映画-Movie Walker > 作品を探す > 東北の神武たち

「楢山節考(1958)」の深沢七郎の同名原作から久里子亭が脚色、「満員電車」の市川崑が監督、「最後の脱走」の山田一夫が撮影した東宝スコープ、文芸篇。主演は「生きている小平次」の芥川比呂志のほか、伊豆肇左卜全千秋実藤原釜足浪花千栄子三好栄子東郷晴子などのベテラン陣。

0/5
この作品はまだレビュー・投票されていません。
ぜひ最初のレビューを投稿してください。
投票する

星の内訳はレビューと
投票の合計数です

レビューを見る

星5つ
星4つ
星3つ
星2つ
星1つ

映画のストーリー結末の記載を含むものもあります。

山また山の東北の貧しい村。狭い田畑は長男が継ぎ、次、三男は飼殺しのヤッコと呼ばれてボロを着せられ、嫁ももらえず、髯を剃ることも禁じられ、ただ働くだけである。髪も髯も伸び放題なのが神武天皇を思わせるから、ズンムとも呼ばれる。二十二軒のこの村に十数人いるヤッコのうち一番馬鹿にされ嫌われているのは利助ズンム。何故なら彼の息は悪臭を放ち、まともに話でもしたらヘドを吐きたくなる位だったから。「くされ」と呼ばれるゆえんだ。秋に三角屋敷の父っさん久吉が死んだ時、女房のおえいに遺言した。かつて久吉の父は久吉の妹をはらませたズンムを叩き殺したことがある。父も久吉もこんなに苦しい死に方をせねばならぬのは、そのズンムの祟りに違いない。おえいはその罪亡しに村のズンム達を一晩ずつ花婿にしろと命じられたのである。忠実なことに、おえいは早速それを実行した。「くされ」の利助ズンムも胸をわくわくさせて待った。おえいはなかなか迎えに来ぬ。いつも彼の家の前を素通りする。そして口惜しいことに、彼の番になっても迎えはこなかった。おえいは臭い彼を敬遠したのだ。利助ズンムは失望落タンのあまり、馬を蹴飛ばしたり稲を引っこ抜いたりした。兄の太助は心配し女房のアサを提供したが、利助ズンムにはもうそんな勇気はなかった。おかね婆さんが山の向うの娘っ子だけの村の話をこっそりしてくれた。昔、この村のヤッコたちもその村を目指して山越えしたが、一人も帰ってこなかったという。北の山が越えられるかどうかも判らぬ。「おらァ山越す」利助は顔を輝かせた。冬の夜、ヤッコたちに見送られ、利助ズンムは一人で雪と氷の山へ登って行った。その山の背から月がのっそりと出てきた。

見たい映画に
登録した人
1

作品データ

製作年 1957年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 59
twitterでつぶやく
facebookでシェアする

スタッフ

監督 市川崑
製作 藤本真澄
原作 深沢七郎
脚色 久里子亭
撮影 山田一夫
音楽 団伊玖磨
美術 中古智
録音 藤好昌生
照明 石井長四郎

キャスト

利助ズンム 芥川比呂志
仁作ズンム 伊豆肇
春永ズンム 小高尊
文平ズンム 左卜全
堅次ズンム 溝井哲夫
勝ぞうズンム 恩田清二郎
常ズンム 堺左千夫
四郎ズンム 高畑文也
駒吉ズンム 千葉一郎
貞ズンム 岡部正
作太ズンム 千葉太郎
熊んばちズンム 佐藤允
太助 千秋実
嫁アサ 東郷晴子
三角屋敷の父っさん 藤原釜足
嚊おえい 浪花千栄子
おかね婆 三好栄子
堅次の家の老婆 沢村いき雄
人買い商人 浜村純
仁作の父っさん 山田巳之助
仁作の長兄 成田孝
春永の父っさん 丘寵児
春永の長兄 打越正八
双児の父 熊谷二良
双児の母 小野松枝
双児の長男 広瀬正一
双児の次男 広瀬正一
きぬ 杉浦千恵
なつ 伊藤英子
やしゃごの一郎 伊藤卓
奥の屋敷の父っさん 土屋詩朗
常の父っさん 榊田敬二
勝の父っさん 勝本圭一郎
熊の父っさん 草間璋夫
最近チェックした映画館・映画
おすすめ特集

おすすめ情報

見て良かったランキング
ジョーカー
ジョーカー

孤独な男が巨大な悪へと変貌していく悲劇の物語をホアキン・フェニックス主演で描く

イエスタデイ
イエスタデイ

『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督がザ・ビートルズの楽曲で綴る物語

ホテル・ムンバイ
ホテル・ムンバイ

インドで起きた無差別テロでホテルに閉じ込められた人質たちの脱出劇を実話を基に描く

Facebook&Twitter
MovieWalker_Facebook MovieWalker_twitter

映画-Movie Walker > 作品を探す > 東北の神武たち