映画-Movie Walker > 作品を探す > 鉄砲安の生涯

昨秋の芸術祭参加番組としてNHKから放映された小橋博原作のテレビ・ドラマ「こがね虫」を、「釈迦」の八尋不二が脚色、「ある関係」の木村恵吾が監督した人情もの。撮影は「釈迦」の今井ひろし

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明治二十四年五月、ロシア皇太子ニコラス殿下は琵琶湖観光のため大津の町を訪れたが、このたびの来日は日本侵略の下調査だという噂を信じていた津田三蔵巡査は、皇太子目がけて斬りつけた。そのとき、鉄砲安の異名をとる人力車夫安五郎は夢中で津田に組みつき、皇太子は危く命をとりとめた。このため酒とバクチが好きで怠け者の安五郎はロシア政府から千ルーブルの終生年金を受ける身となったばかりか、「時の英雄」として勲八等を贈られ、一躍名をあげた。幼馴染の千代は安五郎に想いをよせていたが、彼が大金持ちになった現在では近づきがたいものを感じるのだった。故郷の石川県加茂村に錦を飾った安五郎は、県会議員太田垣の娘トミエを妻に迎え、長男一郎が生まれた。が、叔父の坂口をはじめとして村人たちは彼の年金が目当てであり、妻トミエさえも父の選挙資金欲しさの政略結婚であった。生来お人好しの安五郎も、一郎が妻と書生の間にできた不義の子と知ったときは、怒りに燃えた。安五郎と前後して加茂村に帰った千代は、そんな安五郎に深く同情したが、近く嫁ぎ先もきまって別れの挨拶に出かけたものの、口ゲンカして別れてしまった。明治二十七年の日清戦争、そして三十七年の日露開戦となるや、かつての救国の英雄安五郎は国賊扱いを受けた。太田垣はトミエの不義を理由に、彼女を引き取ったが、安五郎は一郎だけは手放さなかった。一郎は国賊の子と罵られた。周囲の迫害に堪えかねた安五郎は、「お父ちゃんは国賊じゃない。今からでも兵隊になるぞ」と一郎にいい聞かせながら、軍夫に志願するため折からの猛吹雪をついて、福井の連隊に向った。疲れ果てた二人が辿りついた一軒家は、意外にも千代の住居である。夫を戦場で失った彼女は、今は未亡人となって一人の遺児を護るため健気に立ち働いていた。安五郎は涙ながらに一郎を千代に托し、吹雪の中に飛び出した。「わいは国賊じゃない。鉄砲安は日本人やぞ!」と叫びながら……。

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作品データ

製作年 1962年
製作国 日本
配給 大映
上映時間 94
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スタッフ

監督 木村恵吾
原作 小橋博
脚色 八尋不二
企画 久保寺生郎
撮影 今井ひろし
音楽 斎藤一郎
美術 柴田篤二
編集 谷口孝司
録音 近藤正一
スチル 藤岡輝夫
照明 中岡源権

キャスト

北ケ市安五郎 勝新太郎
千代 浦路洋子
津田三蔵 丹羽又三郎
トミエ 近藤美恵子
太田垣弘一 三島雅夫
山崎卯兵衛 菅井一郎
きく 南美江
定七 上田吉二郎
時永 潮万太郎
茂一 舟木洋一
おかつ 澄川仁恵
女中頭しげ 浦辺粂子
松村 清水元
坂口伝次郎 寺島雄作
伊東祐亨 南部彰三
後藤 羅門光三郎
木崎徳太郎 星十郎
沖守国 杉山昌三九
通訳 丸山修
有栖川宮威仁 南条新太郎
川上操六 原聖四郎
加藤 伊達三郎
三宮義胤 玉置一恵
大東 堀北幸夫
尾口 藤川準
万里小路正秀 岩田正
留吉 菊野昌代士
長屋の内儀A 小柳圭子
長屋の内儀B 小林加奈枝
ニコラス N・ニコライ
ゲオルギス K・ポップ
太吉 沖時男
幸助 大杉潤
金太 安田祥郎
役人 加賀美健一
田村 浜田雄史
池内 木村玄
小林 西岡弘善
長屋の内儀C 滝のぼる
娘まつ 高森チズ子
娘きよ 辻村博子
一郎 高宮克巳
市川美恵子
シゲル 森本平三
子供一 杉山光宏
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