共産党政権下のブルガリア。アレックス少年の住むのどかで小さな田舎町にも不穏な影が忍び寄ってくる。町でいちばんバックギャモンが上手なアレックスの祖父バイ・ダン(ミキ・マノイロヴィッチ)を、民兵がじっと見張っていた。その民兵は、アレックスの父・ヴァスコ(フリスト・ムタフチェフ)が勤める工場の上司でもあり、バイ・ダンを見張ることと、その動向と発言を逐一密告することをヴァスコに命じる。だがどうしてもその命令を受け入れることが出来ないヴァスコは、妻ヤナ(アナ・パパドプル)とアレックスを連れて、ドイツへ亡命する決意をする。25年後のドイツ。久しぶりにブルガリアへと里帰りする途中、アレックス一家は交通事故に遭ってしまう。アレックス(カルロ・リューベック)が意識を取り戻したとき、彼は病院のベッドにいた。両親はその事故で命を落とし、アレックスは記憶を失う。そんな孫を心配して、ブルガリアから祖父バイ・ダンがドイツへやって来るが、アレックスは彼のことも覚えていなかった。アレックスが一人暮らしをしていたアパートに忍び込んだバイ・ダンは、アレックスが電気製品の説明書の翻訳の仕事をしていることや、親しい友人やガールフレンドもおらず引きこもりに近い生活をしていることを知る。バイ・ダンは、連日病院に来てアレックスを見舞いながら、幼い頃教えたバックギャモンを再びアレックスに教える。そんなある日、快復の兆しがみえたアレックスを、バイ・ダンは無理やり退院させ、タンデム自転車に乗って故郷ブルガリアに向かう旅へと誘う。ヨーロッパ大陸を横断しながら、バックギャモンに興じるふたり。やがてシンプルかつ非常に複雑なこのゲームが、アレックスに自分自身を取り戻させ、彼のそれまでの人生を知る鍵となる。人生とは天から与えられる「運」によるところもありながら、あくまでサイコロを振るのは自分であり、人生を切り拓いてゆくのもまた自分自身なのだと。そして旅の途中、とある施設に立ち寄ったアレックスは、そこですべての記憶を取り戻す……。

作品データ

原題
SVETAT E GOLYAM I SPASENIE DEBNE OTVSYAKADE
映倫区分
G
製作年
2008年
製作国
ブルガリア=ドイツ=ハンガリー=スロベニア=セルビア
配給
エスピーオー
上映時間
105分

[c]RFF INTERNATIONAL, PALLAS FILM, INFORG STUDIO, VERTIGO / EMOTIONFILM and DAKAR, 2008 All rights Reserved [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.1
  • 2006年から映画

    4
    2012/6/12

    事故で両親と記憶を失くした孫とタンデム自転車でドイツから故郷ブルガリアへ。おじいちゃんと孫のほのぼのヒューマンロードムービーかと思っていたら半分違いました。

    残りの半分は東西冷戦時代の話。おじいちゃんとおばあちゃんを残して一家三人でなぜ国を出なければならなかったのか・・。

    あの時代は東西を自由に往来できなかったけれど、今となってはのんびり自転車で決死の思いで出国した祖国に帰ることができる。
    険しかったあの道もゆっくり帰れば絶景の眺め。

    得意のバックギャモンで人生を語る気骨ある元闘士のおじいちゃん。孫に教える人生訓はなかなかのもの。
    子供の頃の孫はかわいいけど大人になるとイケメンじゃないのがちょっと残念。

    東西冷戦時代の理不尽さとおじいちゃんの人生訓を学べるいい映画でした。

     ・ゲームで人生を語りたい方
     ・自転車好きの方
     ・冷戦時代の共産圏に関心のある方
      にお勧めです

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告
  • かずヤン

    5
    2012/6/11

    1995年度のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「アンダーグラウンド」の名優キミ・マノイロビッチ主演のヒューマンドラマです。
    バックギャモンというボードゲームがあるのですが、そのゲームと自転車がこの映画の重要なアイテムになってます。
    映画の序盤でいきなり衝撃的な展開を迎えますが、映画全般を通してそこに至るまでの過程が丁寧に愛情たっぷりに描かれます。
    後半は祖父と孫のロードムービー!タンデム自転車という2人乗りの自転車でドイツからブルガリアへの長い旅。
    祖父と孫の長い旅で得たものは?旅の終わりで待ち受けていたものは。。。?

    いや~素晴らしい、とてもハッピーな映画でしたね。
    お涙頂戴の作品ではないですが、家族の絆の深さにはやはり涙腺崩壊でした。
    またバックギャモン、ゲームのやり方などは一切知りませんでしたが、この映画を見て無性にやりたくなりましたね。
    公開してる劇場は東京/大阪に2館だけと極端に少ないですが、前を向いて元気になりたい人にはうってつけの作品だと思います。
    全国で順次公開されていくと思いますけどね。

    この映画を公開していた劇場は、おじいさんが孫を連れて映画を見に来れば、パンフレットとポストカードをプレゼントしてくれる企画をやってました^^

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告
  • 4
    2012/5/23

    バックギャモン・・と言うゲームを知らないんだけど、観ている内にその奥深さに引き込まれていく。
    このゲームに始まり、このゲームに終わる・・そんな感じの映画です。

    何より、おじいちゃんのバン・ダイのキャラが良いのよね。
    事故にあい、一人ぼっちな上に記憶喪失になったアレックスにとって、祖父が彼であったことは最高の幸運だったと思うわ。
    あんなおじいちゃんと旅してみたいわ~

    権力に屈せず、亡命を選んだ父も強く頼もしいけど、母に理解されなかったのが切ないわね・・
    彼女の父親を守るためだったのに。

    亡命を夢見ながら、叶わなかった人々も切ない・・
    生まれてくる時代は選べないからねぇ。

    続きを読む + 閉じる -
    ネタバレあり
    違反報告