川の底からこんにちは|MOVIE WALKER PRESS
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川の底からこんにちは

2010年5月1日公開,112分
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妥協した生活を送るOLが、実家のしじみ工場を継いだことから人生に立ち向かっていく姿を描く人間ドラマ。監督は、「剥き出しニッポン」の石井裕也。出演は、「愛のむきだし」の満島ひかり、「夢十夜 海賊版 第七夜」の遠藤雅、DVD『THE3名様』の志賀廣太郎。第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門招待作品。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

上京して5年目のOL・木村佐和子(満島ひかり)は、職場の上司・新井健一(遠藤雅)と付き合っている。バツイチで娘・加代子(相原綺羅)がいる健一は頼りないが、いつも男に捨てられてきた佐和子は不満に感じることもない。ある休日、3人は動物園を訪れる。そこで健一は佐和子にプロポーズするが、唐突なことで佐和子は戸惑う。そのとき、佐和子の叔父・信夫(岩松了)から、佐和子の父・忠男(志賀廣太郎)が入院したと電話が入る。一人娘の佐和子は実家のしじみ工場を継ぐよう求められるが、佐和子は決心がつかなかった。しかし健一は会社を辞め、佐和子の故郷で工場を一緒に継ぎたいと言い出す。佐和子は健一と加代子を連れ、実家に帰る。しじみ工場の従業員のおばちゃんたちは、駆け落ちして父を捨てた佐和子を無視する。経理の遠藤(菅間勇)以外やる気を感じられない工場の経営は、悪化の一途をたどっていた。健一は佐和子の幼なじみの友美(鈴木なつみ)と浮気をして、家を出ていく。ある朝、佐和子は工場に乗り込み、おばちゃんたちに胸の内をぶちまける。するとおばちゃんたちも、男で失敗した経験を打ち明け始める。意気投合した佐和子とおばちゃんたちは、工場の経営再建を目指す。佐和子は新しい社歌を作り、毎朝全員で歌うようになる。すると、次第にしじみの売り上げも上がっていく。

作品データ

製作年
2009年
製作国
日本
配給
ユーロスペース=ぴあ
上映時間
112分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.8
  • 矢口渡

    3
    2016/8/28

    前半、佐和子の得体の知れない感に、面倒くさそうな邦画らしさを感じていたが、田舎に帰ってからはテンポもよくなり、面白くなってきた。でも最終笑いを取りに来たのか、生きること訴えてるのかは微妙。
    結局、中の下なら、失敗しようが開き直り頑張ろう、っていうことかな。考え過ぎずに、感じることが重要。社歌のシーンは秀逸。歌詞が出ればよかったのに。
    満島ひかりは、流石の美人系の怪女優。

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  • たっかん

    5
    2016/1/10

    ◆この映画公開時(2010年5月16日)、渋谷ユーロスペースにて鑑賞◆

    何事についても「しょうがない」と言えるヒロイン佐和子が羨ましくなる作品である。自分なんて、家庭で「しょうがない」と言えばカミさんから「どうにかしなくちゃいけないでしょ!」と言われる。ましてや、会社で「しょうがない」などと言おうもんなら「給料貰ってんだろ!」と言われそうで到底言えない。兎角ストレスが溜まる現代社会で「しょうがない」を連発する佐和子が羨ましい。
    しかし佐和子は「しょうがない」を連発してもストレスは溜まっているようで、腸内洗浄クリニックでは「ストレスも吸い取って下さい」と言う場面では笑わせてくれる。

    しかも自分を『しょせん中の下』と言い放つあたりは、自分を冷静かつ客観的に分析できる人間であることの証明であり、これもなかなか言えるセリフではない。日本国民の大多数が自分のことを中流階級だと思っている「一億総中流」と言われる現代ではあるものの、プライドもあって『中の下』まではなかなか言えるものではない。

    ただ、美形女優=満島ひかりに『しょせん中の下』と言われると、観客としては「そんなことないよ」と言いたくなるが、これは本作で彼女の置かれたシチュエーションが確かに不遇なもの(会社環境、男性関係、実家の状況など)であるため物語的に説得力がある。これは脚本の勝利といえよう。

    本作では、都会OLとしてはうまくいかない佐和子が、田舎の父親の病気がキッカケで父親が経営する「しじみ工場」の後継ぎになろうとするが「古株の従業員(おばちゃん達)」にはソッポを向かれた挙句、工場も倒産寸前など窮地に追い込まれた状況となる。すると、ここからの佐和子の開き直りが物凄く、「私なんて、しょせん中の下の女ですから。逆に中の下じゃない人生送ってる人なんて居るんですか?私はもう、頑張るしか無いんですから!」と工場のおばちゃん達に叫んだことが功を奏して、おばちゃん達を味方につける。そして本作で最もインパクトの強い「社歌」を作って、おばちゃん達と一緒に絶唱する。その社歌の歌詞が『上がるよ消費税、来るなら来てみろ大不況、その時ゃ政府を倒すまで』と国を動かすマクロ的勢いだと思えば、『所詮みんな中の下、シジミのパック詰め』という身近なミクロ的な歌詞もあって、そのギャップが観客にインパクトを与える要因であろう。(実際に作詞した)石井裕也監督のセンスの良さが光る場面である。

    ネガティブな物語展開であるために下手をすれば暗い映画になりそうな作品であるが、「フッと観客を笑ませるようなエピソード」が本作には散りばめられているため、観終わってからも観客の心を和ませてくれる作品になっている。そして「自分も頑張ろうかな」と前向きな気持ちにさせてくれる作品である。

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  • あちゃぺ

    1
    2014/9/20

    「まーいいかー」から、「頑張る」に変わる瞬間をみた。
    変わる時は、自分が変わろうとする気持ちが一番大事なんだ。仕事や住所や恋人がいくら変わっても、自分が変わろうとしない限り、結果は同じ。
    自分が変わることで、全てが変わる可能性をこの映画で観た。
    映画的には「う~ん」…。

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