哀しき獣|MOVIE WALKER PRESS
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哀しき獣

2012年1月7日公開,140分
R15+
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過酷な運命に翻弄されながら、妻との再会のために孤軍奮闘する男の姿を描くクライム・サスペンス。監督は、「チェイサー」のナ・ホンジン。出演は、「国家代表!?」のハ・ジョンウ、「チョン・ウチ 時空道士」のキム・ユンソク、「フライ・ダディ」のチョ・ソンハ。第64回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品作品。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

中国、延辺朝鮮族自治州・延吉で妻と娘と暮らすタクシー運転手グナム(ハ・ジョンウ)は生活が苦しく、娘はグナムの母に預け、妻は韓国へ出稼ぎに行く。しかし妻からの送金はなく、音信も途絶える。妻の入国資金として作った6万元の借金を返すため、グナムは高いレートの麻雀に手を出し、負けてしまう。返済を迫られたグナムは、請負殺人ブローカーのミョン(キム・ユンソク)との取引に応じる。それは借金帳消しの代わりに、韓国へ行き1人殺すというものだった。グナムは密航船で韓国に渡る。ブローカーから中国へ帰る船便の日付、場所を言い渡されたグナムは、標的である体育大学教授キム・スンヒョンのいるソウルへ向かう。グナムは暗殺の準備を進めながら、妻の行方を捜す。妻が水産物流通業者と交際している情報を聞きつけ、彼女のアパートを突き止めるが、男と争って2人で出て行った後だった。グナムがスンヒョンを殺そうとすると、同じくスンヒョンの命を狙っていたバス会社社長キム・テウォン(チョ・ソンハ)の部下によってスンヒョンは殺されてしまう。グナムはミョンに厳命されていた通り、殺しの証拠として死体の親指を切り落とし立ち去ろうとするが、そこに警察が駆けつける。警察を振り切ったグナムは帰国のためにブローカーから指定された場所に行くが、そこは工事現場だった。警察はグナムを犯人と断定し、捜査を開始する。一方、部下の行動を見られたテウォンもグナムを追う。グナムを雇ったのがミョンだと知ったテウォンは部下を延吉に送り、ミョンの殺害を命じる。しかしテウォンの部下を返り討ちにしたミョンは韓国に行き、高額な報酬を条件にグナムの殺害を請け負う。グナムは朝鮮族の女性が殺された事件を知り、その容疑者が妻の交際相手だと知る。警察に直接行くことのできないグナムは、知り合った男に妻の写真を渡して確認に行かせる。男は判別できないにもかかわらず、死体は写真の人だったとグナムに告げる。絶望したグナムは、事件の黒幕を突き止める決意をする。

作品データ

原題
황해
映倫区分
R15+
製作年
2010年
製作国
韓国
配給
クロックワークス(提供 クロックワークス=ハピネット)
上映時間
140分

[c] 2010 WELLMADE STARM AND POPCORN FILM ALL RIGHTS RESERVED. [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.1
  • ひゃん

    4
    2014/1/13

    地元名画座で観た二本中の一本。
    先に近年の方を観てしまったので、両方に出演していた
    ハ・ジョンウが若返った!?なんて冒頭で思ってしまった。
    最近の彼を観たのは「ベルリンファイル」だった。
    過去作では「チェイサー」が有名だと思うが、今作はその
    ナ・ホンジン監督による二作目。あの時は確かノミだが、
    今回は手斧。あ~やっぱり凄惨なんだよね、小道具が…。

    エラく長い上映時間(140分)に観る前からゲンナリしたが、
    話が面白いので、冒頭は凄惨さより長さより惹き込まれた。
    その分後半でダレて長くなり、追跡逆襲がメインになるため、
    前半で主人公の巻き込まれ具合を楽しんでおいた方がいい。
    しかし借金苦による殺人請負という、まったく楽しくない
    理由からの展開になるので、血みどろシーンの覚悟は必要。

    今作で一番勉強になるのは韓国系中国人(朝鮮族)への差別。
    密入国して生活費を稼ぐしかない彼らへの韓国側の扱いは
    かなり冷たい。出稼ぎに行ったまま戻らない妻を追いかけ、
    その足跡を辿る主人公と彼に課された依頼殺人の真の目的。
    サスペンスでありアクションでありギャング絡みのノワールで
    ある今作は、あまりに内容がテンコ盛りすぎ後半で纏まらない。

    スカッとする復讐を主人公が成功させるのならまだしも、
    元締めがゾンビの如く追いかけてくるのでなかなか終わらない。
    なんかこう…こんがらがって長くなっちゃった感アリ。
    時間も内容もスッキリ終わらせれば評価が上がるだろう作品。

    ラストの余韻が原題(黄海)通り素晴らしいのが、やや勿体ない。
    今作でジョンウのファンがきっとまた増えたんだろうなぁ。

    (働けど働けど…の世界。なんて不公平な世の中なんだろうねぇ)

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  • モントーヤ

    5
    2012/1/29

    中国に朝鮮人自治区がありその人々を朝鮮族という存在はこの映画で初めてでしたが、そこに置かれている人たちの社会派映画という見方もできますが、バイオレンスあり、逃走劇あり、ミステリーあり、カーチェイスありの娯楽映画として観る事ができます。刃物や鈍器(しかも骨まで使った)原始的で痛さが伝わるバイオレンス。ビル、車、雪山など多彩なロケーションで主観的で緊迫感がある逃走劇。そしてどうしてこうなったというミステリー。どれもクオリティが高いものでした。特に助演のミョン社長はノーカントリーのシガーを髣髴させる超人的キャラに惹かれました。最後の救いのない後味の悪さ感も私にはOK。エンドロールが始まってすぐに帰ってしまった人が居ましたが最後まで観て下さい。

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  • ma_maru

    5
    2012/1/25

    「チェイサー」で度肝を抜かれて一気に大ファンになり、次回作を楽しみに観た口だった。期待に違わず面白い。何が面白いか。今回良かった点は、話の構造が複雑化していることである。

    前作と比較するなら、「チェイサー」は、シリアルキラーを軸として、追う側と追われる側を交互に配置する一本筋の話だ。「哀しき獣」は、同じ「追跡」の要素があるにしても、話の筋が複数存在する。

    1,貧乏なタクシー運転手が女房のために借金し、首が回らなくなり、悪事に手を染め、警察から追われる話。2,賭博を経営するヤクザがあるツテから殺人を依頼され、実行し、それにより事件が大事になる話。3,実業家を装ったヤクザは、個人的な事情より、殺人を依頼し、実行する話。4,ある殺人事件を追う警察は、報道された犯人を逮捕するため追跡する話。

    この1つ1つの話を追うだけでも面白いのに、この複数の話がどうやって絡み合うのかも興味深い。さらに、追跡劇も激しくあり、お互いが殺しあう場面も血みどろ満載である。

    血が大量に飛び、カーチェイスも激しく、話のプロットも複雑で、最後にどのような結論があるのかも楽しみのひとつ。エンタメ要素がテンコ盛りだが、全体の映像が陰鬱なので、ハッピーな映画にはどうしても見えない。しかし、観るものを強烈に惹きつける映像であることは間違いない。バイオレンスミステリーの決定版。お勧め

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