内山昂輝
ギン
テレビアニメ『夏目友人帳』シリーズも好評な大森貴弘監督が、2002年に発表された同作原作者、緑川ゆきの妖奇譚コミックをアニメ化。触れると消えてしまう人でも妖怪でもない少年と、人間の少女の切なく儚い恋物語を繊細なタッチで描く。声の出演は「機動戦士ガンダムUC」シリーズの内山昂輝、『夢喰いメリー』の佐倉綾音。
※結末の記載を含むものもあります。
夏休みに祖父の家に遊びに来ていた少女、蛍(声:佐倉綾音)は、妖怪たちが住むといわれる“山神の森”へ迷い込んでしまう。途方に暮れて泣き出した蛍の前に現れたのは、狐の面を被った少年ギン(声:内山昂輝)。ギンに助けられた蛍は、毎年夏になるとギンのもとを訪れるようになる。いつしか惹かれあってゆく2人。だがギンは人でも妖怪でもない、人間が触れると消えてしまう不思議な存在だった……。
[c]緑川ゆき・白泉社/「蛍火の杜へ」製作委員会 [c]キネマ旬報社
祖父の家に遊びに行き、森の中で人でもない妖怪でもないギンと出会い、蛍は毎年ギンと会うのを楽しみにしていた。
でも触れると消えてしまうらしく..................。
蛍は成長する中、ギンの成長はとまったまま!!
でも2人の年が近づいたある日、妖怪のお祭りに二人でデートする。
ロマンチック~~~ぅ。
なんか流れが穏やかでゆっくりなせいか、44分と短い映画なのに、そんなに短く感じなかった。
最後はきれいでせつなくって泣けちゃったけど、いい、いい、よかった~~~ぁ。
前情報を一切知らずに通りがかりで観賞しました。原作も知りません。
内容は映画というフィールドには程遠く、TVゲームや漫画風の体裁に近い小イベントの連なりで構成されるタイプの作品。
殴られてはリアクションを繰り返すキャラ劇に場内が盛り上がっていましたが、バラエティー番組でアイドルがお茶の間に笑顔を振りまくような仕草の妙で掴みを取る走りだし。
この時点で「こりゃ場違いなものを選んじゃったなぁ」と少し後悔。
ある種独特の文化とも言える、まずキャラに萌えて下さいという出だしに気分が乗れるか否かでその後の印象が大きく変わると思うのですが…このスタイルを知ってはいても、歳のせいか中々入り込めなかったです。
そういった意味では、きちんと出だしはお約束から入る展開になっていて、それを理解している殆どの観客の掴みはOKといった雰囲気でした。
ちなみにこのキャラ劇が入って44分の作品なので、普通の映画として内容だけを追うともっと短いシンプルな作品です。価格も1000円で観れましたよ。
肝心の本編ですが、常川光太郎のような世界観を期待していたのですが妖怪の森という非現実性を上手く活用したミステリー要素は一切なく、死とか別れとかいったものに恋愛的要素を織り交ぜつつ唐突にあっさりと終わります。
キャラクター先行だと脚本を重視しすぎるのも問題なのでしょうね。あくまで個々のシーンにおける登場人物のやりとりや仕草を楽しむものなんだと思います。
オーソドックスな日本伝統の怪談スタイルに、現代のアニメーションが得意とするキャラクターの機微をさりげなく織り交ぜ、清涼感のある軽やかなテイストに仕上がっています。
夏の印象がうまく表現されているので、ラムネやアイスクリームを片手にちょっと不思議な体験を楽しみたいです。