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投稿レビュー(15件)戦場のピアニストは星4つ

「戦場のピアニスト」に投稿されたレビューを
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ポランスキー監督の傑作 (投稿日:2015年12月26日)

◆この映画の公開時に「新宿プラザ」で鑑賞◆

 この映画は、そのタイトルにも表されるピアニストを軸にストーリー展開されるが、実はその他ユダヤ人の『一般ピープル』の生きざま(または死にざま?)によって強烈なインパクトを受ける作品となっている。

 例えば、ユダヤ人居住区内の女性が持っているバケツから食料を叩き落して地面に唇をつけて啜る男。これほどまでに人間としてのプライドを捨てながら、他人の「生」を奪っても自分の「生」を守る行動をとるような追いつめられた状況。そこに至る経緯を想像すると胸が締め付けられる思いである。

 また、その他大勢のユダヤ人も、ポーランド侵攻が進むにつれ、ドイツ軍兵士には絶対服従の日常となっていく過程がこれでもかというくらいに描写される。「立て」と言われて立てない車椅子の男性は窓から建物の下に投げ捨てられて殺され、「これからどこへ行くの?」とドイツ兵に質問した女性はその答えを聞く間もなく頭に銃弾を撃ち込まれ、兵士の気まぐれのように選ばれた人達は地面にうつ伏せにさせられ射殺される(連続射殺により弾切れになっても命を救われる望みもない)等々。これらのシーンは、『とても正気の人間ではできない所業』である。

 本作品はアラン・レネ監督の『夜と霧』のようなドキュメンタリー構成ではなく、主人公とされるピアニストがどのように生き延びたかのストーリー構成となっている。そのピアニストは『とにかく自分は生きる』という強固な意思のみで全ての行動が貫かれ、実行している点が凄い。他の同胞が道端で死んでいてもその間を抜けて歩き、通りすがりの女性が夫の名を呼んで探していても協力するでもなく、壁付近で殺される子供にも関わる余裕はない様子でその遺体を置いて逃げ去る。とにかく、逃げて、隠れて、相手に頼みこみ、あらゆる手段をつくして、生に執着する。敵にかこまれた戦争真っ只中の極限状況においては、この自分本位は容認されるものであろう。また、「ヒューマニズムによる行動をとって死ねるほど甘いもんじゃないんだよ。戦争は。」という監督の意図が感じられる。

ラストにピアニストのその後も紹介され、実話に基づく説得力と、監督の実体験による説得力の二重構造により、本作は他のホロコースト作品と一線を画した傑作となり得たのである。
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投稿:たっかん

評価:5
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戦争と人の心に響く音楽の作品 (投稿日:2015年1月31日)


「戦争」をテーマにする
作品は「死」や「愛」
そして「生きざま」が
主題になることが多い
そこに「ピアノ」という
要素が入ることで
さらに心を打つ作品に…

ピアノに真摯に向い続ける主人公は
孤独でかなしげ
それが、戦争だと
改めて思わせられる1本

音楽は敵味方、そして国境を越えて
人の心に響くものであるとした
素晴らしい映画です
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投稿:S

評価:4
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ちょっと複雑 (投稿日:2014年10月12日)

▼ネタばれ(クリックして読む)

この映画を観たのは昨日で2回目でした。
前回よりも戦争の悲惨さ酷さ虚しさ愚かさの印象は幾分和らぎ、代わりに、シュピルマンの周囲の人達が彼を助ける姿が印象に残りました。彼が過酷な戦場で生き抜けたのも、彼がそれまでに培ってきた友情そしてそれを作り出した彼の才能・名声があってのことだとつくづく感じました。まさに芸は身を助すく。。。ですね。

そこで1つ疑問が・・・
最後に彼を助けた?ドイツ兵ですが、彼の目的と言うか心情です。
シュピルマンが彼に出合ったとき、もう戦争は終りかけていてドイツの敗戦は決定的だったと思います。
彼はシュピルマンを見つけたときにピアノを弾かせました。そこで今まで罪のないユダヤ人を多数殺してきた反省をしてるようにも見えたのですが、その後食料の際入れやシュピルマンに自分のコートを与えたのを観ていてふと気が付きました。
彼はこのままいけば戦争に負けて自分が捕虜になるのを察していたのでしょう。。。
目の敵にしてきたユダヤ人に親切にし、その見返りに助けてもらいたかったのだと。
言い換えれば、自分を反省したりシュピルマンに同情したのではなく、彼を助けることで保険をかけたということです。
戦況は明らかに連合軍が有利、その状況下でユダヤ人を見つけても殺すことは出来なかったのかもしれません。
最後に彼が自分の来ていたコート渡したのは、シュピルマンがロシア兵に見つかった時に「どうしてドイツ兵のコートを着てるんだ?」と尋ねられた時にでも自分が彼を助けたことを言ってほしかったのではないか…と。
それは、シュピルマンを助けながらも名前でなく「ユダヤ人」と上から目線で呼んでいたことや、捕虜として収容所にいた時にそこを通ったユダヤ人に「シュピルマンを助けたんだ。だから助けてほしい」と言い寄ったことでも、そう受け取れます。

自分たちが最高の民族でありユダヤ人はそんな自分たちから富も国も奪い去ろうとする排除すべき劣悪民族、と洗脳された精神はそうたやすく覆るものではないと思います。
しかし、ピアノの演奏中だけは、同情や後悔、少しの懺悔を感じていたようにも見えました。

ドイツ兵、彼の心情を思うと複雑です。。。»ガイドライン違反報告

投稿:みみるり

評価:4
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人類が忘れてはいけない過去 (投稿日:2012年3月30日)

全世界の人たちに、人生で一度は必ず見てもらいたい映画。目を瞑りたくなるほど生々しいが、この歴史的事実を受け止め、学んでいかなければならない。この映画を通して"人種差別"の酷さとそれに対する先入観の恐ろしさを再認識すべき。»ガイドライン違反報告

投稿:りりさ

評価:5
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ファシズムの償いは1世紀にも及ぶ (投稿日:2009年5月24日)

 近年、映画「戦場のピアニスト」上映に際して、この映画で描かれたようにドイツ国防軍兵士の中で、ユダヤ人を助けた者はどの程度いたかが問題になりました。実際の調査で分かったのは、動員された国防軍兵士の累計が1500万人、助けられたユダヤ人は約100人という結果だったそうです。ひところのハリウッド映画でも悪逆非道の親衛隊将校と名誉・品格を重んじる国防軍将校とを対照的に区別して描いており、W・W・Ⅱに詳しい人々の中にも両者を対比イメージで捉えている人も少なくない筈です。しかし、最近のドイツでは、ユダヤ人に対する犯罪という点で国防軍も親衛隊と遜色なかったと認識されつつあるのです。

 映画はポーランド出身のロマン・ポランスキー監督が、実在したピアニストを主人公にナチスドイツ軍の戦争犯罪を描いています。個人の回想録を映画化すると往々にして、脚色が多すぎて事実を歪曲していると批判されるものですが、「戦場のピアニスト」には、そんな誹謗中傷は当て嵌まりません。逆に史実を丁寧に再現するあまり、芸術性・ドラマ性に欠けてしまっていると言ってもいいでしょう。主人公のピアニストに扮したのはエイドリアン・ブロディであり、英雄でも悪人でもないユダヤ系ポーランド人を、正にアカデミー賞級の抑えた演技力で見せてくれます。

 ドイツ軍はポーランド侵攻時、前線では国防軍が戦ったが、後方の占領地域には治安活動を行う別部隊を送り込んでいました。これが、親衛隊保安部(SD)と保安警察(ゲスターポ=秘密国家警察)を中心とする混成部隊で“アインザツツグルツベン”と呼ばれるものでした。行動部隊の具体的任務は戦闘を行う国防軍の後ろで、反ナチス・反ドイツであると指定した、社会の中核階層である教員・聖職者・受勲者・退役軍人・ユダヤ人・ジプシーの民族浄化を展開したのです。映画でも描かれているゲットーの悲惨さは、手塚治虫の漫画「アドルフに告ぐ」でも有名ですが、以前より、精神障害者や身体障害者(極度の近視を含む)を生存に値しない命としていたナチスは、占領下のポーランドで、彼らに対する大量殺害を始めます。映画での車椅子に乗った老人をベランダから突き落とすシーンはロベルト・ロッセリーニ監督のネオリアリズムを彷彿とさせるロングショットで撮影されていて、声高に叫ぶより効果があるリアリズムでナチスの犯罪を暴きます。ゲットーの路上にうつ伏せにされたユダヤ人の老人たちをルガーで射殺していくナチスドイツ軍の将校の非情さと、成すがままにされる老人たちの諦めの悲劇が一気に盛り上がるルガーの弾切れのシーンの恐怖。

 主人公は家族が絶滅収容所(労働を伴う強制収容所ではなく、ガスによる計画的大量殺戮だけのための収容所)に送られる中、奇跡的に逃亡を図り、ワルシャワ蜂起を目撃します。周りの登場人物が英雄的行為をしたり、敵側に寝返ったりする中にあって、主人公は只管、生き延びることだけを考えて行動します。これこそが心を揺さぶる歴史の真実なのです。事実をありのまま描いているからこそ感動するのです。ユダヤ系ポーランド人を被害者として美化したり、カトリック教徒やドイツ人を悪魔のように描くこともない。それでも主人公が次々と経験する恐怖は、衝撃を静かに蓄積していくのです。

 W・W・Ⅰの戦争賠償金に苦しんだ挙句、ユダヤ人の土地・財産を没収する計画から始まった単純な独裁者の思いつきは、飢餓に苦しみながらも生き抜いたユダヤ人たちの処遇に困り果ててホロコーストに至ったのです。ドイツは既に七兆円の補償金をナチ被害者に支払いました。2030年までに総額十兆円を払い続けるそうです。一人の独裁者の短絡的思考に従ったファシズムの償いは1世紀にも及ぶのです。

【新宿プラザ劇場】鑑賞
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投稿:晴耕雨読

評価:5
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バラード1番 (投稿日:2007年12月16日)

儚げに「ノクターン20番」で始まり、雄壮に「華麗なる大ポロネーズ」で終わる。
クライマックスで弾く曲は「バラード1番」。バラード全4曲中、何故1番を選んだのか… 例えば「バラード4番」はショパンの全作品の中でも最高傑作と言われる名曲中の名曲。
だが、主人公は1番を選んだ。この1番が流れたとき、涙が止まらなくなった。
破滅的とも破壊的とも比喩される1番だが、激しく、優しい名曲には違いない。
単にユダヤ関連の映画とは位置付けられない、何度も観たくなる素晴らしい芸術作品です。目を覆いたくなる箇所は多々あるも観るべき作品です。»ガイドライン違反報告

投稿:バロン

評価:5
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素晴らしい (投稿日:2007年10月22日)

芸術作品であり、深く深く考えさせられる映画です。かなり見入りました。
シーンによっては、怖くて目を塞ぎたくなるようなところ、事実から目を背けたくなるようなところもあります。
でもシュピルマンの生きる姿に感動します。生き延びる姿に、心を奪われます。
それでもピアノを弾くシュピルマン。なんて素晴らしい映画なんだ!!と思いました。さすがポランスキー監督の作品だけあります!!!»ガイドライン違反報告

投稿:ユッキー

評価:5
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ゲットーはいらない! (投稿日:2007年8月18日)

 ポーランドの実在のユダヤ人ピアニストの生き様を描いており、歴史の勉強になります。テーマは重い。
 ユダヤ教からキリスト教が生まれ、巨大になったキリスト教は1000年以上にわたりユダヤ人を迫害し続けてきた。ヒトラーによって迫害は頂点に達する。ユダヤ系の多い映画関係者は、この歴史的事実を人類のために告発し、記録し続ける使命感を感じているのだろう。
 ただ、映画として考えると、同じようなシーンの連続で、実話にありがちだが、ちょっとドラマ性に欠ける気がする。
 迫害を受けてきたユダヤ人だが、イスラエルでは逆の現象が起こっている。映画でゲットーが建設されるシーンがあるが、今イスラエルでは、パレスチナ人を囲い込むコンクリートの「かべ」が、国連決議を無視し着々と建設中だ。
 どういうことなのだろうか。歴史の教訓とは何なのか。
 地球上に新たなゲットーはいらない!»ガイドライン違反報告

投稿:ラッキー

評価:3
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生きる意志 (投稿日:2007年6月9日)

▼ネタばれ(クリックして読む)

ナチス映画を見るといつも感じることだが、いっそ殺されたほうが楽なのではないかと思ってしまう。まさに生き地獄だ。

ユダヤ系ポーランド人ピアニスト、シュピルマンの当時の手記をもとに映画化された実話であり、今までのナチ映画と一線を画しているのは彼がヒーローではなく助けられる側の人間であったということ。(アンネもそうか)

ただただ周囲のユダヤ人、ポーランド人、ドイツ人に助けられ生き延びていく。
もちろんそれは彼が有名なピアニストであったことが大きく関係しているが、それでも彼は幸運に恵まれていたし、生きる意志があったから生き延びれたのだ。
その意志を支えていたのはピアノを弾きたいという思い。

そして印象的なのは劇中でシュピルマンが弾くピアノとその選曲。
言うまでもないがショパンを選んだ理由は舞台がポーランドだからだろう。
しかし「革命」ではないのも彼がただのピアニストだったからではないか。

そしてラストシーンではピアノを弾ける喜び、生きていることの美しさがショパンの演奏で感じられる。

商業的映画ではなく芸術作品として素晴らしい作品。»ガイドライン違反報告

投稿:moto

評価:4
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ポーランド・ワルシャワのユダヤ人の日常、その変化、という視点。 (投稿日:2007年6月6日)

 
2002年、第55回カンヌ映画祭のパルムドール受賞作。
第2次世界大戦中のナチスによるユダヤ人迫害を描いた作品といえば「アンネの日記」や「シンドラーのリスト」等ですが、この作品は、ポーランド・ワルシャワのユダヤ人たちの日常が、戦況悪化・ドイツ軍侵攻という情勢によって、どう日々変化していったかが、とても分かりやすく、今までになかった、そして、欲しかった視点で丁寧に描かれていました。
つまり、収容所のシーンは一切ないんですね。収容所に「行かなかった」、戦時下のユダヤ人の人々の生活と、苦悩、悲哀。
彼らはどうゲットーに集められたのか、ゲットーはどのようなものだったのか、その中で彼らはどう生活したのか。そして、ドイツ軍はどう街に入り込み、収容所に送られてしまうばかりではなかった成年男子は、いかに生き延びたか。
ユダヤ人でない市民は彼らをどう支えたのか、支えなかったのか(このあたりは「アンネ~」でもよく分かりますが)。そして、ワルシャワ蜂起などに見られる市民の抵抗は、どのような有様だったのか。
それが、「一市民の日々の変化」として、ショパンの調べにシンクロして、繊細に、かつ力強く語られていました。ショパンの音色は、彼らの悲哀と魂の美しさとが音になって語られているようでした。
 * * * * *
ずっと見なきゃとは思っていて、絶対にいつか必ず見ることは自分で分かっていたので、後回しになってしまっていて。何気に公開から5年も経って、やっと鑑賞。
とても、よい映画でした。最高の映画でした。ぜひ、スクリーンで見たかった。
これは何度もみてしまう、ヘビーローテ作品の一つになりそうです。»ガイドライン違反報告

投稿:makoto

評価:5
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