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投稿レビュー(9件)ディファイアンスは星4つ

社会の縮図が見られるコミュニティー (投稿日:2009年6月17日)

 21世紀の今日。金融論を確立して、実質的に世界征服を果たしているユダヤ人は映画界も席巻していますが、シオニズム・プロパガンダが毎年のように繰り返し、繰り返し発表されます。今回も私は無理矢理納得させられてしまったようです。最近、知られざる歴史の真実を、BSジャパンのドギュメンタリーと映画で勉強させて貰っているのですので感謝もしていますが、今回はユダヤ人絶滅計画の中、一介の小市民であるユダヤ人ピエルスキ兄弟が自らもナチに追跡されながら、1200人ものユダヤ人を救ったという埋もれた実話を教えてくれました。

 W・W・Ⅱ終戦のポーランドから100人のユダヤ人の子供たちを脱出させた女性の実話で、「レナ・約束の地を求めて」という佳作がありましたが、ユダヤ人受難劇でパレスチナを目指す話というと、往年の「栄光への脱出」を想起させられ、リーダーが女性で、引率されるのが子供たちというのが斬新でした。解放直後で骨と皮だけに痩せこけて、目だけがギョロついた人間不信の子供たちがリアルでしたが、「ディファイアンス」でのユダヤ人たちはゲットーから脱出してきた筈なのに健康的な体格だったのが違和感を覚えました。

 映画は反ユダヤのポーランドの村人やユダヤ人を庇護する村人が登場しますが、暴力に対抗する暴力の連鎖に諦観を覚える反面、護身のためにピエルスキ兄弟と市井のユダヤ人たちが武装する場面に興奮を覚えました。今まで無抵抗に殺害されるユダヤ人に歯がゆい思いをしてきましたが、「ディファイアンス」では武力を強化することでしか自分たちを守り得ないという考えに感情移入してしまうのです。現実の世界では、欧米列強により、金と力でアラブ人を追い出した土地に作られたイスラエルという国家問題。宗教と民族の確執を理解出来ない日本人だから、一方的な立場のものしか見ないで判断するのは避けたほうがいいのでしょうが、ナチス・ドイツ軍やポーランド警察隊を攻撃するユダヤ人たちを見ながら、暴力に対する暴力の連鎖に諦観を覚えるというより、「殺せ!殺せ!」と内心でユダヤ人を応援している自分自身に気付きました。

 強者ユダヤが弱者であった時代の悲劇を描くことはアンフェアーですが、それは当時弱者であったモデルたちの罪ではありません。ドラマは映画前半の束の間の安息感と後半の躍動感といった構成がしっかりとしていますし、小さなコミュニティーであっても肉体的に強靭な者とインテリの軋轢によって不協和音が奏でられますが、ユンカース急降下爆撃機によるナチス・ドイツ軍の猛攻で一丸となって団結する場面、敵と味方の姿もフェアーに描かれているので好感を持てます。ユダヤ人の中にも血気盛んで闘争心旺盛な人間はいたでしょう。そんなピエルスキ兄弟は最小限度のコミュニティーである自分たち兄弟が生き残ること、そしてポーランド自警団によって殺害された両親の復讐を実行したに過ぎなかったのですが、力強いリーダーを頼ってくる同胞を助けることになるとは彼ら自身も思っていなかったことでしょう。

 兄弟から始まった小さなコミュニティーが1200人の社会を形成すると、僻み根性や優位性の誇示、狭量な人間による自分勝手な振舞いといった社会の縮図も見られます。酷寒、飢餓、軋轢の中でコミュニティーを守るためには、時として冷酷非情にも思える選択を迫られます。最大多数の最大幸福を求めるために必要な決断力を示せるのがリーダーの条件であり、ここぞという場面で決断を呻吟する主人公の弱さもドラマにリアリティーを与えています。トゥヴィアの全員平等の考え方は最大多数の共感を呼び、最大多数によって支持された理由なのです。

 生け捕りになったナチス・ドイツ軍の若い兵隊は二人の子供がいると絶叫しますが、自分たちの子供を絶滅収容所に送られたユダヤ人たちは、捕虜を嬲り殺しにします。私はこのシーンで黒澤明監督の「七人の侍」で野武士を村人全員で撲殺する場面を思い起こしました。侍たちは私刑を一時は止めようとしますが、村人たちの怨念のような心情を斟酌して諦めます。「ディファイアンス」でも、私刑を止めさせようとするインテリ・ユダヤ人もいる中で、トゥヴィアは子供を失った人々の怒りの感情のままに行動させる表情が印象深く残っています。

 やがて日本の外交官、杉原千畝が6000人の命を救ったビザ発行もユダヤ資本によって映画化される日がくるでしょうが、パレスチナ問題では全面的にユダヤ側の言い分を呑めない人間にとってはシオニズムの世界制覇に次第と心境複雑になっていくでしょう。

【飯田橋・ギンレイホール】鑑賞
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投稿:晴耕雨読

評価:4
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歴史的事実とはいえ (投稿日:2009年3月4日)

このような兄弟がいたことは驚きに値する。
しかしながら淡々と戦闘&脱出を描いていた印象しか残らなかったのは、
ダニエル・クレイグに華がないのが原因か?
007でも華やかさがないボンドと映ってしまうから、これに関しては仕方がないのかも。
かといってハリウッド的演出に彩られていたら、作品として失敗に終わってしまっただろう。 »ガイドライン違反報告

投稿:まあくん

評価:3
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サバイバルと銃撃戦 (投稿日:2009年3月4日)


ダニエルが気になったのと、歴史が好きなので見に行きました。

ユダヤ人が大所帯で生き残ったのは知りませんでしたが、その事実以外にこの映画で得た知識というものは特にありませんでした。

映画のできは悪いわけではないのですが、これと言った感動も無く・・。
ナチスと戦って生き延びた・・。ただそれだけ・・。

ナチス×ユダヤというよりも大所帯で生き残るサバイバルの方が印象に残りかつ重点的に描かれていたような気がします。

あの時代が、醸し出す重くて暗い雰囲気は感じました。

リーダーって、やっぱり、その群れの中の一番いい女を手に入れることができるんですね。
平時にはパッとしなくても有事に強い人っていそう・・。

 ・銃撃戦が好きな方
 ・サバイバルが好きな方
 ・組織論に興味のある方
 にお勧めです。 »ガイドライン違反報告

投稿:2006年から映画

評価:3
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良かったんですよ!ほんまに良かったんですよ~。 (投稿日:2009年2月22日)

ユダヤ人は好きでも嫌いでもありまへんが、このご時世、イスラエルはちょっ…。
なもんでこの映画、ひょっとしたら「ユダヤ人は不幸やったんよ」「復讐・抵抗(ディファイアンス)するんじゃぁ~」っちゅうプロパガンダやったら嫌やなぁ~と思うちょりました。
が、そんなことはおまへんでした。
(まぁ、賢い選ばれし民やさかい、そんな反感かうようなことはせぇへんやろうけど…)

ヤクザな三兄弟がリーダーへと成長し、兄弟愛とともに同胞愛をも深めていきよります。
それが見事でおます。

けど、一番残ったんは、ゲットーの長老とトゥヴィアの会談の中での長老の台詞「ユダヤ人を大量に殺害する施設があると言うが、見たのか!?」
そう、近代史が勝者のご都合的に書かれたんとちゃうん?っちゅう不信感で素直になられへんねん。
映画が悪いんやないんやけどねぇ~。 »ガイドライン違反報告

投稿:koni

評価:3
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人がひとであること (投稿日:2009年2月21日)

▼ネタばれ(クリックして読む)

人間が人間らしく生きる、という当り前のことができなくされた環境のなか、人間らしく生きるために、戦う主人公の姿が感動的でした。それも、いかにもヒーローというのではなく、う~ん無理かも、と思いながら弱者を切り捨てられない不器用な、温かい本当の意味でのHUMANがリアルに描かれています。ろくでなしをのさばらせずに撃ち殺した決断力も、生きる上では必須と納得がいきました。

ストーリーは、迫害をさけて森の中でコミュニティーを築いてともに生きていくユダヤ人の姿を描いているという単純なものなのですが、毎朝通勤電車の中、駅の階段を降りるとき、我先にと他人を突き飛ばす人々の多いなか、人を思いやる心って何?というテーマを考えされられました。
衣食足りて礼節を知る、という言葉がありますが、じゃあ衣食が足りなければ礼節がなくてもいいのか????と自分に重く問いかけるきっかけと考える機会をもらえました。

個人的には、あんな男性に守ってもらえたら幸せかな。

上映館が少なくて大変残念です。 »ガイドライン違反報告

投稿:りりたろう

評価:5
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流浪の民 (投稿日:2009年2月15日)

1941年第二次世界大戦下、東欧のベラルーシ共和国。
ナチス・ドイツの占領下となり、44年のロシア返還までユダヤ人の迫害が続く。

【DEFIANCE】=抵抗、という名のついたとおり、この作品は、
迫害をただ享受するしかなかった、というユダヤ人のイメージを覆す。
彼らは戦い、必要な分を奪い、そしてコミュニティを作る。
 
ユダヤ人は当時「ユダの星」というバッチを胸に付けさせられ、
色々な制限を受け、迫害を避け、街から街を流れるように逃げていた。

この作品でも、逃亡と迫害を逃れる姿が描かれているが、
その逃れた先でも、緊迫した中、仲間内での反目、扶助、
そしてそれに止まらず、辛い状況の中でも人間らしさ、を失わなかった、
迫害される側もする側も幸を教授すべき人間である、ということが理解できる。

オスカー・シンドラーが映画になってから以降、当時の偉人達の姿、
杉原千畝などに光が当たり始めたのは、戦後随分経ってからである。
このビエルスキ兄弟についても、実に資料が少ない、
しかも彼ら自身もユダヤ人であることが今までの偉人達とは違うのである。

こういった貴重な史実が、証言者がこの世から居なくなる前に、
映画と云う媒体を通して一つでも多く遺される事を祈るばかりである。 »ガイドライン違反報告

投稿:siorinn

評価:4
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色々な戦い (投稿日:2009年2月15日)

内容は、ユダヤの主人公兄弟がナチに占拠された街から森に逃げ、多くのユダヤの人達と生きる戦いを描いた実話からなる話。



あらためて、ユダヤ人であると言うだけで、執拗な恐ろしい力が蠢いていた時代なんだと痛感します。

そして、それから逃げながら戦い生き残る事を必死におこなう主人公達。
ゴールの形がない、いつ何時襲われるかもしれない中、必死に逃げ生きる集団に人間の生々しいような生き方を観ます。

そして、生きると言うシンプルな答えをとても重い難解なドラマに描いてる感じがあり、第二次世界大戦の悲惨な心理の世界を痛感させてくれ、胸に響きますね。


やはりヒトラーは悪でしかないな。 »ガイドライン違反報告

投稿:しゃっくり

評価:4
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やっぱり勉強しちゃうんですよね。 (投稿日:2009年2月15日)

史実に基づいた映画ってつい、お勉強してしまうんですよね。第二次大戦でユダヤ人で…となると特に。こういう人達がいたんだという事を後世に伝えるは大切だと思うし、意義のある事だとは思うんですけどねぇ。
この作品はエンターテイメントとして面白く出来てると思いますよ。
人間の業がよく出てるとおもいます。
明日、死ぬかもしれないという極限の状況でも人を好きになれるし、楽しみを見いだせることもできる。
一方、殺すほど人を憎むこともできるんですねぇ。復讐っていう感情で。
そんなエピソードを織り交ぜながらたんたんと生き残る事でナチスに抵抗する森の住民となった人達と、戦う事による抵抗を選んだ人達との対比を兄弟の決別と再会に写してみせてくれました。

それにしてもダニエル・クレイグ。スティーブ・マックイーンとダブるんですよね。スクリーンを観ながら「大脱走」をリメイクしてくれないかなぁって、つい思っちゃいました。余談です。 »ガイドライン違反報告

投稿:ヨーヨー

評価:3
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壮絶でドラマティック (投稿日:2009年2月4日)

▼ネタばれ(クリックして読む)

もう一つの『シンドラーのリスト』と言われて居ますが、大きく違う事は、ビエルスキ兄弟は、彼らもまたユダヤ人だということ。

自身も生き延びる事に必死で、家族を奪われた怒りに駆られながら、復讐は、生き延びる事・・と心に命じ、徐々に彼等を頼りに集まる同士を守る為に共同体を作り上げて行く。

彼らは決して特別で無く、同じく悩み、葛藤し、ぶつかり、傷付く。

あれだけの大所帯になれば、起きる諍いも半端じゃない。

それでも理解者が居て、守るべき人が居て、生き延びようとし、投げ出さなかった強さ。そしてそれを吹聴しなかった彼等の潔さ。

臨場感溢れる映像の彼等と共に、こぶしに力が入りました。

上映前、当時ユダヤ人に渡航ビザをを与え、最後の最後まで一人でも多くのユダヤ人を救おうとした日本人外交官が居た事を知りました。
その方の息子さんの話に、また涙しました。
彼もまた、多くを語らなかったそうです。
あまりに多くの事を見、体験すると、そうなのかもしれませんね・・

人として、その時するべきことをしたのだ・・と言う彼らの勇気と行動力に敬意を感じます。

こう言う出来事、避けずに目を背けずに、見詰め、感じて欲しいです。 »ガイドライン違反報告

投稿:

評価:4
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