映画-Movie Walker > 作品を探す > 破戒(1962)

島崎藤村原作を「黒い十人の女」の和田夏十が脚色、同じく市川崑が監督した文芸もの。撮影は「続 悪名」の宮川一夫。出演は「ぼんち」の市川雷蔵、「人間狩り」の長門裕之など。

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天の知らせか十年ぶりで父に会おうと信州烏帽子嶽山麓の番小屋にかけつけた、飯山の小学校教員瀬川丑松は、ついに父の死にめに会えなかった。丑松は父の遺体に、「阿爺さん丑松は誓います。隠せという戒めを決して破りません、たとえ如何なる目をみようと、如何なる人に邂逅おうと、決して身の素性をうちあけません」と呻くように言った。下宿の鷹匠館に帰り、その思いに沈む丑松を慰めに来たのは同僚の土屋銀之助であった。だが、彼すら被差別部落民を蔑視するのを知った丑松は淋しかった。丑松は下宿を蓮華寺に変えた。士族あがりの教員風間敬之進の娘お志保が住職の養女となっていたが、好色な住職は彼女を狙っていた。「部落民解放」を叫ぶ猪子蓮太郎に敬事する丑松であったが、猪子から君も一生卑怯者で通すつもりか、と問いつめられるや、「私は部落民でない」と言いきるのだった。飯山の町会議員高柳から自分の妻が被差別部落民だし、お互いに協力しようと申しこまれても丑松はひたすらに身分を隠し通した。だが、丑松が被差別部落民であるとの噂がどこからともなく流れた。校長の耳にも入ったが、銀之助はそれを強く否定した。校長から退職を迫られ、酒に酔いしれる敬之進は、介抱する丑松にお志保を嫁に貰ってくれと頼むのだった。町会議員の応援演説に飯山に来た猪子は、高柳派の壮漢の凶刃に倒れた。師ともいうべき猪子の変り果てた姿に丑松の心は決まった。丑松は「進退伺」を手に、校長に自分が被差別部落民であると告白した。丑松は職を追われた。骨を抱いて帰る猪子の妻と共に、丑松はふりしきる雪の中を東京に向った。これを見送る生徒たち。その後に涙にぬれたお志保の顔があった。

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作品データ

製作年 1962年
製作国 日本
配給 大映
上映時間 118
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スタッフ

監督 市川崑
製作 永田雅一
原作 島崎藤村
脚色 和田夏十
企画 藤井浩明
撮影 宮川一夫
音楽 芥川也寸志
美術 西岡善信
編集 西田重雄
録音 大角正夫
スチル 西地正満
照明 岡本健一

キャスト

瀬川丑松 市川雷蔵
土屋銀之助 長門裕之
風間敬之進 船越英二
お志保 藤村志保
猪子蓮太郎 三國連太郎
蓮華寺住職 中村鴈治郎
猪子の妻 岸田今日子
校長 宮口精二
奥様 杉村春子
丑松の叔父 加藤嘉
丑松の父 浜村純
地主 嵐三右衛門
鷹匠館のお主婦 浦辺粂子
高柳利三郎 潮万太郎
年配の牧夫 見明凡太朗
被差別部落民 伊達三郎
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