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菊村到の『不法所持』を映画化したもので、鈴木岬一が脚色し、「漂流死体」の関川秀雄が監督した。撮影は「空は晴れたり」の仲沢半次郎。出演は「風流交番日記」の志村喬ほか。

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深夜、タクシーの運転手が頭をぶち抜かれて死んだ。パトロールカーが飛んだ。目撃者はなかった。銃声を聞いた者もいなかった。拳銃はベルギー製ベアードだった。野田巡査部長と新進の田口刑事が事件を担当した。被害者の身許は分ったが、事件に関係のある人物は現れて来なかった。野田と田口は拳銃の不法所持者を探がした。野田は裏町にくわしいバーテンの水越から、拳銃にくわしいというバー「テキサス」の踊り手カラミティを紹介された。なじみ客の小林が出所不明の拳銃を持っているということだった。二人は小林を張り込んだ。カラミティの協力で小林を捕えた。しかし拳銃は夜の女のものだった。捜査は行きづまった。翌日、野田は娘の早苗とカトリック教会を訪れた。早苗は島岡技師との婚約を佐藤神父にうちあけた。推理小説ファンの佐藤神父は野田に重大なヒントを与えた。犯人は別の車の運転手かも知れない……事件に曙光が見え出した。折も折、金子という運転手がバーテンの水越を脅迫した。金子もカラミティの馴染み客であった。野田と田口は金子のアパートを急襲した。金子は小林から拳銃の密売を依頼されていたが応じなかったという。水越を脅迫したのはこの男ではない、金子の名を使った男がいるに違いない……と野田は直感した。小林には何か暗い影が感じられた。野田と田口は小林に自供を迫った。小林はついに犯人の名をあげた。ダイヤモンドタクシーの倉井運転手。しかし倉井は兇器を持っていなかった。兇器のピストルは事件直後硫黄島時代の戦友島岡にあずけたという。島岡の名をきいて野田は驚いた。島岡の働く工場を訪れると、何も知らぬ島岡は二人の訪問者に静かな調子で工場を案内した。しかし島岡は拳銃不法所持を認めていた。戦友の倉井から預かったものが拳銃であることを知った時、カトリック信徒である島岡は苦しんだ。彼は佐藤神父に真実を告げ、拳銃を神の手に渡したのである。野田はかつて訪れた教会をまざまざと思い出した。友人の秘密を守った島岡は拳銃不法所持の罪で連行された。だが、島岡を見送る早苗の瞳は美しく澄んでいた。

作品データ

原題 The Silent Murder
製作年 1959年
製作国 日本
上映時間 83
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スタッフ

企画 植木照男
原作 菊村到
脚色 鈴木岬一
監督 関川秀雄
撮影 仲沢半次郎
音楽 齋藤一郎
美術 田辺達
照明 森沢淑明
録音 岩田広一
編集 長沢嘉樹

キャスト

田口刑事 高倉健
野田巡査部長 志村喬
娘早苗 中原ひとみ
島岡 今井健二
佐藤神父 山村聡
牧捜査主任 神田隆
長谷川鑑識課長 南川直
熊部記者 佐原広二
キャメラマン 友野博司
カラミティ 久保菜穂子
水越 安藤三男
倉井 河野秋武
妻加代子 藤里まゆみ
小林 山本麟一
金子徳一郎 山茶花究
金子徳一郎の娘 都築みどり
津村 梅宮辰夫
矢野よし子 小林裕子
「まるみや」の主人 岸井明
アケミ 星美智子
中谷 吉川英蘭
大木 大東良
発見者の男 清村耕次
発見者の女 高橋京子
焼とり屋の爺 打越正八
ゲイボーイ 野沢哲男
夜の女 岡田敏子
女事務員 川崎玲子
女中 川村裕子
記者A 梅津栄
記者B 亀井明
記者C 室田日出男
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2020/8/8更新
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