だいじょうぶ3組|MOVIE WALKER PRESS
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だいじょうぶ3組

2013年3月23日公開,118分
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スポーツライターとして活躍する乙武洋匡が、小学校教師時代の体験を基につづった同名小説を、乙武&TOKIOの国分太一主演で映画化したヒューマン・ドラマ。生まれつき手足のない教師・赤尾と幼なじみで補助教員の白石が個性豊かな28人の生徒たちと真正面からぶつかっていく。監督は『軽蔑』など人間ドラマに定評のある廣木隆一。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

東京郊外にある松浦西小学校。その5年3組の生徒たちの視線がひとつに集まる。新しく担任になった赤尾は手と足のない先生だった。幼なじみで小学校時代からの親友・白石が補助教員としてつく事で、赤尾は特例として教員になる事を許された。2人は自分にしかできない授業を子供たちに受けさせたいという思いで子供たちとぶつかっていく。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2013年
製作国
日本
配給
東宝
上映時間
118分

[c]2013「だいじょうぶ3組」製作委員会 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.5
  • ひゃん

    4
    2013/4/4

    予告を見て何度も思ったのが、乙武さんに
    「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」なんて言われたら、
    この世に大丈夫じゃないことなんて何もないだろうって。
    どうやら今の小学生たちには、
    だいじょうぶ、じゃないことが多いみたいなんだけど。
    自分を肯定する前向きな生き方が何よりも素晴らしい。
    ひとえに彼を育てたご両親や、学校の先生(語られるけど)
    周囲の温かい愛情があってこその人格形成だと思われる。
    確かに手足はないものの、彼にとってはそれを上回る
    多彩な挑戦が満ち溢れており、それを楽しむ余裕がある。
    手足に問題なく動き回れる私達の方が、
    よっぽど彼より行動に至っていないのが情けなくなる。
    が、今作のテーマはそこを比べることではないようだ(ホッ)

    原作は読んでいないが、実際に自ら3年間の教師体験を
    小説にしており、俳優を使わずに自分自身で演じている。
    監督のたっての希望だったので、快く引き受けたそうだ。
    あくまで主人公は原作とは違い、補助教員の白石(国分)に
    なっているが、どうしても彼を見守る立場の白石が脇役に
    映ってしまうため(演技も控えめ)、何かと違和感が残る。
    なぜ赤尾先生が主役で、だいじょうぶじゃないのだろう?
    あまりだいじょうぶじゃない構成の方が心配になってくる。
    …大きなお世話でしたか。

    子供たちが初めて赤尾先生に出逢い、興味津々で彼に
    近づいてマネをしてみたり、質問攻めにするあたりなどは
    とても面白い。素直に興味を示す子供たちに悪意は存在せず
    その辺り穿った観方をする大人たちの方が悪意に満ちている。
    珍しい物体(変な言い方でゴメンなさいね)を前にしたら、誰でも
    近づいて触れてみたくなるものだし、彼もそれを楽しんでいる。
    赤尾先生に気負いはなく、むしろ当たり前のことを言っているに
    過ぎないのだが、今の学校ではそういう当たり前のことを
    言ったりやったりしたなら、ああやっていちいち職員室で
    やり込められてしまうのか…^^;なんと可哀想な熱血教師たち。
    私が子供の頃もあんな風に、
    うちのクラスだけドッジボール大会、お楽しみ会、なんていう
    試みをよく先生が行っていたのだが、あれもあのあと職員室で
    恐怖!先生つるしあげの儀式!が行われていたんだろうか…。
    あぁバカバカしい。だったら全校一丸でお花見しろってんだよ。

    姉がダウン症のため、そのことで精神不安定になった生徒が
    自宅で姉の焼いたクッキーを「一番美味しい」と食べるシーン。
    実際にダウン症の姉役の女の子に「お姉ちゃんのせい?」という
    台詞を言わせていた。生徒と一緒に私にも涙が溢れてしまった。
    なんて妹想いの優しいお姉さんなんだろう、と嬉しくなった。
    応えるように妹である生徒も、クラスの皆に胸内を晒し謝る。
    実は私の周囲にも、障害を持ったお子さんがいるのだけれど、
    彼らを見守る家族はみんなで協力し合っており仲が良い。
    障害を持つ兄弟姉妹がいる子供たちは、ちょうど思春期の頃、
    親に反発したり引きこもったりする子もいたけど、ある程度
    時間が経つと、また元の優しい子に戻っていた。父母の愛情が
    手のかかる兄弟姉妹に向けられてしまうことへの反発だったり、
    そこは普通の子供たちが抱える問題とさして変わらなかった。
    赤尾先生が訴えたかったのは、そういうことじゃないだろうか。
    自分を肯定的に受け容れることで、人生は楽しいものになる。
    みんなそれぞれ違っていいのだし、出来ることも出来ないことも
    あるところが人間、協力し合って乗り越えていけばいい。
    決して一人で悩んで自分を追い込まないように、辛いことには
    応援することしかできなくても、それを見守っている人がいる。
    大切に誰かを想う気持ちは、自分を大切にすることにも繋がる。

    赤尾先生が生徒に受け容れられたのは、臆することなく
    彼らの中に自分を放り込んだことで、彼らの真意に近づけた上、
    問題点は自分たちで考えるという自主性を育てることができた。
    是非を促す前に、先生は子供たちを見守ってあげてほしいよね。
    ちゃんと成長していけるから、だいじょうぶ。だいじょうぶ。

    (落語家にもなりたいんだって。スゴイ夢持ってわね、乙武さんて)

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    ネタバレあり
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  • ともむ~ん

    5
    2013/4/3

    初めは赤尾先生とも距離があった生徒たち。しかし、赤尾先生と触れあっていくうちに、徐々に信頼関係が出来上がってゆく…。
    赤尾先生(乙武さん)が行う、心にグッとくる授業。何より生徒たちの瑞々しく堂々とした表情。ぜひ一人でも多くの人に観ていただきたいですね。

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  • まこと

    4
    2013/4/2

    思ったよりも完成度高いです
    監督は『きいろいゾウ』の廣木隆一…なるほど、この人は、叙情的な表現に長けてますねえ
    特に、夏休みを表現しているのであろう、誰もいない学校を撮ったシークェンスなどは、なかなか良い雰囲気を出しています

    そして、音楽は世武裕子
    初めて聞きましたが…世界観がうまくマッチしていて、とても良いと思います

    しかし…何でエンディングはTOKIOなんでしょ?
    TVドラマ同様、ジャニタレ主演の映画は、ジャニーズの楽曲使わないといけないルールでもあるんでしょうかw

    ストーリーはテンポ良く、軽快に進みます
    小学生は小学生なりに悩みを抱えていたりしますが、特に重苦しさは感じません
    この監督、子どもを魅力的に撮りますねえ
    小学校を舞台にした映画やドラマは数多くありますが、その中でも、この作品は特に秀逸だと思います
    運動会や遠足など、子どもたちが活き活きと描かれていて、それを見てるだけでも楽しくなりますw

    惜しむらくは、メッセージがやや子ども向けかな…という所ですね
    春休み映画だし、小学生とかをターゲットにしてるんでしょうか
    原作もそうなのか…ちょっと気になる所です

    特に道徳の授業
    もし、大人向けに作っているのであれば、もう少しキレイ事を超えて突っ込んで欲しい所です
    今はダウン症の可能性がある子どもは生むか生まないか…みたいな選択肢も提示される時代ですから、社会的な弱者とかマイノリティの存在に対して、もっと切り込む視点が欲しかったな…と
    個人的には『鈴木先生』ばりにシビアな議論があると良かったと思いますが、小学校が舞台じゃ、さすがに無理がありますかねw

    でも、それならそれで、小学生なりの自然な感覚…異質な存在を忌み嫌うような率直な感じを出しても良かったんじゃないでしょうか
    ちょっと子どもたちが、あまりに良い子すぎるような…もっと生理的な部分で「障害者は気持ち悪い!」とか言っちゃう子がいる方が、リアルな気がするんですけど

    道徳という授業自体、日本人の高いモラルを維持するのに大きな役割がある一方で、考え方を強制し画一化してしまう側面がありますよね
    ハンディキャップを個性として捉える視点は必要だとしても、外見的に明らかに他人と違う乙武のような障害者と、そうでない者とを並列に考える事はできないでしょう
    実際、赤尾先生にだって、介助者としての白石がいなければ、教師という仕事どころか日常生活にも不便がある訳で、これを少し他人と違うだけの個性と考えるのには、やはり無理があります
    実際に、どのように共生すべきなのか…乙武原作の映画化で、自らが出演するのであれば、そういう現実に即した回答、具体策を提示して欲しかったなあ…と個人的には思います

    あと、これは好みの問題ですが…ラストでもう1つ山があると良かったなあ…という気もします
    そこまでのストーリーの構築が見事なので、最後にもっと大きなカタルシスがあったら、もっと泣けたかなあ…と

    まあ、そういう不満はあるにしても、赤尾慎之介という人物は、乙武でなければ演じる事はできない役柄ですからね
    これからも、もっとこういう活動を積極的にしても良いんじゃないでしょうか
    それこそ、これ以上無い個性派俳優ですからw
    この映画でも、朴訥として素人臭さはありますが、演技は悪く無いと思います
    世間ではアンチも多く、批判の種には事欠かない乙武さんですが、これからも彼にしかできない活躍に期待したいですねw

    あと、児童の1人にダウン症の姉がいるのですが…どう見ても本物の表情
    調べたら、神子彩という、再現ドラマなどで活動している、現実にダウン症の女優さんだそうです
    乙武を中心に添えるだけでも、商業映画としては結構冒険だと思いますが、さらにこのキャスティング…なかなか攻めてますねえw
    障害者やマイノリティとの共生というのは、社会全体で考えるべき問題ですから、こういう先駆的な事例は、もっと評価されるべきだと思います

    個人的な総合評価は、子どもが観るなら☆5、大人なら☆4って所です

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