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投稿レビュー(9件)サラエボの花は星4つ

母娘の絆 (投稿日:2009年9月4日)

母親だけに育てられ物心もついてきた少女、当然ながら父親について色々知りたくなるのは自然の流れ、いつかは事実を伝えなければなりませんが・・・。似てるのは髪の色だけといつか聞かされてた娘は真実を知って、その髪を一気に丸刈り・・・。でもそこは実の親子、修学旅行の見送りの際バスの後部座席から娘の手を挙げる姿に思わずホッとして手を振る母親。心にジーンと来る、いい映画です。
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投稿:okara

評価:4
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人は未来に向かって歩いて行かなければならない (投稿日:2009年5月24日)

 「サラエボの花」の主人公エスマは生まれたばかりの赤ん坊を見て、私自身が思ったことを体験します。それは、『これほど美しいものが世の中にあるのか』と思うのです。エスマも私も私の妻も、とても幸福な瞬間でした。しかし、エスマにとってはそれはおぞましい体験の末に身籠った命だったのです。ユーゴスラビア分裂の中で始まったボスニア紛争は死者20万人、難民200万人を生みました。内戦による犠牲者の多さに加え、セルビア系勢力の蛮行は決して忘れてはなりません。彼らは敵対民族に自分たちの子供を産ませるために集団レイプを行いました。

 映画の舞台はボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。12歳の娘サラと暮らすエスマは生活のためにナイトクラブで働くことになります。仕事場では過去のトラウマに触れる出来事が発生し、多感な時期にあるサラとの衝突も次第に増えていきます。母娘が愛情で結ばれながらも、緊張をはらんだ関係にあることが画面のいたるところから伝わってきます。終わったはずの戦争が、母の中で澱のように沈澱していることも。しかし、映画には生々しい暴力も戦闘も、どんでん返しも奇跡もありません。10代で内戦を経験した女流のヤスミラ・ジュバニッチ監督は派手な演出よりも、日常の静謐な営みを描くことによって観客の心を動かすことに成功したのです。

 娘サラの設定が12歳であることも物語に深みを与えています。人は子供を育てることによって、人生を二度生きると言われます。性を身近に感じだす年頃の娘がいることで、エスマの悲劇の記憶は彼女自身と観客に重く圧し掛かってきます。古今東西、全ての戦争で起きる女性への性的暴力は、被害の切実さが軽く見られがちです。特に加害者側から見れば、それは生理現象の一つに過ぎず罪の意識などは持ち合わせていないでしょう。ジュバニッチ監督は非難がましい視線は少しも見せずに、エスマのように卑劣な仕打ちを受けて、母になることはどんなことなのかと考えたとき、その人生の神聖さを語りかけてくるのです。

 惨酷なほどにおとしめられた人生が神聖(?)と違和感を覚えるかもしれません。しかし、エスマにとって娘サラは苦界の象徴と同時に、救いであることを考えれば納得がいく筈です。生きる希望を喪失させる位に暗い映画を名画と呼ぶという言葉がありますが、この映画には黒澤明作品に必ず登場する温かいヒューマニズムが見られます。それが、ナイトクラブのボディガードとエスマの関係です。ラストシーン近くでボディガードのペルダがボスニアを出国しようとするときに、エスマは父親の遺体探しの話を彼にします。『行かないで!』は演歌の世界でのセリフ…エスマの真意を斟酌して下さい。人は未来に向かって歩いて行かなければならない。最後に、サラたちが歌う歌にそんなメッセージが託されているのです。 »ガイドライン違反報告

投稿:晴耕雨読

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エスマ と サラ (投稿日:2008年6月26日)

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娘が生まれた瞬間、いや身籠った時から、延々と母は葛藤してきた
男への嫌悪(そんな言葉では表現できないほどの)、娘への愛憎、をひた隠しにしながら…

怖れていた事が娘の修学旅行をきっかけに露呈する
父の面影を追い続けてきた娘は、父に似ていると言われた髪を剃り上げる
母に銃を向けるシーンより、何よりショッキングだった

絶望の淵に差し出された娘の手…ガラス越しでも母には太陽のように輝いて見えたことであろう

悲しみを分かち合う為に集う女性達
猥雑な酒場
見掛けは美しく様変わりしている町並み
廃墟の隠れ家

ボスニアの未来は、まだ根底に問題を抱えている »ガイドライン違反報告

投稿:ゆーみんぱぱ

評価:4
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綺麗な赤ちゃん… (投稿日:2008年6月10日)

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仲良し母娘ですよね。
明かせない秘密を抱えた母の気持ちが何とも辛い…

戦争の罪でしょうが、人の起こした罪です。
忘れないで欲しい…
ラストシーンも良いです。 »ガイドライン違反報告

投稿:

評価:3
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苦しい。でも観てもらいたい (投稿日:2008年5月20日)

 いい映画だった。

 そして、とても苦しい映画だった。

 主人公エスマの愛の重さに苦しくて苦しくて泣けた。

 戦争の犠牲となった女性の現在。
 平和を取り戻そうと懸命に生きる人々の日常を、丁寧に淡々と映し出していく。

 そこでは暴力シーンも、戦争の生々しさも描くことはない。

 しかし、かえってそれが戦争が人々に与えた傷の深さを強調している。

 この映画は苦しい。

 でも、ぜひ観てもらいたい映画でもある »ガイドライン違反報告

投稿:hikahika

評価:5
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ぼくの好みではない・・・ (投稿日:2008年1月12日)

生まれてこのかたずっと平和な暮らしを享受しつづけてきたものにとっては、想像力を最大限に発揮しても、本当のところ理解できない部分があったというのが正直なところ・・・

自分の無知さ加減を棚に上げていわせていただくと、映画的にはどうかなぁ?という気がします。
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投稿:nakatadairake

評価:2
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生きることと起源 (投稿日:2007年12月22日)

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             評価9点(10点満点)

 今ある自分はどこから来ているのか。

 自分の起源をたどったときに誇りを持てなかったとき、人は一体どうすればいいのだろうか。

 父のいない母子家庭であっても、父がシャヒード(殉教者)であるのか敵であるのかでは、子供にとって天と地ほどの差があるということだ。
 自分の存在自体を否定したくなるような状況。このような中でどうやって生きていけばいいのだろう。

 楽しみにしていた修学旅行に、坊主になっても行き、バスの後ろから母を見るその眼差しに、答えはあるだろう。

 ボスニア紛争から10年。この紛争では、敵の民族の子を生ませ、所属民族までを辱め、後世に影響を残すことが作戦として組織的に行われたということである。
 2万人の女性がレイプされ、各地に収容された女性は連日多くの兵士にレイプされたとのことである。その一人としてエスマを描いているわけだ。

 レイプ自体は思い出したくもない。トラウマになっている。しかし、生まれてきた子を見たとたん、美しい、宝物だと思った。

 だから、起源を問う必要は無いのだろう。そして人を愛せる心が最も大切なのだと言っているのだろう。

 ヤスミラ・ジュバニッチ監督は33歳。
 同世代に李相日、西川美和、グロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクがいる。まさに注目すべき世代である。 
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投稿:

評価:4
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紛争後のサラエボ、特に女性達の今を静かに描く (投稿日:2007年12月10日)

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なるべくネタバレしないように書いてるつもりですが…。

ボスニア・ヘルチェビゴナ紛争から10数年余り、首都サラエボの市民が負った傷は、その街並み以上に深くて生々しい。
母エスマは、12歳の娘サラに対して厳しくも愛情を注いで暮らしている。サラの修学旅行の費用を準備するために、ナイトクラブで働き始めます。サラは、内戦で殉教者(シャヒード)として亡くなったはずの父親に複雑な気持ちを抱く。シャヒードの証明ができれば、旅費は免除されるはずなのだが…。

ナイトクラブで演奏されていた情熱的な民族系音楽が印象的でした。夜のクラブは陽気で活気もあります。しかし一歩外へ出ると、暗闇が広がり辺りは静まり返っているのです。昼間は市街戦の跡も生々しく残っており、子供達ですら容易に破壊されたビルの跡地に立ち入れる。大人達の学歴やキャリアも通用しなく、内戦前後では市民生活が180度変わっている様子が分かります。ちなみに、サラはHIPHOPをガンガン聴いてました。

監督は、ヤスミラ・ジュバニッチという若い女性監督で初作品。母親エルマには、セルビア人のミリャナ・カラノヴィッチが扮し、悲痛な演技をみせます。彼女は、この国出身のエミール・クストリッツァ監督作品に多く出演。エルマは、敵味方に関係なく争いそのものを憎んでいるように感じました。
娘サラ役のルナ・ミヨヴィッチも素晴らしく、混じりっけのない演技を見せている。劇中でもどんどん大人の顔になっていってたと思うのは僕だけでしょうか。これから活躍が楽しみ。子供達の歌声の中、母娘が離れて行くラストシーンが美しかった。

母も、娘も、お互いを深く思いやり暮らしているのが伝わります。だからこそ胸が痛む。
こういう悲劇が少なくなかった悲惨な紛争だったということです。

ようやく紛争そのものではなく、
市民目線で旧ユーゴスラビアの紛争を語る映画が出て来ました。
公式HPには、オシム監督からの長いメッセージも掲載されています。
ううっ、このメッセージを読むだけで涙が…。 »ガイドライン違反報告

投稿:mikey

評価:4
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