希望の国|MOVIE WALKER PRESS
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希望の国

2012年10月20日公開,133分
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『冷たい熱帯魚』や『恋の罪』といった、実在の事件などを題材にしたショッキングな作品を次から次へと送り出す鬼才・園子温監督。そんな監督が東日本大震災以降の日本の人々の暮らしを見つめた社会派エンタテインメント。原子力発電所近辺で暮らす2組の家族の姿を通し、改めて現在、日本が直面している危機について訴える。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

東日本大震災から数年経った20XX年。長島県で暮らす酪農家の小野家と農家の鈴木家はつつましく幸せに暮らしていた。ところが新たな大震災が発生し、大津波が人々や原子力発電所を飲み込む。鈴木家は避難指示で家を出なければならなくなるが、小野家は避難区域外に。それぞれの家庭が不安に苛まれる中、小野家の息子の妻の妊娠が発覚する。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2012年
製作国
日本 イギリス 台湾
配給
ビターズ・エンド
上映時間
133分

[c]2012 The Land of Hope Film Partners [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.6
  • まこと

    3
    2013/4/5

    池袋新文芸坐で震災関連の作品3本立て
    併映は金子修介作品2本、『Living in Japan』と『青いソラ白い雲』です

    この作品、世間の評価が割と高いようなので、機会があれば観たいと思っていました
    しかし…正直、どこが良いのか、僕にはさっぱり分かりませんねぇ

    震災関連の作品ではありますが…3.11を直接描くのではなく、そこから数年後の長島県を舞台にするという、仮想的な近未来を描いています
    福島の原発事故を過去の事件と捉える所に、この映画の面白さがある訳ですが…正直、その設定って、十分に活かされていましたかね?
    この作品で描かれている事を3.11と置き換えても、何も変わらないような気がするんですが…
    過去の教訓が活かされていない仮想日本…っていう設定は、一体、何のためにあったのでしょう??

    避難区域との境界に位置する二組の家族、この設定はなかなか面白いですね
    監督が取材した中に、自宅の庭を境界線で分断された家が実際にあったそうです
    ほんの数メートルの差で避難が必要、不要と判断される…こういう、現実に存在する不条理を取り上げるというのは面白い試みだし、積極的にやって欲しいと思います

    しかし…その後の展開は、ちょっとやり過ぎでしょうw
    あまりに行き過ぎて、もうギャグとしか思えない所が随所にあります
    隣のお客さんなんて、5分に1回ぐらい失笑してましたよw
    いっそ、こういう超ブラックで不謹慎なコメディなんです!って言い切ってくれれば、まだ納得も行きますがw
    そうじゃないなら…この映画は、ちょっと方向性を間違っているとしか思えません

    特別、重苦しさを感じるほどシリアスな作品ではありませんが、爽快感も無ければハッピーエンドもありません
    それよりも、不快感の方が、はるかに大きく、そして、それは最後まで解消されませんw
    老夫婦のラストの展開は、まあ何となく予想はしていたものの、その方法には愛情や優しさを感じられません
    ただセンセーショナルに仕立てただけのように感じてしまうのは、きっと、僕だけではないでしょう

    そして…最後まで、何を言いたいのかも、よく分かりませんw
    いったい、この映画には、どんなメッセージが込められていたのか…

    もしアンチ原発を啓蒙する意図があるのであれば、商業映画として公開するという形態自体、間違ってる気がしますし
    だって…この映画を自ら進んで観ようって人は、その程度の事、とっくに考えてるでしょw

    とりあえず、キャスティングが良い事だけが救いですね
    この作品には3組の男女が登場しますが、特に老夫婦役の夏八木勲と大谷直子は良い味を出しています
    大谷直子などは、アカデミー賞にノミネートされたエマニュエル・リヴァに匹敵する名演技じゃないでしょうかw

    まあ、キャスティングが良く、最後まで飽きずに観られた事を評価して☆3つにしておきます
    でも、今は3.11関連の映画が、メジャーでもインディーズでも大量生産されていますので、特にこの作品を観ないといけない理由も思い付きません
    残念評価を付けている方のレビューにもありますが、この作品には、ドキュメンタリーを超える何かがあるのでしょうか?

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  • どすん

    5
    2013/2/3

    原発問題を正面からとらえた映画です。

    見終わった後にこのタイトルの名前のことを連想できるけど・・・
    ちょっと、行き場のない悲しみの映画です。

    3.11の大震災でそこから強制退去となりバラバラとなってしまった家族の映画です。

    昔ながらの土地、人付き合い・・・それを断ち切ってまでバラバラになってしまったあの事件。
    そんなどんなことがどんなふうに起きていったかを酪農を営む一家の目線で語られていきます。

    映画って後世に残すべき映画、人に語り伝えられる価値ある映画ってのがあると思います。
    その理由として、文学作品だから、ミュージカルとして・・・
    って理由は様々だと思います。
    この映画のもつ価値も言わずもがな、それだけ広くの人に見られる映画だと思います。

    福島で原発事故が起こった数年後、舞台は長島県大桑町。
    原発の町。

    そこで酪農農家を営む小野一家。
    父、泰彦、母、智恵子、息子の洋一とその妻いずみと暮らしていた。
    そんなある日、長島県沖で地震が起こる。

    泰彦は原発のことを気遣う。
    ラジオ、町内放送に耳を傾けるがそんな連絡もない。
    大丈夫だったんだ・・・と自身に思い込ませる。

    翌朝起きてみると政府の車が自分の家の庭に。
    原発が爆発し自身の家の庭がちょうど20km境界値でそれよりも内側にある世帯の避難が命じられる。
    自分の家の向かいにある鈴木家は家を追われるように退去させられる。
    その向かい側の小野家は強いられない。
    不安になりいずみ。

    泰彦はこれからのことを考えて洋一といずみにここから離れるように伝える。
    妊娠が分かったいずみは放射線対策に周囲から異様にみられるようになる。

    一方鈴木家は息子ミツルの彼女ヨーコが鈴木家に遊びに来ているときに被災したため家族探しを日課としていた。ヨーコの実家は港付近であったため津波での被害で消息不明になっていた。
    しかし、その場所も、小野家も原発の制御ができずに避難地域にされようとしていた。

    映画がよい、悪いというよりも
    この映画の伝えたいことを受け取る・・・
    そんな映画です。

    見終わった後に、行き場がないけど、
    そんな状況が現実として存在し
    いっぽ、いっぽ前を向いてあるく・・・
    そんな想いの映画です。

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    ネタバレあり
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  • ミチさん

    4
    2013/1/3

    のっけから「長島県」という表現が出て来て、ああ、福島とは違うんだと思わせるところがミソ。実はこの物語の設定は、日本の近未来にあって、福島を体験しながらその経験を生かせない、現在の日本を皮肉ったもの。原発のあるところなら、どこでも起こりうる問題です。
    福島と同じ問題が起きたものだから、福島ではどうだったのか、と経験者に聞く、ここにこの物語の鍵があります。こうやって、ドキュメンタリーとドラマを結びつけたということが分かります。優れた技法です。
    単に福島のときをそのまま再現しても、それはそれで、良かったとは思いますが、あなたの町でも起こりうることですよ、という監督のメッセージが伝わります。
    今回の民主党の政権交代は、「3.11」の対応のマズサもあったとは思いますが、政権内部では首都圏3,000万人を避難させる案もあったと聞きます。本当にそうした方が良かったのでしょうか。全く分かりません。とにかく首都圏3,000万人が背負った大きな宿痾(しゅくあ)と共に、我々は今後生きていかなければならないのです。

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