HANA-BIのレビュー・感想・ネタバレ・評価|MOVIE WALKER PRESS
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HANA-BIのレビュー・感想・ネタバレ・評価

1998年1月24日公開,103分

ユーザーレビュー

3.9
  • フジ三太郎

    4
    2018/3/16

    大杉漣追悼でTV放映されたのを鑑賞。
    たけし扮する西刑事が入院中の妻に会いに行くので、張り込みを1人だけ請け負った、大杉漣が凶悪犯(薬師寺保栄)に撃たれ、車いすの身に。他にも同僚刑事が殉職した責任を取って、刑事を辞めるが、殉職刑事への仕送りや不治の病の妻の治療費等でヤクザ金融に借金。とうとう銀行強盗に走り、妻と一緒に逃亡生活。「俺たちに明日はない」をやや想起させる設定。
    一度は自殺を図る大杉漣に、生きる希望を与えるべく、画材一式を送るたけし。そのお金もヤクザ金融から。あとはひたすら破滅へと向かう・・
    大杉漣がひたすら絵に取り組み、その情感あふれる絵がいい。
    ハリウッドと言うよりヨーロッパ調の淡々とした描写。キタノブルーを目いっぱい使った夜のシーン。
    登場人物たちのたたずむ姿。海岸で最期を迎えるたけしとその妻の前に現れる凧揚げの少女。
    すべてが詩。

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  • 牛込太郎

    0
    2007/7/19

    病気の女性がいて,
    不治の病を患っており,
    死ぬのは時間の問題だった.
    ところが,彼女はなかなか死なない.
    死の噂は,映画の冒頭からずっとささやかれるものの,
    実際に死が訪れるのは,映画の本当に最後の最後で,
    それまでの間,彼女はずっと生き続ける.
    その一方で,彼女とは関係のない人々が次から次へと死んでいく.
    まるで,なかなか死なない彼女の代わりに死んでいくかのように.
    人が,次から次へと撃ち殺されていく.

    そんな彼女にも,ついには死が訪れる.
    しかし,その死は意外にも病死ではない!
    彼女は,夫の手によって殺されたのだった.
    夫は,余命いくばくもない彼女のために最後の旅を計画し,
    その旅の終わりに彼女の命を奪ったのだった.
    それは一見安楽死のようにも見えるけれども,
    しかし,そうとも限らないのだ.
    彼女は本当に病気で死ぬ運命だったのだろうか?
    不治の病とは言われているものの,
    その病名は,この映画の中で一切明らかにされない.
    彼女はどこも悪そうに見えない.
    咳だってただの一度もしないし,血を吐くこともない.
    ひょっとしたら,
    彼女は助かっていたのではないかと言う疑問が
    どうしても残ってしまう.

    しかし,たとえそうだったとしても,
    彼女はやはり死ななければならなかっただろう.
    なぜなら,彼女の死は映画の冒頭から
    ずっと噂され続けてきたものだったからだ.
    今さら噂が間違いだったのでは,
    彼女の身代わりになって死んでいった人々や,
    その噂を聞きながらずっと映画を見続けてきた観客に対して,
    申し訳がない.
    だから,彼女には何としてでも
    死んでもらわねばならないのだった.
    病気で死なないと言うのなら,
    銃で撃ち殺してでも死んでもらわねばならない.
    そこで,夫が,彼女を銃で撃ち殺す.
    夫を演じているのは北野武である.
    彼は,この夫役の俳優であると共に,この映画の監督でもあった.
    映画の冒頭で臭わせた彼女の死に関しては,
    監督である北野武に責任があった.
    彼は,何としてでも彼女に死んでもらわねばならなかった.
    そこで彼は自ら映画の中に飛び込み,夫役となって,
    自らの手で彼女を殺したのである.
    これで彼は観客への責任を果たすことができた.
    しかし,そのために犠牲となった彼女はどうなるのだろう.
    彼女は,監督が観客に責任を取るために,
    つまりは「映画のために」殺されたのだ.
    映画のためなら人一人殺す,
    そんな人間によって,この映画は作られたのである.

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