少年と自転車|MOVIE WALKER PRESS
MENU

少年と自転車

2012年3月31日公開,87分
  • 上映館を探す

第64回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝き、史上初の5作品連続で主要賞受賞という快挙を成し遂げた、ベルギーのダルデンヌ兄弟監督による人間ドラマ。03年に彼らが来日し、施設に預けられた少年が親が迎えにくるのを待ち続けていたという話に着想を得て製作された。シリル少年を演じるのは期待の新鋭トマ・ドレ。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

シリル少年は、いつか自分を児童相談所に預けた父親を見つけ、再び一緒に暮らすことを夢見ていた。美容師のサマンサと出会い、いつしか週末を彼女の家で過ごすようになったシリルは、いつものように自転車で町を走っているときについに父親を発見。ところが、シリルは再び父親に捨てられ、サマンサはそんな彼を愛おしく思うように。

作品データ

原題
Le Gamin au vélo
製作年
2011年
製作国
ベルギー フランス イタリア
配給
ビターズ・エンド(提供 ビターズ・エンド=角川書店=donhyu=WOWOW)
上映時間
87分

[c]christine PLENUS [c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.7
  • たっかん

    4
    2013/9/14

    父を探している少年シリルは、自分の自転車も探していた。父親がシリルを置いて、自転車も売却して出て行ってしまったのだ。
    ある女性(後でわかるが、サマンサという里親)が、同型の自転車を買い戻したところ、少年の物であった。
    しかし、そうしてシリルの元に戻った自転車だが、また盗まれる。この映画で描かれる町では「鍵をかける習慣が無いのか!」と言いたくなる。

    しかし、この時点で、シリルは、挨拶しない、サマンサのいう事を聞かない、というヒネた少年という印象。

    少年はサマンサに「父に会いたい」と言うので、サマンサと一緒に車で父親に会いに行く。
    ようやく会えるが、父から「もう会いに来るな。電話もしない」と言われる。
    気の毒な環境に居る少年であることがわかる。

    そして、また自転車を盗まれる。バカか…、と思ったら、ワルのグループに連れ出されたシリルだった。そして、ワルの部屋に行ってテレビゲームをしながら、優しくされるシリルは「この人のために何かしたい気持ち」になる。
    ここでプレイされるテレビゲームが「バイオハザード」ということで、テレビゲームを一切しない自分は「えっ、『バイオハザード』ってテレビゲームだったの?」という感じ。

    シリルがワルと一緒だったことを知ったサマンサは、「二度と会っちゃだめ。あなたは利用されるだけなの」と言うが、シリルは強盗という犯罪をおかしてしまう。
    バスに乗ってシリルは父親の所に行くが、父親にも盗んだ金は受け取ってもらえず、「だまされた」と知る。
    シリルはサマンサの店(美容院)に戻って、後日、被害者と示談となる。ただ、被害者の父親は謝罪を受け入れるが、その息子は謝罪を受け入れない状況。

    サマンサとシリルが、二人で楽しそうに自転車に乗って、休んでいる時に「今晩、バーベキューする」ことになる。そして、バーベキューの材料を買い出し行った時に、シリルは被害者の息子に追いかけられて自転車倒されて、木に登ったところに石を当てられて、高い木から落ちてしまう。
    ここで、シリルは死んでしまったかと思ったら、フラフラと起き上がって、石を当てて木から落とした息子をせめることなく、立ち去って「終」。

    そして、エンディング曲(ピアノ曲)が流れるやいなや、感動である。
    これだけの内容を、テンポよく見せてくれた上に、少年シリルが最後に見せてくれた『寛容で純粋な気持ち』に大いなる感銘を受ける佳作である。

    続きを読む + 閉じる -
    ネタバレあり
    違反報告
  • まこと

    3
    2013/7/9

    池袋新文芸坐で『オレンジと太陽』と2本立て

    この映画、映画賞などで高い評価を得ているようですが…正直、そこまでかなあ…って気がします
    まあ、映画賞レベルで観れば、割とよくできてるかな…後半の展開は、ちょっと意外性もありますし、玄人受けはするかもしれませんねw

    とりあえず、特筆すべきは…主人公のシリルがクソガキって所ですねw
    父親の方が最悪だし、そういう子どもに育ててしまった事も含めて、責任が大きいのは事実ですが…だからと言って、子どものそういう態度が許されるって訳でもありませんね
    そこら辺の背景が、作中ではまったく描かれていないので、あまり共感もできないのですが…一見ヒューマニティに溢れた作品に見えながら、実は後半のシニカルな展開を見せたい映画なんだろうな…って気がします

    というか、2011年制作って事を考えると…前半で描かれる、シリルの境遇なんかについては、ぶっちゃけ、よくある話って気がします
    それもそのはず、この脚本は、日本の育児放棄にまつわるエピソードに着想を得ているそうです
    なるほど、道理でw
    でも、こういうのって、別に日本だけじゃない…ですよね?え、違うの??

    正直、中盤までの展開は、あまりにクソガキ過ぎて、天罰でも下れば良いのに…と思いつつ観てましたw
    終盤は、ちょっとハラハラしますが…バカガキが孤立したらシニカルで面白いな…と思ってましたが、結局は大雑把なハッピーエンドに落ち着いちゃいますねw

    個人的には、何よりも、サマンサが意味不明です
    彼氏よりも子ども(シリル)を選び、慰謝料の肩代わりまでしてしまう…
    そして、散々、傷付けられながらも、ずっと一緒にいると約束するとか…ちょっと軽率過ぎない?
    もちろん、こういう人生がある事は否定しませんが、血の繋がりがある場合(たとえば甥っ子とか)ですら、その子を引き取って養うという行為には、大きな決断を伴うもの
    なのに、ここでは、そういう葛藤は一切描かれない…さすがに、これは軽すぎますよね
    サマンサの行動に納得できるようなバックボーンでもあれば…まあ、それはそれで、ちょっとウザいか
    観る人によっては、これも「人間らしい温かい行動」って事になるのでしょうし…でも、そういう人には、2ちゃんの家庭板を読んで、現代社会というものを少し学んで欲しいですねw

    そして、ラストがまた…意味不明
    これは一体、何のためのシークェンスだったのでしょう…
    モヤモヤの残るラストはフランス映画っぽいとは言え、いくらなんでも、これは物語として中途半端過ぎませんかね
    あの後どうなったのか、気になるしw

    全体的な作りとしては、思いっ切り良くバサッと切り落としたようなカットが多く、テンポ良く感じます
    まあ、切り過ぎに見えるカットも結構ありますが…僕はこのぐらいの編集の方が好きですねw

    尺も短くスッキリまとまってるし、決して悪い作品ではありませんが…特に評価するほどの作品でもないと思います
    何よりも、サマンサの選択があまりに軽率だし、シリルの性格を考えれば、これでハッピーエンド…ってなる訳もないでしょう
    てか…ラストシーンの続きが気になるってw

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告
  • tak

    4
    2013/1/7

    みたいな邦題付けてんじゃねーよと
    思ったら意外とそのまま訳なのかな

    監督も、俳優も知らないけど
    ガンモに比べると何かが足りない
    ただ近所の悪ガキに取り込まれていく辺りの
    ハラハラというか
    やめとけやめとけみたいな感情はすんなり入ってきた
    周りの人間は里親意外はいたってシンプルで
    扱いにくい子供を腫れぼったく扱う
    大人らしい付き合いを全うするし
    誰もむやみに傷つけようとしない
    里親や孤児の悩みはあまり描かれないが
    そこは無闇に語る必要は無いとの判断だろう
    それゆえ、子供の難しさが私にもひしひしと伝わって来た
    孤児には孤児にしかわからない淋しさがあって、
    残酷なくらいか弱い本人が解決するしかない
    大きくて果てしなく暗い夜の波のような人生の中の
    彼らの始まりのエピソードを
    起承転結をしっかり描いた作品にしている
    この先の事は鑑賞者が好きなように決めればいい

    続きを読む + 閉じる -
    ネタバレあり
    違反報告