わが母の記|MOVIE WALKER PRESS
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わが母の記

2012年4月28日公開,118分
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作家・井上靖が自身と家族との実話をベースにつづった自伝的小説を役所広司主演で映画化した家族ドラマ。幼少期の出来事により母親との間に大きな溝を抱える中年作家と、年老いて記憶もあいまいな母親との関係を中心に、家族の深い絆が描かれる。母親役の樹木希林、主人公の娘役の宮崎あおいなど、実力派の共演が物語を盛りたてる。

予告編・関連動画

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

作家の伊上は幼少期に兄妹の中でただ1人、両親と離れて育てられたことから、母親・八重に捨てられたと思い、以来ずっと距離を置いてきた。だが、父親が亡くなり、長男の伊上は八重と向き合うことに。年を重ね、物忘れの激しくなった母親と過去の出来事で言い争いが絶えないようになるも、八重には決して忘れられないことがあった。

作品データ

映倫区分
G
製作年
2011年
製作国
日本
配給
松竹
上映時間
118分

[c]2012「わが母の記」製作委員会 [c]キネマ旬報社

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映画レビュー

4.0
  • cherry

    2013/7/7

    試写会が当たって母と観に行ってきた。
    母親がだんだん物忘れがひどくなっていく様を観て、隣の母を思った。
    最近、似たような場面があった・・
    母も年齢相応の物忘れは酷くなってきているけれど、いつかあの母親のようになって行くのかと思うと、単純に笑ってはいられなかった。

    樹木希林の演技はさすが!で、大いに笑わせてくれたけれど、どこかせつないんだよね。

    いずれは自分もあぁなるんだろうか・・とか、誰もが老いていくんだけれど。

    映画の中での孫たちは優しくて、母親の面倒を観ていた娘の苦悩もとても理解できて胸が苦しくなった。
    自分だったらどうだろう・・
    母をちゃんと看れるだろうか。
    友達がかつて散々意地悪された姑を今は可愛いと言う。
    動けなくなって嫁である友達を頼りきっている姑を今は可愛いと思うって・・

    私もいつかそう思える日がくるんだろうか。
    可愛いなんて思えなくてもいいからボケないでほしいってのが正直な気持ち。

    老いる・・・悲しいなぁ。

    母はどんな思いで観ただろうか・・

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  • 詠子

    4
    2013/3/14

    役所広司さん演じる伊上洪作(≒故・井上靖)と
    樹木希林さん演じる洪作の母・八重が織りなす母子愛の
    お話ということで、もう「涙」は決定です。
    タオルハンカチ持参で行きました(笑)

    本編は、いきなり初っ端…回想シーンから始まるのですが、
    【設定からしては幾分、若いかな?】と思える、
    ある女優さんが樹木希林さん演じる「八重」の往年役として登場します。

    そのわずかな回想シーンが、
    この映画全編の屋台骨を支えていると言えなくもない気がするんですが、
    セリフもない短いシーンながら、とても良い演技でストーリーを印象付けていました。

    その重要な役どころは八重と同じ「眼」をもつ、
    樹木希林さんの愛娘・内田也哉子さんでした!

    私は最初気づかず、後の回想シーンで気づきました。

    その位、短いコマですが怪物女優樹木希林の演技を大切に繋ぐべく丁寧かつ【強い女性】を演じられています。

    なんかそういった意味では三浦友和・百恵さん夫妻の次男で友和さんと同じ「眼」をもつ、
    三浦 貴大さんが出演されていたり(こちらも良い役者さん♪)

    色んな所で「親と子」を感じさせる映画で。。

    そんなところまで狙ってないかもですけど。。

    で、作品の感想としては、話の縦横がとても上手に、
    そして丁寧に織りなされた作品だと思いました。

    例えば八重にとっては孫となる洪作の三女、
    宮崎あおいサン演じる「琴子」が八重に

    「子どもの頃のお父さんはどんなだったか?」と尋ねた際の
    八重に似つかわない、「八重らしからぬ答え」が後の重要な伏線となっていて、
    その伏線の意味が氷解した時に「ああ、もう一度丁寧に観返したい」って心から思ったり。

    井上靖さんの「しろばんば」などでも有名な通り、
    役所さん演じる「洪作」は母と引き離された少年時代を過ごしていて、
    そのことが母へわだかまりを残しています。

    それ故、痴呆が進んでいく中での母への態度は
    ちょっと意地悪だったり、卑屈だったり、恨みがましかったり…非常に人間的です。

    多感な時代を母と分かれて暮らしたことを、その選択をした母親を作家として大成した後も恨み続ける洪作。

    自分の娘たちに過干渉するのも、それ故じゃないかと思えるほど何度も何度も執拗に「母は自分を捨てた」と言い続けます。

    でも、「信じることも愛なのだ」という事が分かった後の、娘にかける言葉「捨てる訳じゃないからな!」という台詞は秀逸、非常に台本や構成の丁寧さを感じました。

    それにしても樹木希林さんは凄い!

    「痴呆がさせること」という設定とはいえ、すんごい嫌なババァをぬけぬけと演じ、ある時はコミカルにある時は憎々しく、そして落とす所では、サラリと…それでいて本当に重く落とす。。

    凄い女優さんだなぁと改めて思いました。

    正直、前半は結構眠たい緩くタルイ流れです。
    ただ全編を通して映像がすんばらしく美しかったので
    最初は、「叙情的なだけの作品」かと思って「それでもいいかな…」と思った感じで。。

    でも後半から必ずグっときますので、前半は情景メインで楽しんでください。
    映像美はこの映画の重要な横糸になっている気もします。

    GWを実家で過ごす方は公開日にこれを見に行って親への思いを強めてから行くと接し方が変わって来るかもしれません。

    最後になりますが、そしてどうでもいいことですが三國連太郎さん。。。。年を取りましたね。。
    それでも、とても強い存在感を示していらしました。

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  • えこう

    5
    2012/7/5

    老いることはこんなにも美しいものなのか!?
    待望の「わが母の記」が福知山シネマでも公開になりました。
    今いちばん観たかった作品かもね。

    原作は昭和を代表する文豪・井上靖の自伝小説。
    これまでも数々の井上作品が映像化されてきましたが、
    今回も素晴らしい映像がスクリーンに宿りました。

    物語は、幼少時代、激しい雨の中を少年と相対する
    母の固い表情が映し出されます。

    人は誰しも老いは避けては通れません。
    この作品は、母・八重を通して、認知症に侵されゆく姿を
    実に切ないほど、リアルに表現されていきます。

    八重役の樹木希林さん、洪作役の役所広司さん
    そして、琴子役の宮崎あおいさんを始め配役陣の演技は
    さすがでした。

    御年89歳におなりの三國連太郎 さんも父役として
    登場されていました。

    何もかも忘れ老いゆく母のまわりには笑顔がいつでも
    絶えなかったです。ストーリーの展開といい、
    原田監督の絶妙な演出に吸い込まれていきます。

    今撮影のため実在の井上邸を使われたという。
    伊豆のわさび田や沼津の海岸といった日本の美しい風景も
    素敵でした。

    クライマックスで「どこのどなたか存じませんが」と
    洪作の背中に背負われるシーンにまたグッとくる。

    樹木希林さんの演技には惚れました。
    「ゴースト もういちど抱きしめたい」で初めて観て以来、
    何度か観てきましたが今回の呆けぶりはまたまた凄かった。
    これからも注目したい役者さんのひとりになりました。

    私の観たこの日は年配の方が多かったですが、若い人にこそ、
    ぜひ観ていただきたい作品です。

    母、危篤の電話を受け最後まで母を看取った妹にねぎらいの言葉を
    かけるシーンには自然と涙を誘う・・・

    劇中「東京ブキゥギ」や懐かしい音楽も聞こえてきます。

    号泣ものの映画ではないかもしれませんが、しんみりと
    泣かせてくれるそんな作品でしょう。
    これぞ邦画の中の邦画といいたいです。

    映画は演じる役者も大事ですが、それをまとめる演出という監督の
    手腕がさらに作品を大きくします。

    〝老いは誰しも行く道、通る道〟
     それを題材にされた意義は大きいです。

    観終わった後は、ほっこりさせてくれ、
     親孝行したくなりますよ。

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