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1966年12月24日公開
日ソ合作第一回作品で、シナリオにはソビエト側からエミール・ブラギンスキー、日本側からは「六人の女を殺した男」の小国英雄が参加して執筆、監督にはソビエト側エドワールド・ボチャロフ、日本側は「妖僧」以来の衣笠貞之助があたっている。撮影はソ連側ピーター・カターエフ、日本側は「座頭市の歌が聞える」の宮川一夫。
映画のストーリー結末の記載を含むものもあります。
ヴァイオリンと絵に天才的なひらめきを示す十歳の少年川間健は孤児である。しかし、叔父の野田信之が、健の父がモスクワに生きている、と言った日から、モスクワ行きが健の夢になった。ボリショイサーカスが東京に来た時、健は道化師ニクーリン夫妻と知り合い、京都まで追いかけてモスクワへ連れて行ってほしいと頼みこんだ。健の手振り身振りの訴えに夫妻は微笑しながら承諾したが、言葉の通じない悲しさ、夫妻が飛行機で帰国した時、健は横浜港で夫妻を待っていたのである。やむなく健はソ連船に忍び込んだが、乗組員に発見されたのはナホトカが近くなった時だった。ナホトカに着くと健の密航を処理するため、退役軍人トロフィムイチと共にモスクワに向った。しかし、途中で迷子になった健は一人で旅をしなければならなくなる。モスクワまでの数カ月間、リュックサック一つで、健は線路を歩いたり密林に入ったり、それでもソ連の人たちに助けられながら旅を続けた。やがて、レニングラードに着いた時、健はサーカス小屋を見つけた。入ってみると、そこにはニクーリンがいた。驚いた彼は、日本大使館員の通訳で健の事情をすっかり聞くと、健を連れてモスクワに向った。しかし、そこで知ったのは、健の父が既に五年前に死んでいたということだった。身体をふるわせて泣く健を、ニクーリンは言葉もなく抱きしめるのだった。--それから十年後ソ連で成長し、ヴァイオリンの修業をつんだ健は、モスクワ室内管弦楽団と共に帰国し、なつかしい故国の人人の前で、その腕前を披露した。その健の美しいヴァイオリンの音に、人一倍熱心に耳を傾けているのは叔父野田信之と、幼な友達で、今はすっかり成長した道子の二人だった。
スタッフ
監督 | 衣笠貞之助 、 エドワールド・ボチャロフ |
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製作 | 永田雅一 、 ゲ・イ・ブリチコフ |
脚本 | 小国英雄 、 エミール・ブラギンスキー |
撮影 | 宮川一夫 、 ピーター・カターエフ |
音楽 | エミング・ハチャトリヤン |
美術 | 渡辺竹三郎 、 パシケビッチ |
編集 | 鈴木東陽 |
録音 | 飛田喜美雄 |
スチル | 沓掛恒一 |
照明 | 伊藤幸夫 |
キャスト
川間健 | 稲吉千春 |
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佐久間道子 | 安田道代 |
川間健の成人時代 | 太田博之 |
道化師ニクーリン | ユーリー・ニクーリン |
マダム・ニクーリン | タチャーナ・ニクーリン |
田端先生 | 宇津井健 |
木村次郎 | 藤巻潤 |
女教師 | 坪内ミキ子 |
モスクワ在住邦人 | 船越英二 |
野田信之 | 宇野重吉 |
山村弥生 | 京マチ子 |
指揮 | ルドルフ・バルシャイ |
モスクワ室内管弦楽団 | |
ソビエト国立ボリショイサーカス |
(c)キネマ旬報社
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