あした|MOVIE WALKER PRESS
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あした

1995年9月23日公開,141分
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死者からのメッセージを受け取った、残された家族や恋人たちの別れと“あした”への旅立ちを描いた人間ドラマ。「ふたり」に続き赤川次郎の『午前0時の忘れもの』を原作に、冬の尾道の海を舞台に描かれる大林宣彦の新・尾道三部作の第二作。尾道三部作(「転校生」「時をかける少女(1983)」「さびしんぼう」)は少年・少女の甘酸っぱい青春を描いたものだったが、「ふたり」に始まる新・尾道三部作は“家族”がテーマの基調となっている。出演は「今日から俺は!!」の高橋かおり、「青春デンデケデケデケ」の林泰文、「人造人間ハカイダー」の宝生舞など。

映像の魔術師・大林宣彦の世界【『海辺の映画館-キネマの玉手箱』特集】

映像の魔術師・大林宣彦の魅力に迫る PR

余命3か月を宣告されながらも、故郷である尾道を舞台にした超大作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』を完成させ、今年4月10日に82年の生涯に幕を下ろした大林宣彦監督。本特集では大林監督が手掛けた作品群から、その平和へのメッセージを解き明かす。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

小型客船・呼子丸が嵐のなか尾道沖で遭難し、乗客9名全員の絶望が伝えられてから三ケ月。残された恋人、夫、妻、家族のもとに、「今夜午前0時、呼子浜で待っている」という不可解なメッセージが次々と届く。女子高生・朝倉恵(宝生舞)は、授業中見ていたスライドのスクリーン上に恋人・高柳淳(柏原収史)からのメッセージを見つけた。恵は淳と交わした「ずっと一緒にいよう」という約束を思い出す。本当に会えるかもしれないという期待と不安を胸に、恵は呼子浜へ急ぐのだった。ヤクザの親分・金澤弥一郎(植木等)のもとには、孫からの手紙が届いていた。長年に渡って一家の長としてのつとめを果たしてきた金澤は、跡目を若い衆に譲って静かな余生を送りたいと考えていた。彼は組の若いものを引き連れて呼子浜へと出かけて行く。造船設計技師・永尾要治(峰岸徹)は、携帯パソコンに映し出された妻と娘からのメッセージを読んでいた。残酷ないたずらだと、堪えられない気持ちを部下の直子に訴えるが、永尾に思いを寄せる直子は、信じて会いに行くように促すのだった。永尾は直子の運転する車で呼子浜を目指した。水泳部員の安田沙由利(椎名ルミ)は、会社の伝言板に唐木コーチからのメモを見つけた。伝えられなかった唐木への思いを伝えたい一心で、沙由利は呼子浜へ行くことを決意する。しかし、同僚でマネージャーの小沢小百合(洞口依子)も同じメモを見ていたのだった。森下美津子(多岐川裕美)は、夢の中で夫の声を聞いた。美津子はそれを、夫の社長秘書として仕えていた布子(根岸季衣)に楽しそうに話す。布子は固い表情をしたまま、その話を聞く。会社のボートで二人は夕日の尾道水道を進んでいく。女子大生・原田法子(高橋かおり)は、友人の綿貫ルミと温泉旅行に来ていたのだが、法子の勘違いで最終便の船に間に合わなくなり、この夜を呼子浜の待合所で過ごすことになってしまった。待合所で早々と寝入ってしまった法子とルミのもとに、金澤たちの一行が到着した。供をして来た子分のなかに、小学校の時に離れ離れになってしまった大木貢(林泰文)がいるのを見て、法子は驚く。法子はあの時にもらった貢からの手紙に書いてあった“約束”をまだ覚えていたのだった。貢は複雑な家の事情で、金澤に拾われヤクザの見習いをやっていた。そこへ、朝倉恵が自転車で駆けつけて来る。続いて、死者たちとの“約束”を信じて、ひとり、またひとりと桟橋の待合所には人が集まって来た。それぞれの想いと思惑が交錯するなか、“約束”の時間は近づいていた。午前0時になり、波がにわかに騒ぎ始めると、暗い海の中から真っ白な呼子丸が姿を現わし、桟橋に停止した。その瞬間、目の前に現れたのは死んだはずのあの人たちだった。“約束”とは最愛の人に言えなかった“さようなら”を言うことなのだ。つかの間の再会を終えた死者たちは、再び船に乗り込んでいく。しかし、金澤だけは自分の命と引き換えに、孫の身代わりとなって船に乗るのだった。彼らを乗せた呼子丸は、暗い尾道の海に消えていった。

作品データ

製作年
1995年
製作国
日本
配給
東宝
上映時間
141分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.5
  • ネット紋次郎

    3
    2008/4/27

    大林作品の中では傑出した作品ではないかも知れないけど、惹かれる要素がたくさんあります。まず、特別出演的に最後の方にだけ出てくる原田知世がいいです。事故で不慮の死を迎えた人々の中でひとりだけ、会いたい人に会いに行かず、船上に残り、ひとりはぐれて船に乗ってきたルミとの会話が味わい深いです。原田知世はエンディングの主題歌を自ら作詞もして、歌っていて、その歌詞が自らの役と映画のテーマを見事に表現していて、とてもいいです。デビュー作の「時をかける少女」から10数年後に大人になった原田知世が再び大林映画の主題歌を歌う、その感慨だけで、この作品の価値は十分です。あと、ストーリーの中では水泳のコーチと彼に憧れていた水泳部員の少女との切ないエピソードが好きです。加えて、旧尾道3部作とちょっと違ったアングルから撮られた尾道の風景も魅力的です。

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    ネタバレあり
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  • 江戸川コナン

    5
    2007/3/15

    いろんな印象に残るシーンがありますが、海中から姿を現す呼子丸とまた海中に戻っていく呼子丸には感動します。

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