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投稿レビュー(30件)母べえは星4つ

昭和のお母さん。 (投稿日:2013年5月3日)

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山田洋次が「寅さん」に帰ってきたような気がしました。
やはりこの監督は、庶民の家族劇を上手に描けるヒトです。
吉永小百合を使ったことが成功の要因。かもしれないけど
キャストにもかなり恵まれてましたねぇ。
今回は人選間違えてないな、と^m^
静かで凡庸な生活の賛歌と、愚かな国家讃美や戦争の悲惨さ、
当時の一般庶民が、どんな扱いを受けていたのかも実感できる。

長年、黒澤映画のスクリプターとして活躍してきた野上照代が、
両親への鎮魂を込めて綴った名作「父へのレクイエム」を改題。
彼女は劇中「照べえ」として(子役が可愛い)愛らしさを振り撒き、
母べえ、父べえ、姉の初べえと共に…いや、忘れてはならない
我らが山ちゃん!(浅野忠信・会心の演技)、チャコ姉さんと共に、
暗く辛い戦中時代の中を、かくも明るく笑顔いっぱいに過ごした
家族の軌跡を見事にスクリーンに描き出しています。

母さん、という歌の中にも出てくる夜なべをするお母さん。
昭和の母親像を演じられる女優さんも少なくなりましたね…。
吉永小百合は劇中で30代の母親を演じていますが(!)違和感ゼロ。
見た目にも凄いことだけど(爆)本当に違和感がありませんでした。
山ちゃんがほのかに想いをよせる気持ちも分かる…!^^;だけど
芯は強く決して正義を曲げない。実の父親に勘当されても平気。
こういう強さを醸し出せる女優も、もはや彼女くらいか…^^;
なにしろ「母べえ」ありき。そして陰に日向に彼ら一家を支えた
山ちゃんありき!(鶴瓶も上手かった!)の作品だったのです。。。

出てくるキャラクターがすべて、それぞれに魅力的。
あぁ~いるよねぇ、こういうおじさん。いるよねぇ、おばさん。
そうそう、そうやって遊んだよね。親のいうことは絶対だった。
そりゃ~カステラを食べたいわな。肉だって食べたいさ。
…と、私とは○十年も違う時代のハナシなのに(爆)妙に親近感^^;
唯一我が家と違うのは、父べえを尊敬していたところかな(爆)

物語(特に戦争が色濃くなる後半)の展開は辛いながらも、
一貫して庶民を同目線のカメラで捉える姿勢は、変わらず温かい。
自分が歳をとって初めて「あぁ母親はこの時こんな風だったんだ」
そう感じるようになった私自身、豊かな時代に生きていることを
つい忘れがちになります。でも今作を観て思うのは、やっぱり、
家族っていいな。母べえが守ったものを自分も守らなきゃだよな。
そんな風に素直に思えるから、やはり寅さん映画は永遠なのだ。^m^

(しかしどうして「べえ」なのか。じゃあ八兵衛は?とかいって^^;) »ガイドライン違反報告

投稿:ひゃん

評価:4
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映画「母べえ」 (投稿日:2011年9月29日)

戦時中の話で閉塞感があり、暗い感じがどうしてもしてしまう内容でしたが、佳代を支える役で出てくる山崎徹(浅野忠信)や夏場に遊びに来る変わり者の叔父の仙吉(笑福亭鶴瓶)が、厳しい生活の中でそれぞれ違った持ち味で明るさ与えたりが、厳しさの中にこそ真の優しさなんかが出てくるんだろうなと思わせてくれた作品でした。 »ガイドライン違反報告

投稿:刹那

評価:3
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戦時中の空気を感じる作品 (投稿日:2010年12月2日)

名作。劇場で涙をこぼしました。

本作は反戦を掲げるいわゆる「非国民」の父を持つ家族の物語です。
こうした映画の場合、良識を持つ者たちへスポットライトを当てるがゆえに当時の世相を生々しく実感できないものが多く、それゆえ戦争を知らない世代としては「当時の国民がどれほど熱に浮かされていたのか」「何故日本は迷走し続けたのか」を実感することはできませんでした。

これが母べえでは実にリアルな(だと思う)世相の描き方がなされています。ご近所の会話の生々しさには、だんだんと自分も戦時中の世間の感覚に飲み込まれてゆくような錯覚を味わいました。
そしてこの陶酔感覚こそが良識を持った父べえや母べえがどれだけ異端な存在であったかを逆説的に伝えてくれるのです。

スタッフロール時に音声で語られる父べえが母べえに送った手紙が心を打ちます。
なぜこの映画のタイトルが悲劇の主人公・父べえではなく母べえなのかが分かると同時に、深い愛と強い反戦の意志を感じずにはいられません。

広告では「セッティングが当時を再現していて懐かしい」とのメッセージが載っていたりと年配者向けの売り込み方にも見受けられましたが、ぜひ戦争を知らない世代が積極的に観るべき作品だと思いました。 »ガイドライン違反報告

投稿:k-movie

評価:5
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典型的な戦後反戦映画の語り口に日教組以外は辟易とするでしょう (投稿日:2010年2月1日)

 マスメディア・テレビ朝日と松竹映画が組んだ反戦映画ですが、大東亜戦争に対して一方に偏向した台詞がやたらめったらと多く、典型的な戦後反戦映画の語り口に日教組以外は辟易とするでしょう。大日本婦人会への色眼鏡的描写をして、出演者たちにこれを誹謗中傷させ、体制側を応援する人々の行動を必要以上に愚行として画面に流すさまには嫌悪感すら憶えました。「男はつらいよ」をはじめとする一連の人情喜劇映画での山田洋次監督の手腕には一目起きますが、日本共産党のシンパでもある彼のステレオタイプ的な旧・大日本帝国体制批判には何かしらの意図が感じられました。団塊の世代の山田監督にとって吉永小百合は永遠のマドンナなのでしょうが、60歳代の女優に30歳代を演じさせたことから、脇役の俳優たちに相当の無理が感じられます。息子を徴兵に取られた大滝秀治扮する医師が父親と言うならば息子の年齢はいったい幾つになるのだろう。父親役の中村梅之助や継母になる左時枝のキャスティングの無理はないでしょうか。

 私は団塊の世代の次の世代であり若かりし頃の吉永小百合は好きでした。彼女が主演した「愛と死を見つめて」は自分の意思ではじめて見た映画です。ある文筆家の意見ですが、女優がステップアップしていく段階は四段階あるそうです。それは①可愛い→②綺麗→③凄い→④怖い。怖いは怪談や極道の女を演じているからではありません。「蜘蛛巣城」で山田五十鈴が血がついていないのに何度も何度も血をおとそうとして手を洗うシーンや、「サンダカン八番娼館・望郷」で田中絹代が自分の過去を語ろうと決心したときの表情は正に④怖いの域に達していました。吉永小百合は②綺麗の段階で停まってしまっている女優です。海外ではオードリー・ヘップバーンが最後まで②綺麗の役に拘っていました。私は顔も手も仕草も台詞も動きも60歳の女優がプラトニックラブの対象になるシナリオを受け付けられませんでした。大政翼賛会の下部組織として町内会・部落会・隣組がおかれましたが、都市での町内会の指導者に侵略戦争云々させるのも意図的なアレゴリーを感じます。極論すればエキセントリックな両親に育てられたたがために艱難辛苦を味合わされた姉妹と言えるでしょう。ヘーゲルの書籍を妻に願い出るシーンがありますが、弁証法はマルキシズムで止揚(アウフヘーベン)された訳なので官憲が許す筈がないと思います。

 但し、良いところも散見出来ます。作家・大江健三郎を彷彿とさせる父べえ役の坂東三津五郎の飄々とした演技。飄々とした人間性も教わったのかと思われる教え子役の浅野忠信。子供はあっという間に大きくなるのですが、なかなか大きくならなかった二人の子供役の志田未来、佐藤未来の演技力は名前の通り未来を予感させる名女優ぶりでしたので、かえって主役である吉永小百合の下手さかげんが目立ってしまいました。拝金主義で下品あっても、人生を正直に生きている奈良の伯父さんを演じた笑福亭鶴瓶の名演技と言うより「素」で演じている見事な存在感が作品を救って余りあります。それにしても松竹とテレビ朝日が組んだのに製作費はどこに使用したのでしょう。セットのチープさはNHKの朝の連ドラよりもみすぼらしい学芸会のような張りぼてでした。伯父さんを演じた笑福亭鶴瓶を「おとうと」にして更に若返りをはかる吉永小百合、ここまでやると名女優なのかもしれません。

【テレビ朝日・地上波】鑑賞


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投稿:晴耕雨読

評価:2
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ノスタルジックな映画 (投稿日:2008年6月7日)

この時代に生きていたら自分と重ね合わせたりして深く感じる部分も多かったのかなと、作品のよさを充分には感じられませんでした。志田未来ちゃんの演技がとても光っていました。 »ガイドライン違反報告

投稿:スマイルママ

評価:3
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母べえ (投稿日:2008年4月12日)

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2週間前程観てレビューを書いたのに重くて消えてしまい、書く気が失せてましたが最近書いてないので・・・
カミさんのお母さんからもらったので行ってきました!
ただ、ビールを一杯!のあとなので、不覚にも始まってすぐzzz
スローな展開のおかげでストーリーが繋がって良かった!
最終回だったからネ
第2次世界大戦前後の東京。治安維持法違反で思想犯として囚われの身となってしまった夫の帰りを待つ妻と子。
周りで支える登場人物も家族に思えてしまう人間ドラマ。
吉永小百合さんはキレイで山田洋次監督の意図は理解できるのですが、年齢差がツラかった。
ラストの父べえのナレーションも時代背景から理解するが、家族を支える立場の発言には聞こえなかった。
その文学者のプライドが家族を巻き込んでいる印象でした。 »ガイドライン違反報告

投稿:R246Walker

評価:2
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最後の言葉は戦争を体験した人すべて人が語りかった事かもしれない。 (投稿日:2008年4月5日)

太平洋戦争が始まろうとしていた日本。ただ【平和】を願ってその時代の危うさを、書いただけで逮捕された父を待つ野上一家の悲劇をじっくりと静かに描く。

家族愛の映画のはずなのだがなぜか、悲劇の雰囲気が漂う映画だ。一人また一人と死んでいく。死んでいく人達のシーンがある訳でもないのだが、全体に漂う【死】の匂いはあまりにも悲しい。

しかし、戦時中はこれが普通だったのかもしれない。
いつ空襲が来るかわからない。
身近な人々の【死】の知らせは日常茶飯事だ。
貧しい中、健気に生きるのだが将来は暗い。

同じように静かに戦争を描いた映画は、『紙屋悦子の青春』などたくさんある。しかし、この映画ほど【死】の匂いは漂ってはいない。

たぶんそれは、この映画が率直に戦争で人が死ぬことを語っているからだろう。

最後に何十年も経って語る佳代の語る言葉は、戦争で大事な人を亡くした人々のすべてが語りたい言葉だろう。

この言葉の意味をじっくりと考えてみたい。 »ガイドライン違反報告

投稿:たかぎりおん

評価:5
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これは力作で、ものすごく奥が深いなぁ。 (投稿日:2008年3月1日)

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さすがわ山田洋次監督と思いました。
色づかい・ストーリーが、過去の日本映画の流れの延長にある力作でした。

子どもの頃から、親からよく聞いていた戦争の話し。
空襲・原爆(ピカ)・終戦の放送・学校等々。
父親・母親の話からは、敵国鬼畜米英の人の姿が見えず、戦争の流れに乗り煽動する人・万歳して見送る親類縁者・反対する人・怪我をした人等々の国民の事ばかり。
その戦争の混乱期を、庶民の目からこの作品は再現して伝えている。
当時の混乱を静かに描きながら、作品のメッセージは「今は希薄になった人々の支え」について深く考えさせられる。
貧乏=不幸では(たぶん)無いですね。
逆に、幸福=何なのでしょう。

主演の母べえには吉永小百合。五月に海で泳ぐシーン等役者魂スゲェえっす。
父べえに坂東三津五郎。自分を貫いて…冬に合掌。
二人の子役も見事で、姉の初べえに志田未来、妹の(お腹空いたー)照べえに佐藤未来。
この家族の心の支えの人々に、浅野忠信・檀れいが好演していた。
中村梅之助(父親)や笹野高史(憎まれ刑事)・でんでん等の演技達者が作品に温かみを加えていた。
笑福亭鶴瓶は、吉野のおっちゃん役でしたが、やっぱり鶴瓶でしたね。
国家(支配する者)の顔がでず、市民達が自分達の手で雁字搦めに縛られて行き、やがて戦前の動乱・戦争に突入。
この悲劇は現在でも起こりえますねぇ。充分に。

鑑賞の翌日に、ふと思ったのですが、この家族の敵は「誰」なのでしょうか。
ナゼそんな疑問を持ったかと言うと、物語が父の死の後、残った家族が迎える過酷な運命が飛ばされているのですよね。
そう東京大空襲と終戦ですね。疎開もあったかもねー。
日本の戦闘機は出撃シーンがあるのに、外国からの攻撃が描かれていない。
それが描かれていないので、「何故」と疑問を持ったのですよ。
この家族の敵は、鬼畜米英だったのでしょうか。それとも日本だったのでしょうか。
深読みかもしれませんが、昭和とは国とは人とは、そして家族とはと考えさせられました。
久々にレベルの高い映画を見たなぁと思いますね。 »ガイドライン違反報告

投稿:おじゃもんくん

評価:4
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昭和への憧れ (投稿日:2008年2月24日)

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自由な思想が許されない、自由な表現は思想犯とみなされる、そんな時代に生きた家族の話。

貧しい時代に父親を思想犯として捕らえられ、苦しい生活を余儀なくされてもなお、父を信じ、家族を守った、そんな母べえの物語。

昔の女性はこんなにも健気でそれでいて強かったのか!?と思い知らされる。
昭和なんて1,2年しか経験してないが、戦時中、戦後の日本には、人情があふれ、家族の強い絆があったのだと昭和を題材にした映画を観るたびに思い、うらやましく感じる。
俳優はみな適材適所といった印象。
吉永小百合さんはぴったりの役だと思うがすこしくどい演技に感じた。 »ガイドライン違反報告

投稿:黒光りピータン

評価:4
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母の強さと、家庭に男が必要であること (投稿日:2008年2月18日)

思想が自由でなかった時代、
主義を貫いた女性がいたことの頼もしさ。

私は山田洋次監督作品が好きだ。なので総じて評価は高くなってしまう。でも本作品は日本人として観ておくべき作品だ。戦争を知らない世代は観ておくべき作品。戦争を知っている世代から我々はもっと学ぶべき。
そう、本作品は勿論反戦映画なのだが、戦闘シーンが表現されない(唯一、山ちゃんのシーンがあるが)。私が学ぶというのは、直接的な戦争の話を聞きたいのでなく、男が不在の家庭を守った女性たちの話をもっと聞きたいということ。本作品のように夫がいない家庭を支え、今日の日本を築いた当時の子供たちを立派に育て上げた女性たちにスポットライトを当てたことにこの作品の奥深さがあり、評価に値する。
実はいつもの山田監督流「寅さん的」愉快な食卓のシーンを期待していたが、やはりあの時代を描くとなると、笑いは少々抑え気味。
しかし例え母親でも娘の膝の上で泣く場面があるが、そこに共感した。娘を支える母親が娘に支えられているということなのだ。
戦争という非日常のなかでも日常の象徴である家族。「家庭に男の人が必要だ」ということは永久不変であり、家族を持つ全ての者が自覚するための台詞だったと感じた。

ラストのエピソードは少々蛇足のように感じた。しかし最後に再び家族が集まるということで、家族の絆が永遠であることを表現したのだろう。 »ガイドライン違反報告

投稿:チャーリー

評価:5
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