アンソニー・ウォン
ブレイズ
マカオを舞台に、男たちの友情と死闘をガン・アクション満載で描き上げた犯罪ドラマ。香港の名匠ジョニー・トーの映像美学と俳優陣の粋な魅力が凝縮された快作だ。
※結末の記載を含むものもあります。
裏社会の5人の男たちが再会し、マカオのボスを殺す仕事に取りかかる。ところがその行く手に香港のボスが現れ、メンバーのひとりが死亡。残された4人は放浪のはてに、最後の決戦へとなだれ込んでいく。
ブレイズ
タイ
ウー
ジン
キャット
ファット
キョン
ジェフ
カッチョン
シャン警部
売春婦
チェン軍曹
フェイ
監督、製作
脚本
脚本
製作総指揮
アソシエイト・ディレクター
製作管理
プロダクション・エグゼクティブ
プロダクション・エグゼクティブ
ライン・プロデューサー
プロダクション・スーパーバイザー
プロジェクト・マネージャー
衣装デザイン
美術
撮影監督
アクション監督
アクション監督
編集
音楽
音響デザイン
音響デザイン
視覚効果
字幕
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キネマ旬報12月下旬号でも「エグザイル/絆」の特集が組まれていましたが、私も同様にこの映画にセルジオ・レオーネ監督の「ウェスタン」とサム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」をダブらせました。映画「エグザイル/絆」の舞台は、1999年の中国返還前のマカオであり、東洋でありながら石畳や西洋的建築物が林立する異国情緒溢れる魅惑の都市の閑静な町並みに展開するギャングスターたちの銃撃戦は一種異様であり、幻想的なエッセンスを加味する大きな要因になっています。また、カメラが突然、高所を滑り出すような、スタイリッシュな映像にアドレナリンが全身を駆け巡ります。
映画冒頭のシークエンスはもう完全にレオーネ監督の「ウェスタン」の長いオープニング・シークエンスの世界です。「ウェスタン」での強烈な個性を見せる俳優陣、前屈みでまどろむジャック・イーラム、起立したまま押黙っているウディ・ストロード、苛立ちを治める様に指関節を鳴らすアル・ムロックと比較すると、アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ニック・チョン、ラム・シュの香港映画界の強面俳優たちも迫力と殺気に欠けるのは致し方ないでしょう。しかし狭い室内での三人絡みの決闘には監督の拘りが見られ、装弾数の多いグロッグのオートマチックを装備したアンソニー・ウォンが6発装弾のリボールバーを手にするニック・チョンと同じとなる6発装弾までに弾丸をマガジンから取り出して床に捨てるシークエンスは同じ条件下で闘おうとするスポーツマンシップすら感じさせるのです。勿論、もう一人のフランシス・ンもコルトガバーメントのマガジンから2発を捨てて6発装弾数として三人は正々堂々の接近戦ガンファイトに挑むのですが、これはセルジオ・レオーネ監督の「続・夕陽のガンマン/地獄の決闘」のクリント・イーストウッドとリー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォーラックの三人の決闘と全く同じシチュエーションによる緊張感があり、鮮烈なアクション感覚とユーモラスな遊び心をみせたジョニー・トー監督にすっかり魅了されてしまいました。但し、私の独断と偏見では俳優陣の魅力は「続・夕陽のガンマン/地獄の決闘」には遠く及ばないのです。
映画全編に描かれていると言っても過言ではない銃撃シーンは接近戦による凄絶さと、サム・ペキンパー監督の“死のダンス”を彷彿とさせるスローモーション撮影にカーテンなどの備品を使用したガンファイトをスタイリッシュに見せたカメラワークが新鮮な魅力を放っています。・・・生きて帰れぬ男の修羅場、命散らして花咲かす。その名も高きワイルドバンチ。…これは映画「ワイルドバンチ」公開当時のコピーであり、あまりにも気に入ったので丸暗記したものですが、このコピーのように、この映画の男たちはクライマックスで絶体絶命の修羅場に向かうのです。日本映画ならばマキノ雅弘監督の「昭和残侠伝」シリーズの高倉健と池部良の道行きであり、洋画ならばジョン・スタージェス監督の「OK牧場の決闘」でのバート・ランカスターとカーク・ダグラスのコンビと同じ熱き友情の絆が感じられるストーリーテリングも見事ならば、一時期は主人公のアンソニー・ウォンを狙った女とその子供を救出するために闘う姿勢にも真の侠客道を感じるのです。
ここでの評判が良かったので見に行きました。評判通りとても良かったです。
コメディーの要素もかなりあり、それに加えて男の友情あり、銃撃戦ありで、かなりお得な映画でした。アクションが苦手な方にもお勧めです。
冒頭とラストの銃撃シーンはコンパクトながらインパクトがある名場面でした。
ラストは特に素晴らしい! 鮮やか!そしてお見事!です。
・コメディー映画が好きな方
・銃撃戦が好きな方
・男の友情物が好きな方
にお勧めです。