西部開拓史|MOVIE WALKER PRESS
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西部開拓史

1962年11月29日公開,162分
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1830年から80年代に至る50年間に、ある開拓一家が3代にわたって経験した西部開拓の物語でシネラマ劇映画第1作である。ライフ誌に連載された絵物語にヒントを得たジェームズ・R・ウェッブが195冊の歴史書をもとに脚本を書いた。監督は第1、第2、第5話が「アラスカ魂(1960)」のヘンリー・ハサウェイ、第3話が「リバティ・バランスを射った男」のジョン・フォード、第4話を「嬉し泣き」のジョージ・マーシャルが担当。出演は「太陽にかける橋」のキャロル・ベイカー、「ママは二挺拳銃」のデビー・レイノルズ、「ロープ」のジェームズ・スチュアート、「恐怖の岬」のグレゴリー・ペック、「ハタリ!」のジョン・ウェイン、「ティファニーで朝食を」のジョージ・ペパード、「フロッグメン」のリチャード・ウィドマーク、「怒りの葡萄」のヘンリー・フォンダ、「終身犯」のカール・マルデン、同じくセルマ・リッターなど。撮影は「黙示録の四騎士(1961)」のミルトン・クラスナー、「硫黄島の英雄」のジョセフ・ラシェル、「ブルー・ハワイ」のチャールズ・ラング、「九月になれば」のウィリアム・ダニエルスの4人が担当。音楽は「偽の売国奴」のアルフレッド・ニューマンである。「エルマー・ガントリー 魅せられた男」のバーナード・スミスが製作した。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

第1話 1830年代の終わり頃、アメリカ東部の人々は、オハイオ川流域の肥沃な土地の開拓に乗り出そうとしていた。ニューイングランドの農民ゼブロン・プレスコット(カール・マルデン)も妻レベッカ(アグネス・ムーアヘッド)、長女イーブ(キャロル・ベイカー)、次女リリス(デビー・レイノルズ)、それに2人の息子の一家を連れてイリー運河を通過し、オハイオ川にいかだを組んで未開の荒野に踏みこんだ。一家が川岸にキャンプを張ったある夜、鹿皮服を着た毛皮売りのライナス(ジェームズ・スチュアート)がカヌーで近づき、プレスコット一家と夕食を供にして西部の事情を話した。野性的で親しみやすい彼をイーブは一目で恋した。翌朝ライナスが既に立ち去ったのを知っても彼女の心は変わらなかった。一家が下流に向かう間、ライナスは上流に行き、川岸の天幕の店を見つけたが、ホーキンズ大佐と名のる主人は実は河賊で、ライナスも欺されて荷物をとられ、ナイフで刺された。しかし丸太にまたがって川を下ったライナスは、プレスコット家を襲おうとしていた河賊たちを、開拓民と力を合わせてやっつけた。一家がいかだで急流を下る時、激流は両親を呑んだ。両親の亡くなった土地に農園を建てようというイーブに、ライナスは開拓生活を誓った。しかし、蒸気船の汽笛は、リリスを新しい町セントルイスに誘った。 第2話 10年後、リリスはセントルイスのキャバレーの歌手だった。常連の中に賭博師クリーブ・バン・ベイレン(グレゴリー・ペック)がいた。ある日、リリスはほとんど忘れていたパトロンの金鉱相続人になったことを知らされた。これを盗み聞いたベイレンは金鉱を自分のものにしようと計画した。彼女の乗った幌馬車隊が西へ出発して間もなくベイレンが馬で現れた。彼女を愛する隊長モーガンは素性を見抜いたが護衛として雇った。インディアンの急襲でベイレンが傷ついた時、リリスは我を忘れて彼を抱きしめた。ところが金鉱がすっかり掘り尽くされて何の価値もなくなったのを知ったベイレンは、彼女を捨てて元の賭博生活に入った。しかし川蒸気船のサロンで、キャンプショウの歌手になっていたリリスの声を聞いたベイレンは、勝っていたカードを捨てて彼女に近づいた。改めて愛を誓い合った2人は新しい都市サンフランシスコで運を試してみようと決心した。 第3話 南北戦争が始まった。ライナスとの間に息子2人をもうけたイーブの一家にも戦火は及び、ライナスは最初の志願兵として戦場にあった。長男ゼブ(ジョージ・ペパード)も母親の反対を押し切って志願し、銃火の中で父の死を知った。気を落とした彼は戦争の意味を行き会った南軍の脱走兵と話し合い、自分も逃走しようと考えた。2人の傍にシャーマン将軍(ジョン・ウェイン)とグラント将軍がいるのに気づいた南軍兵は引き金を引こうとしたが、ゼブはとっさに銃剣で南軍兵を刺殺した。悲劇的な戦争は終わった。父の後を追うように母も死んだ。ゼブは農場を弟に譲り、自分は騎兵隊にとどまる決心をした。 第4話 1860年代の終り頃、ユニオン・パシフィック鉄道の大陸横断工事をインディアンの襲撃から守る騎兵隊を指揮するのは、中尉となったゼブである。建設所長のマイク(リチャード・ウィドマーク)は新しいタイプの鉄道第一主義者で長年インディアンと生活を共にした野牛狩りの男ジェスロ(ヘンリー・フォンダ)に反対して最短距離をとるために、インディアンの食糧供給路を通るのを主張した。ゼブは間に入って一時的な条約を結んだがマイクは鉄道で狩人を送りこみインディアンの食料を乱獲したので遂にインディアンは怒り、野牛の大群を放った。彼らを欺すのに一役買ったことに気づいたゼブは退役して、さらに西へと向かった。 第5話 1880年代の終わり頃、未亡人となったリリスは借金のため豪華な邸を売ってアリゾナ州に移住した。保安官になった甥のゼブや妻ジュリーたちとの再会を喜ぶ間もなく、ゼブはギャングのチャーリー・ガント(イーライ・ウォラック)の企てた列車襲撃を討伐しに向かった。激しい撃ち合いが続いたが、正義は勝った。法律と秩序が西部にもたらされ、ついに西部はかちとられたのである。

作品データ

原題
How the West was Won
製作年
1962年
製作国
アメリカ
配給
東宝
上映時間
162分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.9
  • 夙の一郎

    5
    2014/1/27

    ビクトリア時代から伝わる美しい民謡ですね。それを替え歌にして開拓者の歌としたところが良い。イギリス移民の心情が溢れる選曲です。う、巧い。サントラを買い込んで繰り返し聴きました。これでデビーレイノルズのファンになってしまった。

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  • 晴耕雨読

    4
    2009/5/22

    620年、メイフラワー号に乗ったイギリス人清教徒たちが、地上に神の国を創造するためにアメリカ大陸に上陸します。映画はそれから一世紀以上の歳月が流れた1830年代から半世紀の1880年代までをプレスコット一家の四世代を軸に描いています。西部開拓史時代の米国社会は土地所有権に依存しており、財産権は長男が相続することが決まっていました。二男や三男以降の人々は東部を捨てて未開地の西部を目指す以外に道はなかったのです。

     そんな家族だったプレスコット一家の父親をカール・マルデンが見事に演じています。頑固一徹ながらも家族へよせる眼差しは優しく、タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がないアメリカンタフガイは彼だからこそのキャスティングです。西部開拓の歴史ドラマを超豪華キャストで描いた映画なので、男性ドラマだと思われるかもしれませんが、私は長女のキャロル・ベーカーと次女のデビー・レイノルズの生涯を追いかけた女性ドラマとして推薦します。

     映画の中核として流れる“草原の家”は冒頭のシーンから、物語の主要部分で歌われ、ラストシーンの四世代目の少女たちと叔母さんになったデビー・レイノルズが合唱するシーンで象徴的に描かれています。オハイオ方面開拓団らが遙かなる西部を目指して、移住の旅に出る冒頭から歌われる“草原の家”こそが、ログハウスを造り、土地を開墾し、人々が集まった状態で協会を造っていったことを物語ります。

     古今東西の未開地に生活する人間は正義漢ばかりではありません。必ずと言っていいほど悪漢も登場します。しかし、リチャード・ウィドマーク扮する鉄道建設現場監督は悪漢ではありません。企業利益を守るためには鬼にもなれる非情な男なのでしょう。ネイティブアメリカンの襲撃で、母親をバッファローの大群に圧死させられた子供の泣き声を評して“泣き声じゃない、新時代の叫び”だと言い切る場面に非情だが有能な管理職を感じさせます。蒸気機関車の先頭部分に立つウィドマークの厳しい表情、まさに彼のためのキャラと言っていいでしょう。

     悪漢は「続・夕陽のガンマン/地獄の決闘」の“THE BAD”を演じた、リー・ヴァン・クリーフと“THE UGLY”を演じた、イーライ・ウォーラック、ですね。西部劇ファンならば思わず苦笑する未来に向けてのキャスティングの妙です。

     激流、悪漢たちと家族全員で戦い、ネイティブアメリカンたちとも戦わざるをえない。遙かなる西部に夢を抱いて夢を追い続けた家族たちは“如何にして西部を勝ち得たか”の原題の通りに壮絶な生き様を語り、邦題の「西部開拓史」なのです。

     この映画を初めて鑑賞したのは大学一年生のリバイバル公開の時でした。新宿プラザ劇場で“ディメンション150”方式という大画面の迫力に圧倒されました。その後30代、40代、ではビデオ鑑賞を経て50代になった今、再び鑑賞すると、山男で自然と共生しているジェスロー役のヘンリー・フォンダが、ライナス役のジェームズ・スチュアートと旧来の友人だと語るシーンは大感涙モノです。ナレーションはスペンサー・トレーシーであることも付け加えておきます。

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