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樹下太郎の同名小説を「日本暗黒街」の瀬川昌治が脚色し「悪童」の渡辺祐介が監督した喜劇。撮影は「三等兵親分出陣」の坪井誠

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サラリーマン大原彰は、タイピストの伊藤久美と結婚するはずであったが、久美は打算から大原の親会社の久米産業の御曹子庄三郎と結婚してしまい、そして大原は同僚の豊川知恵子と結婚した。皮肉なことに、この二組の新婚旅行は同じコースの南紀一周で、新幹線やホテルまで鉢合せの連続であった。ことに大阪のホテルでこれ見よがしに札ビラを切る庄三郎に彰は腹を立てたり、また和歌山行きの水中翼船の中で船酔いした庄三郎を知恵子が世話をしたところから、二組の関係がむずかしくなってきた。白浜に着くと、この二組に中年夫婦矢部と和代も加わり、串本→潮岬→勝浦と珍道中を続けていく中に、彰と久美は反撥しながらも恋人同士だった頃を思出していた。三組で二部屋しかとれなかった新宮で、とうとう彰と久美は人目を忍んで逢引きする破目になり、知恵子に感づかれるようになった。二見ケ浦で終る最後のコースに来て、いよいよ二組の仲はまずくなったが、「私にも好きな人がいたの。でも今は貴方が一番好き」と言う知恵子の言葉に、大原は努めて久美の幻影を消していった。一方久美も別れ話を持ちだすと泣きだした庄三郎の姿にうたれ、愛のない打算の結婚に空しさを感じながらも、「二年間をこの人に賭けてみよう」と思った。そして二年経ったある日、パッタリ会った彰と久美は思出の寿司屋に入り、彰は近く課長になることや、娘のことを半ば誇らしげに語るのだった。すっかり貫禄のついた彰に久美は、現在の落ちぶれた自分を顧みて、何か気おされるものを感じた。庄三郎一家は破産して、今は共稼ぎしなければならない久美ではあったが、庄三郎を見捨てる気にはなれず「私が何とかしなければ」と我が心に誓うのだった。

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作品データ

製作年 1966年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 84
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スタッフ

監督 渡辺祐介
製作 柴田輝二
原作 樹下太郎
脚色 瀬川昌治
企画 柴田輝二
撮影 坪井誠
音楽 渡辺宙明
美術 森幹男
編集 辻井正則
録音 広上益弘
スチル 鈴木一成
照明 森沢淑明

キャスト

伊東久美 緑魔子
大原彰 川崎敬三
久米庄三郎 人見きよし
豊川知英子 磯野洋子
矢部正一郎 大坂志郎
妻和代 石井富子
久米庄造 岡譲司
妻則子 市川春代
伊東重雄 如月寛多
妻信乃 水島京子
社員大貫 潮健児
女中ヤエ子 若水ヤエ子
番頭 久保比佐志
寿司屋の仲間A 須賀良
寿司屋の仲間B 久地明
寿司屋の仲間C 打越正八
フロント係 村上允俊
ボーイ 松井功
ボーイ 島村安弘
アベックの男 佐藤蛾次郎
寿司屋の源吉 市村俊幸
村尾専務 池部良
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