仲代達矢
タダオ
「愛の予感」がロカルノ映画祭で金豹賞(グランプリ)に輝くなど、国際的な評価も高い小林政広監督による人間ドラマ。祖父と孫の姿を通して、生きることを見つめる。
※結末の記載を含むものもあります。
4月の北海道。足を痛めて、18歳の孫娘・春に面倒を見てもらっている元漁師の忠男。ある日、春が仕事を失ってしまったことから、忠男は最後の住まいを求めて、春と共に東北地方へ親類縁者を訪ねる旅に出かけることに。
監督、原作、脚本、アソシエイト・プロデューサー
エグゼクティブプロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
アソシエイト・プロデューサー
製作担当
アシスタントプロデューサー
音楽
撮影監督
照明
美術
録音
編集
助監督
音響効果
装飾
衣装
ヘアメイク
タイトル
制作主任
[c]2010「春との旅」フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション [c]キネマ旬報社
行き場を失った老人と孫娘春の放浪を描いた人間ドラマ。
孫娘には迷惑を掛けたくないが独りでは生きられない老人が長年疎遠となっている兄弟を訪ねて自分を養ってくれと頼むが誰にもそんな余裕はなく、孫娘と共にさすらう。
日本映画の人間ドラマの最もコアな部分がこの作品です。
原作/脚本/監督の小林政広の才能が圧倒的すぎる。これで終わりといわず是非これからも作品を作り続けて欲しいです。
試写でみせて頂きました。
入り口で配られたアンケート用紙
表は、上映前に答えよ!との事。
Q:誰がお目当てですか?
A:「徳永えりちゃん」です。
えりちゃんの出演作は、何作か観ていますが
『フラガール』『彩恋』『うた魂♪』と
その演技が輝いていました。
Q:次の名前(出演者がズラリ)で、あなたがご存知なのは?
A:最後の方以外、全員存じております。
最後の方、監督さんでした。 m(__)m
このキャストは、もう素晴らしい以外ないでしょう・・・
邦画ファンとしては、期待しない方がおかしいです。
厳しい北の海の海岸すれすれに建つバラックから
老人が転げるように出てくる。
それを追って来る孫の春。
追う方が、大きなリュックを背負っています。
やがて、二人の背景が見えてきます。
老人タダオは、都会に出たがっている孫を自由にする為
兄妹の家で厄介になろうとしていたのです。
訪ね歩く兄妹には総て「NO!」を突きつけられます。
兄とはそりが合わず、姉には説教をされ
末弟とは会えず、すぐ下の弟とは取っ組み合い~
タダオは最初から、帰る場所がどこなのか
わかっていたのかも知れません。
甘える相手も目の前にいる春だけだと気付いて
子どものようににダダをこねたりしてしまいます・・・
そして、祖父の兄妹とのやり取りを見ていた春は
自分も肉親である父に会たくなります。
父に思いの丈をぶつけた春もまた
帰る場所はひとつと気付きます。
私の身内にも、老人が増えてきました。
例えば、収入がないなら補助を貰うとか
介護が必要なら申請すれば~が
あの年代の人は踏み切れないみたいです。
きっとタダオもその一人なんでしょう。
春の父への気持ちも、タダオの戸惑いも
その名演技とちょっと暗めの北国の景色
静かな音楽で、胸に迫ってきました。
なのに~~~何でこうなるの?
確かに映画は、ストーリーじゃないと思います。
でも、私はこのラストがどう考えても合わなかった。
ラスト近くになってから、急にみんなが喋り出したのにも
ちょっと違和感がありました。
と、三人で会話してるのに、三人一緒のショットがない
モニターに向かって喋っているのがバレバレのシーンも
ちょっと醒めてしまいました。
揃っての撮影が無理なら、違う工夫をして欲しかったです。