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投稿レビュー(9件)うつせみは星4つ

こ、これは…評価せざるを得ないw (投稿日:2013年6月3日)


早稲田松竹でキム・ギドク作品2本立て
併映は『サマリア』です

いや~…これは、驚きですねえw
主人公は最後まで一言も喋りません…そして、主人公テソクに惹かれる人妻ソナも、主人公に合わせるかのように、ほとんど言葉を発しません
しかし…2人の間には、一切の会話がないにも関わらず、一定のコミュニケーションがあり、観客にも心の動きが伝わってきます
これは、スゴイですねえ…古い映画には、セリフが無くても感情が伝わるって作品は多いですが、現代の映画で、セリフに頼らずにここまで描写できるというのは、実に見事だと思います

この、一切の会話を持たない男女…というのは、ある種の比喩的な表現かとも思うのですが、しかし、街中でのシーンや、警察に取調を受けるシーンなどを見ると、そういう訳でも無さそうですね
本当に会話が無い…というか、必要ないのでしょう
初対面から、心が通じ合うまで、まったく会話を持たない男女…まあ、現実にはあり得ないでしょうが、この関係は何とも美しく、淫靡ですねw

そして、彼らの奇妙な行動…
テソクは、便利屋のように何でもできてしまう、変わった男です
しかし、定職には就かず、他人の家(留守宅)に勝手に上がり込み、そこで生活してしまう…恐らくはその礼なのでしょう、その家で壊れているモノを直したり、部屋をキレイにしたり…余計なお世話をしますw
実際、余計なお世話なんですよね…序盤、彼の行動によって災難を被る家族が描かれていますからw
こういうシニカルな演出も、何とも言えず、良いですねえw
これを善意とか良心みたいな安易な捉え方をしてしまったら、この作品は台無しです…彼らは、間違いなく犯罪者であり、背徳的な人間なのですから

ソナも、テソクの流儀を理解し、奇妙な共犯関係を構築していきます
当然、2人がやっている事は、完全な犯罪行為である訳ですが…不思議なワクワク感があるんですよね
たとえば、やはりテソクの習慣である、デジカメによる記念撮影…そこに自ら写り込もうとするソナの姿
会話が一切無いにも関わらず、2人の心の動きが、確実に伝わるんですよね…脚本も演出も、実に秀逸です
こんな生き方に未来は無いし、確実に刹那的…ある意味では破滅的な生き方である事に間違いありません
でもねえ…こういう生き方があっても良いんじゃないか…そう思えちゃうんですよねw

そして、最後にテソクが選択したのは…ある意味、江戸川乱歩的な、狂気に満ちた解決策w
テソクは、一体、何をやっているんだろう…すごく気になっていましたが、まさか、こんな方向に向かうなんて、完全に予想してなかったよwww
てか、予想できないよね…これは、評価せざるを得ませんw

もちろん、これが本当の意味での解決である訳が無いのですがw、それでも、この発想に向かう事が、常人のそれとは一線を画しています
彼らは、これから先、どうやって生きていくのか…考えただけでドキドキですw

これを観て、他の作品も観たくなりましたねえ
本作に関しては、何の迷いもなく☆5です…こういうの大好物ですからw »ガイドライン違反報告

投稿:まこと

評価:5
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純粋無垢なピュアネス (投稿日:2009年8月21日)

原題は『空家』(英題『3-Iron』(ゴルフの3番アイアンのこと))。韓国の鬼才キム・ギドクがヴェネチア映画祭で監督賞に輝いた本作品、映画タイトルは何でも良かったのではないか。たとえば、『デジカメ』『空き巣』『洗濯』『修理』・・・。おそらくラストシーンのテロップから配給会社が後付けしたであろう邦題『うつせみ』は、さまざまな解釈が可能な本作品にかえってつまらない方向性をあたえてしまうという意味で、あまりふさわしくない。タイトルにつけられた言葉が無意味であればあるほど、本作品のもつ芸術性が引き出されるような気がするからだ。

BMWのバイクに乗って宅配チラシをドアに取り付けていく若い男(ジェヒ)。留守宅に忍び込んでは、(別に物を盗むわけでもなく)洗濯や食事、壊れた時計や体重計を修理してまわる男の変った行動目的が徐々にあかされていく。ある日、ゴルフ練習器が庭にある金持の邸宅に忍び込んだ男は、誰もいないと思った家の中で女(イ・スンヨン)と出会い、そのまま行動を共にするのだが・・・。

この若い男、最初から最後まで(例によって)一言もしゃべらない。女の方も、映画のラスト近くで「ごはんできたわよ」の一言のみという徹底ぶり。かといって完全な無声映画というわけでもなく、男がしのびこむ家の住人や警察(ほとんどが俗物として描かれている)には普通に台詞をしゃべらせているのだが、主人公の男女にだけは頑として口を開かせない。まるで言葉によるイメージの固定化をおそれるように、ひたすら行間のみでストーリーをつなげていくギドクの演出は芸術的だ。

周囲の人間が安っぽい愛や正義を語るほど薄汚れて見えてくるのとは対照的に、言葉を発しない男と女(もしくはその愛)は純化していく。その姿形は、言葉からも、視覚からも、そして最後は重力からも解き放たれる。それが夢か現実かなんてことは、本作品に関して言えばあまり意味の無いことだろう。まじりけの無い純粋無垢なピュアネスにふれる喜びこそ、ギドク作品を鑑賞する醍醐味なのだから。 »ガイドライン違反報告

投稿:かなり悪いオヤジ

評価:4
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監督の層も厚い (投稿日:2007年8月12日)

俳優の層も厚い韓国ですが、監督の層も厚いのか、を実感しました。ストーリーそのものはありがちなのではないかと思います。ですが、ほぼセリフ無しでよくここまで表現でき、キム・ギドクの世界を堪能出来る作品だと思います。 »ガイドライン違反報告

投稿:ももちゃん0930

評価:4
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ラブストーリー苦手な私でも夢中に・・・ (投稿日:2007年6月7日)

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青年テソクは留守宅に侵入し、住人が戻るまで、まるで自分の家のように洗濯したり、食事をしたりして過ごす。
ある日、侵入した家で、夫が妻ソナに暴力を振るう様子を目撃する。
テソクは人妻ソナを助け出し、その後は二人で留守宅の侵入を繰り返すが、
そんな生活も長くは続かず、警察に捕まりテソクは刑務所へ。
刑務所でテソクが習得した技とは・・・。(凄い技です)

全編、主人公の二人の間に全くセリフありませんが、
それがすごく自然に感じます。
結末はハッピーエンドのようで、悲しいようで不思議な気持ちに
させてくれる映画です。 »ガイドライン違反報告

投稿:クロちゃん

評価:3
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想像を超えるラヴストーリー (投稿日:2007年4月30日)

私達の想像を超えたストーリーで観るものを釘付けにする、
キム・ギドク監督が描く新しいラヴストーリー。
今回驚いたのは、全編ほぼセリフなしという事だ。
しかしひょんな事から出会った男女2人の、
相手への深い思いがズンズン伝わる作品だった。
全編に流れる穏やかな空気は心地良い。
監督はこの映画でヴェネチア祭最優秀監督賞を受賞している。

青年テソクには定住先がない。
彼は広告チラシを一軒一軒の家に配る仕事をしているように見えるが、
実は空き家を探している。
空き家を見つけては、住人が戻るまで料理を作って食べ洗濯をし、
風呂にまで入って自分の家のように振舞っている。
そして必ず記念写真まで撮影をするのだ。
とある一軒の大きな家に入ると、そこには夫に暴力をふるわれ、
顔に大きなあざをつくってひっそりと震えている人妻と出会う。
夫の独占欲で自由を奪われ、抜け殻のようになって毎日を過ごしていたのだ。
そんな人妻を見たテソクは、彼女を助け一緒に生活を始める。
2人は一緒にいることで相手に安らぎを感じていくが、まったく言葉を交わさない。
しかしそれぞれの心の痛みがわかる2人は、確実に互いに惹かれていく・・・。

キム・ギドク監督は、私達観客の期待を上回る作品を作り続ける。
その精力的な活動には目を見張るばかりだ。
似た映画を多く制作をする監督は多いが、
1作1作がここまで違った作品を作る監督も珍しい。
しかし彼の映画は違うように見えて”愛”という共通のテーマが流れている。
”愛”にはこんなに豊富な表現があるのかと毎回驚かされるのだ。

今現在日本で上映が始まった『絶対の愛』は整形手術を題材にした愛の物語。
そして次は『息』という作品が待機しているらしい。
これからのキム・ギドク監督の作品からも、決して目を離すことはできないだろう。


監督:キム・ギドク
出演:ジェヒ、イ・スンヨン »ガイドライン違反報告

投稿:wawa

評価:5
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素晴らしすぎる! (投稿日:2007年2月17日)

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                 評価10点(10点満点)

 素晴らしい!!!なぜこのような美しい作品が撮れるのか?なぜこのような信じられないストーリーを紡ぎだせるのか?どこからこのような発想が出てくるのか?
 驚きと感嘆の88分だった。

 誰が他人の部屋に入り、下着を手洗いしてあげるキャラクターを思いつくだろうか?この発想は、既成概念を取っ払ったところにしか出てこない。世界の映画作家の中でも、ここまで自由な発想ができる人は、他にいるか?

 最初は怯えて生気がなかったソナ(イ・スンヨン)が、テソク(ジェヒ)が殴られて顔にあざを作ったら、嬉しそうな表情になったのが面白い。自分と同じ状況になった相手に親近感を覚えたのだろう。この、「他人と同じ状況を体験して、その相手への思いが深まる」というのは、「悪い女」「サマリア」でも見られる。キム・ギドクの思想の一端がここにあると思う。

 「言葉がなくても映画になる。」と監督は語っている。普通、セリフと演技で観客にわからせるわけだが、そのセリフが無くなるわけだから、それだけ俳優の演技力が求められるということだろう。本作品の主役二人は、十分にその要請にこたえていて、無言のシーンの連続であるが、それがむしろ緊張感をもたらし、まさに映画になっている。

 「悪い男」で一切言葉をしゃべらなかったハンギが、終盤で一言「俺たちみたいな分際で、人を愛せると思っているのか」と言う。もちろんこれは反語になっているのだが、実に効果的で、強い印象を残す。同様に、本作品でもずっとしゃべらなかったソナが、終盤になって初めて「愛してる」と言う。巧い!

 「悪い男」の主人公もソナという名である。女と男の愛の形を描いている点で共通しているし、石井隆作品の「名美」みたいなもんかな。ソナの物語はこれからまたいくつも生まれる予感がする。

 この物語を「幻想」と捉えれば、ルイス・ブニュエル作品に近いものがあるようにも思える。そういえば、彼もまた、既成概念を取っ払い、ありのままの人間を見つめる人だった。

 ハリウッド作品のほとんどは、私の想定の範囲内である。そういう意味では驚きが少ない。どこか既成概念に寄りかかっているところがあるのだろう。そこには、「映画とは何なのか」という映画自体を問い直す視点が欠けているように思える。そこが本作品と決定的に違うところである。
 キム・ギドク作品はヨーロッパで高く評価されているが、ハリウッド映画人はどう見ているのだろうか?その革新性についていけるのか?非常に興味深い。

 イ・スンヨン、ジェヒ共に好演。二人とも美しく、それがこの映画の魅惑を増した。

 音楽:スルヴィアンも良い。

 キム・ギドク監督作品を見るのは、これで6本目になる。順位をつけると、以下のとおりである。

          1.うつせみ
          2.悪い女
          3.悪い男
          4.サマリア
          5.春夏秋冬そして春
          6.コースト・ガード
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投稿:

評価:5
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言葉は少ない (投稿日:2006年11月6日)

キム・キドク監督作品としては、観やすいと思います。
言葉が少ないのですが、それ以上に顔の表情等で伝わってくるものが多く良かったです。

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投稿:さくら姫

評価:5
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現代のファンタジー (投稿日:2006年10月6日)

『うつせみ』は初キム・ギドクだったが、今までの作品の中で一番とっつきやすいと言われてるだけあって、監督の特徴として語られる暴力はなりをひそめ、現代のファンタジーであった。主演の二人の間にはセリフが無く、全て表情だけで語られる。最後にヒロインが見せる笑顔が素晴しい。次作の予告も観たが、これもまた面白そう。 »ガイドライン違反報告

投稿:キムマキ

評価:4
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字幕なしでもケンチャナヨ (投稿日:2006年10月3日)

字幕なしで見たのですが、字幕はいりませんね。主人公は一言も喋りませんから(笑)
静かな映画です。
一言も喋らないのですが、チェヒの目力は凄いです。
幻想的過ぎて、最後はちょっとよくわからなかったのですが、あれは○○だのかなぁ »ガイドライン違反報告

投稿:更紗

評価:3
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